映画「パイレーツ・オブ・カリビアン3」の「ワールドエンド」
個々の主要キャラによって最終目的が異なるのですが、ハッピーエンドを迎えるためには東インド貿易会社との決戦に勝たないといけないのは、共通した達成条件となっていました。
そんな折、バルボッサはカリプソの解放を主張します。
今回はこのバルボッサが主張したカリプソの解放について、深堀りしていき、その真の理由を考察したいと思います。
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン3」カリプソの解放理由
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」では、主要キャラクターの最終目的が異なっており、そのことで裏切りが頻繁に起きていました。
ジャックはデイヴィ・ジョーンズとの契約から逃れたい、というのが最も重要なことでした。
ウィルはフライング・ダッチマン号から父を解放すること。
エリザベスは父の敵であるベケット卿に対する復讐でした。
話の展開上、3人が最終目的を達成するためには、東インド貿易会社の艦隊との戦闘に勝利する必要があります。
そしてフライング・ダッチマン号も東インド貿易会社の艦船の一つという状況でした。
そんな状況下で戦闘を有利にするため、人間の姿に封印された海の女神カリプソを解放し、その見返りに女神の力を借りたい、とバルボッサは主張します。
たしかにバルボッサのいう通り、女神の助力があれば、東インド貿易会社の艦隊船など何ら恐れることはなかったでしょう。
バルボッサが主張した表向きの狙い
海賊評議会を終結させ、集まった伝説の海賊たちに東インド貿易会社との決戦の覚悟を持たせようとします。
が、予期していたほど、他の海賊たちの反応は鈍く、ぜんぜん乗ってきません。
東インド貿易会社の艦船とはいえ、その実は大英帝国の船であり、イギリス海軍にケンカを売るのと同意語なわけですから、尻込みするのもうなずけます。
海賊たちの船は統制がとれておらず、組織だっての反抗は無理でしょう。
場合によっては「命あっての物種」とさっさと洗浄を離脱する船も出てくる恐れがあります。
そんな半分味方みたいな連中に対し、とりうる対策としても絶対勝てることを信じ込ませる以外ありません。
勝ち馬に乗れると信じたら、その際に得られるお宝をうまく分捕ってやろうと思うのが海賊です。
ですので、バルボッサは海の女神カリプソが味方に付くと言って、他の海賊たちを安心させ、彼らが協力しやすいようにしなければなりませんでした
最後の決戦で役に立ったのか?
しかし実際には、カリプソは解放された後、あっという間に姿を消し、海賊たちの見方にはなってくれませんでした。
最後の決戦時には嵐と渦潮を発生させましたが、それによってブラックパール号が圧倒的に、フライング・ダッチマン号に対して優位にたてたか?と聞かれると、そんなことはなかった、と答えざるを得ません。
決戦のアクションシーンとしてはとても迫力のある、見ごたえの高いものではありました。
が、それは同時にブラックパール号が絶対勝つという安心感のない、ハラハラドキドキできたものだったのです。
つまり、結論を言ってしまえば、カリプソの解放が決戦時に海賊にとって有利な状況を作り出していたわけではなかったのです。
カリプソとバルボッサの密約疑惑
それでは一体バルボッサが主張する、カリプソの解放にはどのような目的があったのでしょうか?
それをうかがい知る、1シーンがありました。
難破船島に到着する少し前、ティア・ダルマとバルボッサが会話を交わした際、ティア・ダルマはバルボッサの手をつかみます。
するとバルボッサの手は骨むき出しとなり、ティア・ダルマは元の死体に戻すことができる、と脅していました。
ここからわかるのは、ティア・ダルマがバルボッサを復活させた真の理由だと思います。
彼女はジャックをデイヴィ・ジョーンズの墓場から救い出すため、と言っていましたが、本当はティア・ダルマという人間の姿に封印されたカリプソの解放が目的だったのです。
カリプソを解放するためには9人の伝説の海賊の総意が必要で、バルボッサが死んでしまっていてはそれが不可能です。
さらにデイヴィ・ジョーンズの墓場に送られたジャック・スパロウも必要になるわけです。
ですのでティア・ダルマは、おそらくバルボッサを復活させた際に、完全には復活させておらず、完全復活の条件としてカリプソの解放を迫ったのでしょう。
だからバルボッサはジャックの救出に嫌という選択肢はなく、デイヴィ・ジョーンズの墓場まで救出に出向いたのだと思います。
そして海賊評議会でもカリプソであるティア・ダルマとの間で交わした真の目的を隠したまま、さももっともらしい理由をつけ、カリプソの解放を主張したのでした。
まとめ
海賊評議会でカリプソの解放を主張したバルボッサの狙いを考察してみました。
最後の決戦時にカリプソは海賊にとって全く役に立っていませんでしたので、バルボッサの思い描いていた作戦は見当外れだったのか、とがっかりしたものです。
しかし、よくよく考えてみると、バルボッサはカリプソであるティア・ダルマによって復活しており、しかもまだ完全な復活はしていない描写もありました。
その点を考慮に入れると、バルボッサの復活はカリプソを解放させるために行われたことがわかります。
バルボッサも有能な海賊ですので、カリプソとの裏取引は臆面にも出さず、海賊たちの置かれた不利な状況を打開させることができるかもしれない、起死回生の作戦として主張したのでした。
このバルボッサの主張で勝ち目が出てきたと思い始めた海賊たちはカリプソの解放を条件に東インド貿易会社との決戦に臨むことを賛成します。
バルボッサの作戦勝ちであり、そんなバルボッサという有能な駒を操れる状況になった時点で、カリプソの勝ちは約束されたものとなっていたのでした。
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