心に傷を負って健康を害した男性が、逃げ出したものと対峙するまでの心の葛藤を描いた映画「ザ・ホエール」
ともすれば、嫌なことから逃げ出し、楽しいと思われることだけを追いかけたいという甘い誘惑は、大小関係なく、いつでも降りかかってくると思います。
ですが、いつも嫌なことから逃げ出してばかりいると、払わなければならない代償はどんどん大きくなっていくということを再認識させてくれた作品でした。
そしてどんなに大きくなってしまったとしても立ち向かうと覚悟を決めれば、気が付かないうちに周りの協力を受けることができるのでしょうね。
そんなヒューマンドラマ映画「ザホエール」
今回はこの映画の基本情報や予告動画や登場人物情報、そして映画のあらすじを分かりやすく紹介していきます。
映画「ザホエール」の基本情報
それでは映画「ザ・ホエール」の詳細あらすじを紹介する前に、映画の基本情報を紹介します。
「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督が、「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザーを主演に迎えた人間ドラマ。
劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇を原作に、死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描く。
40代のチャーリーはボーイフレンドのアランを亡くして以来、過食と引きこもり生活を続けたせいで健康を損なってしまう。アランの妹で看護師のリズに助けてもらいながら、オンライン授業の講師として生計を立てているが、心不全の症状が悪化しても病院へ行くことを拒否し続けていた。
自身の死期が近いことを悟った彼は、8年前にアランと暮らすために家庭を捨ててから疎遠になっていた娘エリーに会いに行くが、彼女は学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた。
共演はドラマ「ストレンジャー・シングス」のセイディー・シンク、「ザ・メニュー」のホン・チャウ。2022年・第79回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。
引用:映画ドットコム
映画「ザホエール」の予告動画
続いて映画「ザ・ホエール」の予告動画紹介です。
映画「ザホエール」の登場人物紹介
最後に登場人物の紹介です。
チャーリー
過去の出来事から精神的に病んでしまい、部屋から出ないで生活する超肥満の英語教師。
演じるのはブレンダン・フレイザー。
エリー
チャーリーの娘。
学校生活で問題を抱えている。
演じるのはセイディー・シンク。
リズ
チャーリーの唯一の友人。
演じるのはホン・チャウ。
メアリー
チャーリーの元妻。
演じるのはサマンサ・モートン。
トーマス
ニューライフ教会の宣教師。
チャーリーのことを気にかけている。
演じるのはタイ・シンプキンス。
映画「ザホエール」ネタバレあらすじを分かりやすく解説
それでは映画「ザ・ホエール」のネタバレ有のあらすじを分かりやすくお届けします。
起・多くの問題を抱えるチャーリー
チャーリーはとある大学に勤める教授でしたが、心に病を持っていました。
そのため、過食症からくる肥満、とても見苦しい外見をしています。
大学で教える英作文の授業は、オンラインでのみ行っていましたが、自らの容姿を恥じているため、ウェブカメラのスイッチを切ったままにしていました。。
チャーリーがかかわりを持つ人間はとても少なく、そのうちの一人、看護師リズによって何かと世話をしてもらっていました。
リズは、チャーリーの健康を心配しています。
深刻なうっ血性心不全リスクがあるため、病院に行くように彼に勧めていました。
が、彼は、診察によってて生じる費用の支払いができないと心配しているため、彼女の助言を無視していました。
リズの他には、ニューライフ教会の宣教師のトーマスが、チャーリーとかかわりのある人物でした。
トーマスもチャーリーの状況を心配して、何度となく彼を訪ねてきてくれています。
もう一人、チャーリーがかかわりを持っているのが、ピザ宅配ドライバーのダンでした。
チャーリーは頻繁にピザを注文していたため、ダンとの接点があったのですが、受け取りは対面で行われたことはありません。
ダンは配達に来るとピザをドアの外に置き、郵便箱から支払いの入った封筒を持っていく、というパターンを、変わらず行っていたのでした。
チャーリーは、かねがね、ずっと会っていない娘のエリーとの再会を願っていました。
彼女とは8年間会っていません。
会いたいという気持ちがありながら、それを実行できずにいたのは、彼がした過去の出来事からの負い目からでした。
承・愛娘エリートの再会
しかし、チャーリーは思い悩んだ末、エリーと再会することにします。
そしてエリーに連絡を取り、母親に内緒で定期的に会ってくれれば、チャーリーが持つ12万ドルの預金を譲ると提案するのでした。
エリーはその申し出に、彼女が学校の単位を取得するために提出しなくてないけないエッセイを手伝うことを条件に加えます。
チャーリーは、手伝いには同意しますが、同時になんでもいいので何か文章を書くことを条件に付けるのでした。
リズはトーマスが頻繁にチャーリーを訪問することに不満を持っていました。
そのため、チャーリーに教会の救いは必要がないことを彼に伝えます。
さらに、彼女がニューライフの主任牧師の養女であることを明かし、チャーリーが心を病んでしまった出来事を話すのでした。
リズの兄、アランはチャーリーのボーイフレンドでした。
しかしアランは宗教的な罪悪感により自殺をしてしまいます。
ボーイフレンドの自殺が原因で、チャーリーは制御不能の過食症になってしまったのでした。
過去の出来事を話したリズのはトーマスに、チャーリーにトーマスの救いはいらない、と念を押します。
が、トーマスは自分の使命はチャーリーを助けることだとより強く信じ込むのでした。
ある日チャーリーはミートボール・サンドイッチ食べていましたが、それを喉を詰まらせてしまいました。
大事には至りませんでしたが、それからというもの、チャーリーの健康状態は悪化し始めてしまいます。
リズはチャーリーのために車いすを手配し、これまで通り、チャーリーが家の中を移動できるようにしました。
チャーリーの家を定期的に訪れていたエリーはある日、チャーリーのため作っていたサンドイッチにこっそり睡眠薬を入れます。
それを食べて、彼が眠りについた後、トーマスが訪ねてきました。
トーマスを招き入れ、二人は話をし始めます。
やがて、エリーはトーマスと一緒にマリファナを吸い始めますが、その間、エリーはトーマスに彼の過去について質問し始めました。
トーマスは教会の青年グループに所属して今いたが、満たされない気持ちに悩まされていました。
そしてある日、そのグループのお金を盗んでしまい、家族や教会から逃げ出したのです。
そしてそれ以来、罪の意識を感じながらも、しでかした罪に対する行動をできないでいたのです。
エリーはトーマスのこの告白を、こっそりとスマホで録音していました。
転・恐れていた変化
リズがチャーリーの元妻でエリーの母親であるメアリーをチャーリーのアパートに連れてきたことで、エリーが母親に内緒で父親と会っていることがばれてしまいます。
チャーリーとメアリーは口論を始め、それはだんだんと激しいものになっていきました。
そしてチャーリーの口から、彼の持つ預金をすべてエリーに渡すつもりであることが明かされます。
それを聞いたリズは、チャーリーが「お金がないから病院には行かない」といっていたことは嘘であったことに気が付き、その場を去るのでした。
残されたメアリーとチャーリーは、結婚生活の破綻と両親としての失敗についてさらに口論を続けています。
ついにメアリーはチャーリーのアパートから去るのですが、その際、チャーリーは涙ながらに、叫ぶのでした。
自分の人生の中で、エリーという存在が、自分が正しいことをしたという証となってほしい、ということを。
いつも顔を合わせることのないダンが初めてチャーリーをちらっと見るという事件が起こりました。
ダンはチャーリーの容姿に嫌悪感を持った反応を見せました。
それにショックを受けたチャーリーは深刻な過食症状を起こしてしまいます。
そしてオンライン授業で生徒達に適切ではない文章で、授業は関係ない、なにか正直なことを書いて再提出するようにとメールを送るのでした。
その後、トーマスがチャーリーを訪ねてきます。
そして彼は故郷に帰る決心をしたこと、この訪問が最後になるということを話すのでした。
エリーとした会話の録音データを、エリーがトーマスの家族と教会に送り、それによって彼らがトーマスのした過ちを赦していて、戻ってくるように連絡をくれたからでした。
さらにトーマスは、チャーリーがアランの死を自分が原因だと思い込むことで、自分に罪悪感を与えている、といいます。
自分自身で救いのない責めを科しているのだ、と。
結・最期を迎えるにあたっての和解
チャーリーは次の授業で、苦情のために別の講師と交代することを発表しました。
そして学生の提出物のいくつかを読みます。
彼らの正直さに報いるために、彼は初めてウェブカメラのスイッチをONにしました。
映し出されたチャーリーの姿を見た生徒たちはショックをうけた反応をします。
そしてチャーリーは、授業の終了を宣言し、ノートパソコンをつかむと冷蔵庫に向かって投げつけるのでした。
こうして彼の最後の授業は終了します。
その後、チャーリーの健康は悪化の一途をたどっていきました。
彼を見捨てたことに罪悪感を感じていたリズは、チャーリーの見舞いに訪れます。
そこにエリーが突然、チャーリーによって書かれたエッセイをもって現れたのでした。
彼は、書き直したエッセイを、これまでに読んだ中で最も正直なエッセイだと感じた、彼エリーが中学2年生のときに書いた白鯨の批判的なエッセイに置き換えたことを打ち明けました。
エッセイが認められず、落第点を取ってしまったエリーは、チャーリーに対して激しく怒りをあらわにします。
そんなエリーにチャーリーは最後に和解したいと、他人から見てもはっきりとわかる悪化している体調のまま、懇願し、痛む胸を押さえながらエッセイを朗読するように懇願するのでした。
エリーがしぶしぶエッセイを読み始めると、チャーリーが立ち上がって、誰の助けも借りずに彼女に向かって歩こうとします。
それは、エリーがチャーリーを初めて訪ねた時に彼が使用として失敗した行為でした。
エリーが読み続ける中、チャーリーはエリーに近づき、やがて真っ白な光に包まれて浮遊し始めます。
家族でビーチを訪れたときの思い出の風景が映し出され、映画は終わるのでした。
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