映画「キャッシュトラック」はジェイソン・ステイサムとガイ・リッチー監督が2005年ぶりに組んだクライムアクション作品です。
アクションもすごいのですが、ジェイソン・ステイサム演じる主役の素性であったり、目的であったりが、ジョジョに明らかになっていくストーリーがぐいぐいと興味を惹きつけます。
さらにすごいと思った仕掛けがあり、それによってクライマックスにかけてのハラハラドキドキはとても素晴らしいものに仕上がっています。
今回はこの映画「キャッシュトラック」の基本情報や予告動画や登場人物情報、そして映画のあらすじを分かりやすく紹介していきます。
映画「キャッシュトラック」の基本情報
それでは映画「キャッシュトラック」の詳細あらすじを紹介する前に、映画の基本情報と予告動画、そして登場人物の紹介をしておきます。
映画「キャッシュトラック」の基本情報と予告動画
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「スナッチ」のジェイソン・ステイサムとガイ・リッチー監督が、「リボルバー」以来16年ぶりにタッグを組み、2003年製作のフランス映画「ブルー・レクイエム」をリメイクしたクライムアクション。
ロスにある現金輸送専門の警備会社フォルティコ・セキュリティ社では、特殊な訓練を受け、厳しい試験をくぐり抜けた警備員たちが現金輸送車=キャッシュトラックを運転していた。そこに新人のパトリック・ヒル、通称“H”が警備員として採用された。
採用試験の成績はギリギリ合格というレべルだったHだが、ある時、トラックを襲った強盗を驚くほど高い戦闘スキルで阻止し、周囲を驚かせる。
そして、彼の乗るトラックがふたたび強盗に襲われると、Hの顔を見た犯人たちはなぜか金も奪わずに逃げてしまう。
周囲がHの正体に疑心を抱く中、全米で最も現金が動くブラック・フライデーにフォルティコ・セキュリティ社に集まる1億8000万ドルの大金を狙う強奪計画が進行していた。
引用:映画ドットコム
映画「キャッシュトラック」の登場人物紹介
続いて登場人物紹介です。
パトリック・ヒル/H
警備会社のフォルティコ社に入社してきた物静かな男。
その姿からは想像できない戦闘能力を発揮したことで、英雄扱いされると同時に過去についても疑惑を向けられる。
演じるのはジェイソン・ステイサム。
ハイデン・ブレアー/バレット
フォルティコ社のベテラン警備員でHのパートナーとなる。
演じるのはホルト・マッキャラニー。
デイヴ・ハンコック/ボーイ・スウィート
フォルティコ社の警備員。
Hをライバル視し、目の敵にする。
演じるのはジョシュ・ハートネット。
テリー・ロッシ
フォルティコ社のマネージャー。
Hに対して不信感を抱く。
演じるのはエディ・マーサン。
映画「キャッシュトラック」の見どころ紹介
冒頭にも書きましたが、視聴者の興味を引くためにストーリーが時系列順に展開していきません。
発端となるメインの事件がまず起こり、その後、主人公のHがいろいろと調べて回って明らかになっていくのですが、それがある程度つながって形になると、過去に戻って謎が明らかになる、という構成を繰り返しています。
それによって謎解きの面白さは無くなりますが、明かされた情報のおかげでHに降りかかる危険を、視聴者が事前にわかることになります。
そのため彼に危険が迫るシーンが分かり、その危険をどのように回避するのか、というハラハラドキドキ感が大きく高まりました。
最終的にHは、彼が望む目的を果たすのですが、その時に得られるものは達成感ではなく、なんとも言えないむなしさを感じざるを得ないのも、味があって良かったと思います。
映画「キャッシュトラック」ネタバレあらすじを分かりやすく解説
それでは映画「キャッシュトラック」のネタバレ有のあらすじを分かりやすくお届けします。
起・黒き影
ロサンゼルスで現金輸送を主な業種としている警備会社フォルティコ社。
その現金輸送車が、工事現場作業員の姿に扮した強盗団に襲われ、二人の警備員が殺される事件が発生しました。
そしてその巻き添えに、たまたま近くにいた少年も命を落とすことになってしまいます。
その事件から5か月がたったある日、フォルティコ社に一人の男性が警備員として採用試験を受けることになります。
彼の名前はパトリック・ヒル。
早速入社試験を受けることになり、試験官として「バレット」というあだ名のハイデン・ブレアーが見守ることになるのでした。
身体能力、射撃、運転のテストを受けますが、合格ラインである70点ぎりぎりで、採用試験をパスします。
この際、バレットはパトリックに「H」というあだ名をつけるのでした。
無事採用されたHはバレットによって他の警備員に紹介されます。
警備員として雇われているメンバーの中で唯一女性のダナ・カーティスと「ボーイ・スウィート」というあだ名のデイブ・ハンコックに個別で紹介しますが、デイブはHのことをライバル視し、この警備員の仕事がどれほど危険なのかを、脅すようにHに話すのでした。
この日の組み合わせはバレットにデイブことボーイ・スウィート、そしてHの3人でした。
目的地に向かう道中のやり取りで、5か月前に警備員二人が犠牲者となった事件で、本来ならボーイ・スウィートがその現金輸送車の運転をする予定だったものの、二日酔いで仕事を休んだため、被害にあわなくて済んだことが分かります。
その後、順調に仕事をこなし、とある現場。
建物の中に入ったバレットを待っていた二人でしたが、なかなか時間になっても出てこないため、無線機で連絡をしてみると、何者かに捕まったことが分かります。
パニックになるボーイ・スウィートはバレットを見捨てて逃げ出そうとしますが、Hは彼を落ち着かせ、犯人の要求道理に現金輸送車を走らせることにするのでした。
犯人の要求は現金輸送車内に集められた200万ドルの現金。
仲間の車の待つ工場跡地におびき出し、後からつけてきたトラックを後ろ付で現金輸送車近くに止めます。
犯人グループは人質になったバレットを盾にして現金の強奪を目論みますが、Hは犯人に隙ができるように仕向け、そのチャンスを的確に利用して一人一発の射撃で確実に倒していくのでした。
社に戻った後、警察の事情徴収を受けます。
警察官やマネージャーのテリーが、入社試験の際には合格点ぎりぎりの射撃の腕であったHが、今回は百発百中という技術を見せたことに疑問を抱いたのでした。
Hは、テストではなく、実際に危険な場面に遭遇して神経が研ぎ澄まされたからだろう、と答えます。
続いて刑事は、5か月前に起きた現金輸送車襲撃事件の、監視ビデオで撮影された犯行の様子をHに見せます。
今回の襲撃と5か月前の襲撃の間に何か関連がないか、確認するためでした。
Hは食い入るようにビデオを見つめますが、気が付く関連性は何もない、と答えます。
警察の事情徴収が終わり、テリーはHに襲撃のショックを考えて、1ヶ月の内勤をさせ用途考えていました。
が、会社のオーナーでCEOのブレイク・ホールズは、見事に強奪犯を撃退したHに個人的に感謝を伝えるべく、会社にやってきて、彼をヒーローとして絶賛します。
そしてテリーにこのまま警備の仕事を続けさせ、昇給して活躍に報いるように命じるのでした。
フォルティコ社を出た刑事達はFBIエージェントのキングに連絡し、25年間もの間、逮捕できるだけの証拠を掴もうとしていた容疑者がフォルティコ社にいることを報告します。
が、キングは彼らにHをマークすることを許さず、彼が好きなように行動できるように命じるのでした。
仕事を終え、自宅アパートにいたHのもとに女性が訪ねてきます。
何も言わず、無言で封筒を渡して去っていきますが、その封筒の中身には、
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・フォルティコ社の従業員に関する資料
・ダナ・カーティスの家族の写真
・検死結果報告書
が入っているのでした。
その後しばらくして、バレットとHが乗る現金輸送車がチャイナタウンで再び子強奪犯部ループに襲撃されます。
視界をさえぎるため、フロントガラスにはペイント弾が打ち込まれ、サイドミラーもペンキのスプレー缶によって塗りつぶされて使えなくなってしまいます。
さらに催涙弾が投げ込まれ、バレットとHはやむなく犯人たちの待つ車外にでなくてはならなくなりました。
が、犯人たちはHの顔を見ると、慌てて逃げ出してしまいます。
その話をテリーに報告するのですが、テリーははじめ、本当のこととして話を信じられませんでした。
バレットからの証言もあり、真実であるとわかると、Hをサイコパスではないかと恐れ、内勤に変えようとします。
しかしCEOはHの腕にほれ込んでしまい、テリーのいうことを全く効かず、今後Hの武勇伝がもっと広がるのであれば関連グッズを売り出そう、と上機嫌でした。
今やHはフォルティコ社の中で英雄として絶大の信頼を受けていました。
が、バレットやテリーはHの中に何かおかしな影のようなものに気が付き、いったい何者なのか、詮索をめぐらせます。
一方ダナ・カーティスはヒーローであるHに興味を持ち、自宅に誘って一夜を共にします。
が、深夜、Hに起こされ、銃を突きつけられて尋問されるのでした。
Hはダナの家の中を調べ、12万5千ドルという大金の現金を見つけ出したのです。
この金の出所をダナに訪ねたのでした。
始めは真剣に取っていませんでしたが、Hが2発実弾を発砲したことで本気であることを理解し、とある酒屋から引退資金として盗み出したことを告白します。
その答えに満足したHは、彼女の命を助けます。
が、彼女が正直に答えてくれていなかったり、他に情報を隠していたことが分かれば、その時は中躊躇なく引き金を引く、というのでした。
承・焦土作戦
5か月前に発生した現金輸送車襲撃事件の当日。
息子のドギーを車で送るろうとしているHに電話がかかってきます。
それは仕事からで、休みだったHに対し、今日の仕事で現場に向かっていた一人が事故を起こして間に合わないことが分かったので、代わりに向かってほしいとものでした。
任務は簡単なもので、現金輸送車がどちら方向に向かったかを伝えるだけでよかったのです。
仕方なく依頼を受けますが、そのことはドギーには内緒にして車を走らせ、任務の場所付近でキッチンカーを見つけたという適当な理由をつけて停車させます。
食料を買うふりをして目標である現金輸送車がゲートを出てから右折したことを伝え、それで任務を終えて車に戻るのでした。
が、ちょうどHが車を止めていたすぐ近くでこの現金輸送車が、工事現場作業員に扮した強盗団によって襲撃されてしまいました。
ドギーはそのことに気が付き、Hに電話をしますが、話し中でつながりません。
さらに運悪く、強盗団の一人がドギーのことに気が付き、ドギーは車から降りて地面にうつぶせにさせられてしまうのでした。
現金輸送車の警備員一人が隠し持っていた銃で反撃を試みます。
が、一人のマスクをはぎ取ることしかできず、逆に射殺され、顔を見られた強盗犯はもう一人の警備員も撃ち殺すのでした。
そして、周りを見渡し、目の合ったドギーに銃口を向けて近づきます。
ちょうどそのころ、食べ物を持って車に戻ってきていたHが異変に気が付き、急いで車に向かって駆け出しますが、その目の前でドギーも複数、撃たれてしまいました。
絶叫してかけ続けるHのことに気が付いた強盗団はHに向ても発砲。
彼も複数の銃弾を受け、地面に倒れてしまいます。
薄れゆく意識の中で、マスクを失くした強盗団メンバーの顔を凝視し、しっかりと記憶に刻み込むのでした。
それから3週間後、Hは病院の中で意識を取り戻します。
傷は深く、かなりの重傷でしたが、幾度かの手術を経て、何とか回復したのでした。
が、そこで彼は息子のドギーが助からなかったことを聞かされます。
無事回復し、退院した後、Hの妻は息子の死の責任がHにあると責め、家を出ていくのでした。
Hの正体は本名をメイソン・ハーグレイバーという、有名なギャングのボスでした。
彼はこのような結果になってしまったことで謝罪する幹部たちに復讐のため、犯人の正体を探るように命じます。
彼自身も彼と彼のギャング団を長年追っているFBI捜査官であるキングに会い、事件の情報を聞き出そうとするのでした。
しかしFBIも、犯人グループに対する情報は少なく、容疑者リストはあるものの決定的な証拠がなくて暗礁に乗り上げていたのです。
Hはキングにリストをもらい受け、彼の方法で犯人を捜すことの了解を得ようとします。
これにキングは了承しますが、それでも彼が目をつぶっていられる時間はそう長くないことも付け加えるのでした。
Hの指令を受けた手下たちはFBIからのリストに沿って容疑者と考えられている人物全員を拉致し拷問して情報を得ようとします。
それによってリストに載っている全員を始末する結果になるのですが、強盗団やHが目撃した息子を殺害した犯人に関する情報は全く得られないのでした。
未成年女性を監禁して売春、違法動画を作成していたグループを壊滅させた後、それでも情報が手に入らないことに、幹部のマイクはHに進言します。
このままこのような方法を続けていたら、他のギャングとの抗争に発展する可能性が高いこと。
しかも複数のギャング団に狙われる可能性があることを。
続けて、この現金輸送車強盗事件は内部関係者による手引きがないとむつかしいことを指摘します。
Hはマイクの助言に賛成し、ロンドンに戻って次の作戦の準備をすることにしました。
それはメイソン・ハーグレイバーという過去を消し、パトリック・ヒルという全く新しい人物になってフォルティコ社の内部に潜り込む、というものです。
こうしてHが誕生したのでした。
転・黒幕の正体
時系列は現金輸送車強盗事件よりしばらく前に戻ります。
かつてアメリカ陸軍で同じ隊に所属し、今は除隊して一般人となっているカルロス、サム、ブラット、トム、ジャン、そして隊の指揮官であったジャクソン達が現状に対して大いに不満をぶつけ合っていました。
彼らは最低賃金の仕事にしかつけず、メンバーの中にはそんな仕事にもありつけない者もいたのです。
そんなメンバー全員のたまりにたまった不満は終に自らの手で大金を手に入れる方法へと、彼らを導いてしまうのでした。
家族を持つジャクソンは、ナンバー2的立場のトムとともに念入りな計画を立て、大金が入ってもそれまでの生活を維持するようにメンバーに厳命します。
しかしジャンだけは、リーダーのジャクソンを軽んじているかのような態度を見せ、二人は一抹の不安を覚えるのでした。
最初の強盗は、裕福層の自宅に押し入るというものでしたが、成果は数十万ドルといったものでした。
6人で山分けしたら大した金額にならないことに不満を感じ、より大きな成果を期待できる現金輸送車強盗を計画します。
その事件こそ、フォルティコ社の現金輸送車が襲撃された事件でした。
計画は、できるだけ被害者を傷つけないことを重要視して、立案されていました。
が、実際には、警備員の反撃にあったことで、その計画は頓挫してしまいます。
マスクを取られて顔を見られたのはジャンであり、彼こそが、そのことに憤慨して警備員二人にHの息子のドギーを殺害した犯人だったのでした。
結・肝臓、肺、脾臓、そして心臓
ジャクソンとトムはハイリスクハイリターンの獲物とその強盗計画をメンバーに打ち明けます。
それはブラックフライデーのセールのため、おそらく1億5千万ドルは集まると考えられるフォルティコ社の本社を強盗することでした。
全員一致の賛成でこの計画は実行を前提に立案されていきます。
当日、Hはバレットと一緒に組んでいました。
現金を集金している道中、バレットはHに打ち明け話を始めます。
それは、バレットが現金輸送車強盗団の仲間で内部情報を流していたことでした。
しかも今日、集金されて一時保管される全ての現金を強奪すべく本社が狙われていること、その手引きをバレットがすることを話します。
そしてHにその片棒を担がせることを、莫大な報酬を見返りに要求するのでした。
Hはそれに同意します。
バレットは廃工場内に輸送車を止め、強盗団の4人を輸送車内に隠します。
彼らは防弾加工の施されたスーツにフルヘルメットで完全武装して、誰が誰だかわかりません。
念のため、Hは手を縛られ、反撃ができないようにされてしまいます。
ジャクソンとトムはSUVで輸送車の後からついていき、本社の外で待機するのでした。
バレットの手引きで建物内に侵入できた犯人は、奇襲でもって中にいる警備員たちを制圧していきます。
中にはダナやステュアートのように、輸送車内での作業をしていたことで、不審者の侵入に気が付かない警備員もいたのです。
が、多くの警備員たちは襲撃者たちに気が付いたときには、全く反撃できずに拘束されるしかありませんでした。
強盗団はバレットを人質に、ゲートで閉められたエリアへのアクセスを要求しますが、そのエリアにいる3名の警備員は、その脅しに屈することなく、発砲。銃撃戦が始まるってしまいます。
しかし事前の準備の差もあって、攻撃した警備員たちは、撃ち倒されていき、十世に驚いて集まってきた他の警備員も、同じ運命をたどるのでした。
ゲートは爆弾によって破壊され、これで強盗団は現金を運び出すことを開始します。
まだ無事で隠れていたダナとステュアートは警察に通報。
そこに同じく隠れていて無事だったシャーリーも加わります・
が、興奮していた彼は、ハンドガンにて攻撃を開始してしまいます。
しかし武装が違いすぎることもあり、シャーリーは撃たれて倒れてしまうのでした。
Hは強盗団の一人、カルロスによってテリーとボーイ・スウィートとともに小部屋に監禁されていました。
Hは床にうつぶせにさせられていましたが、銃撃戦が始まった瞬間のカルロスの驚きを見逃さず、襲い掛かって組み伏せ、首を絞めて窒息死させます。
そしてカルロスのボディアーマーを身に着け、武器を手にして銃撃戦現場へと向かいます。
そこではダナとステュアートが応戦していました。
バレットは裏切ったことを知らない二人を油断させ、背後から射殺します。
また、Hによって救助され、現場に応援に駆け付けてブラッドを倒したボーイ・スウィートも始末するのでした。
そのころにはHはサム、トムも始末し、ジャクソンも首部を打ち抜きます。
が、横に回り込んでいたバレットのことにかが付くのが遅れ、銃弾を浴びて床に倒れこんでしまうのでした。
バレット、ジャン、重傷を負ったジャクソンは大金を詰め込んだ輸送車に乗って、逃走を図ります。
警察が後を追いますが、地下駐車場内に逃げ込み、入り口をふさぐことで追っ手をまくことに成功するのでした。
そして計画通り、その地下駐車場に設置されている地下トンネルを伝い、その先に用意した逃走用車両で逃げ出すのですが、ジャンは地下トンネルに入っていく前に、虫の息であったジャクソンの首をナイフで切ってとどめを刺します。
さらに逃走用車両に現金を移し替えている最中、ジャクソンのことで不信感を抱いて銃で武装していたバレットも、素早く射殺してしまうのでした。
こうしてジャンは大量の現金を独り占めにし、まんまと逃走に成功します。
その夜、ジャンは彼の隠れ家でリラックスしていると、現金の入ったカバンの一つからクラシック音楽が流れてきていることに気が付きます。
それは銃撃戦の最中、Hによって仕込まれていた追跡用のスマホでした。
Hはすでにアパートの中に入ってきており、銃口をジャンに向けて椅子に座っていたのです。
Hに何が目的なのか、と尋ねるジャンにHはドギーの検死報告書を投げ渡すのでした。
そこにはドギーが受けた銃創についての詳細な報告が書かれています。
が、意味の分からないジャンはさらに強い口調で、何が目的なのか、と詰問しました。
その答えとして、Hはドギーが傷を受けた箇所そのままに、まず肝臓、続いて肺、そして脾臓を撃ち抜きます。
最後に致命傷となった心臓への一発をお見舞いし、復讐を果たすのでした。
アパートから去って外に出る間際、キングが待っていてHに話しかけます。
全てが終わったことをキングに話し、Hは現金には一切、手に付けず、迎えとして止まっていた車に乗り込んで、その場を去るのでした。
最後に簡単な感想
映画「キャッシュトラック」は、時系列をバラバラにして見せることで、謎解きの要素を上手く視聴者が興味を持つように練られた作品だと思いました。
そしてさらに上手いな、と驚いたのは、謎をかなり簡単に明かしている点です。
例えばフォルティコ社の中に内通者がいる、という謎がありましたが、その人物が誰なのか、あっという間に明かされました。
そんなもったいない方法で明かしていいのか、と驚きましたが、シーンが進むと逆に視聴者は知っているが、登場人物は知らないというシチュエーションに、
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「信じるな、奴は裏切り者だ。」
と、思わず画面に向かって叫んでしまいたくなるハラハラドキドキ感を得ることができたのです。
そして、映画全体のテイストに沿ったエンディングも良かったですね。
Hが無事に復讐を果たすのですが、それまでにいったい何人の人たちが犠牲になったのか。
内通者のバレットが死んでしまう結末は納得がいくにしても、一切いい見せ場のなかったフォルティコ社の警備員連中、ダナとステュアート、シーリーやボーイ・スウィートは可哀そうになってしまうくらい。
唯一生き残ったのは全く勇気を見せなかったマネージャーのテリーだけ、というものなんか皮肉が効いているようで、味わいがありました。
さらにいえば、復讐を終えた後の爽快感は全くなく、むなしさだけが残るのも、逆にこの映画で登場する、自己中心的な人々が多いテイストにばっちり合っているようで、なんとも言えない味わいでした。
コメント
細かいとこですが、バレットからHへの要求は莫大な報酬じゃなくてH自身の命だった気が…
バレット達が襲撃予定だった輸送車両をHのギャンググループがどっちに曲がるか教えてくれって言ってたのは偶然だったって事なんですかね?てっきりギャング側にも内通者がいたとか言うオチかと思ってました笑
ことばくずさん、コメントありがとうございます。
ご指摘いただいたシーン、再度視聴しなおして確認してみます。
事件の発端となった、Hの息子が犠牲となってしまった輸送車襲撃事件は、たまたま、二つの勢力が偶然に同じターゲットを狙ってしまうことになった、と思っています。
そんなに頻繁に現金輸送車が襲われるのか?って思ってしまいますが。(笑)