映画ナイル殺人事件のあらすじをネタバレ有で分かりやすく解説!

あらすじ

映画「ナイル殺人事件」はミステリーの女王と呼ばれるアガサ・クリスティーの探偵小説でエルキュール・ポワロが活躍する「ナイルに死す」を映像化した映画です。

映画「オリエント急行殺人事件」に続く、ケネス・ブラナーの監督、制作、主演映画の第2弾。

実際に視聴したところ、前回の「オリエント急行殺人事件」よりも原作にオリジナル要素を加え、「愛」をテーマにした作品内容として仕上がっています。


今回はそんな映画「ナイル殺人事件」の基本情報や予告動画や登場人物情報、そして映画のあらすじを分かりやすく紹介していきます。







映画「ナイル殺人事件」の基本情報

それでは映画「ナイル殺人事件」の詳細あらすじを紹介する前に、映画の基本情報と予告動画、そして登場人物の紹介をしておきます。


映画「ナイル殺人事件」の基本情報と予告動画

ミステリーの女王アガサ・クリスティによる名作「ナイルに死す」を、同じくクリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」を手がけたケネス・ブラナーの監督・製作・主演で映画化。


エジプトのナイル川をめぐる豪華客船の中で、美しき大富豪の娘リネットが何者かに殺害される事件が発生。

容疑者は彼女の結婚を祝うために集まった乗客全員だった。

名探偵エルキュール・ポアロは“灰色の脳細胞”を働かせて事件の真相に迫っていくが、この事件がこれまで数々の難事件を解決してきたポアロの人生をも大きく変えることになる。


ベルギー訛りの英語と口ひげがトレードマークの探偵ポアロ役を、前作「オリエント急行殺人事件」同様にブラナーが自ら演じた。

そのほか、第一の被害者であるリネット役に「ワンダーウーマン」のガル・ギャドット、その夫サイモン役に「君の名前で僕を呼んで」のアーミー・ハマーなど豪華キャストが集結。

引用:映画ドットコム





映画「ナイル殺人事件」の登場人物紹介と相関関係

続いて登場人物紹介です。

それぞれの相関関係も紹介しておきます。

エルキュール・ポアロ

世界的名探偵。

休暇でエジプトに来ていたところ、友人のブークとであったことからリネットと知り合い、彼女のハネムーン旅行であるナイル川クルーズに同行することになる。


演じるのはケネス・ブラナー。

日本語吹き替え担当は広瀬彰勇。

リネット・リッジウェイ・ドイル

英国の富豪。
サイモンと結婚式&新婚旅行でエジプトに来ていた。

敵が多く、命の危険を感じており、ポワロに助けを求める。


演じるのはガル・ガドット。

日本語吹き替え担当は甲斐田裕子。

サイモン・ドイル

リネットと結婚した新郎。

もともとはリネットの親友であるジャッキーと婚約していたが、リネットと出会ったことで婚約を破棄して結婚をする。


演じるのはアーミー・ハマー。

日本語吹き替え担当は津田健次郎。

ジャクリーン・”ジャッキー”・ド・ベルフォール

リネットの親友。

サイモンと婚約したことで、リネットに紹介するが、6週間後にはサイモンはリネットと結婚することに。

捨てられたジャッキーは二人を追い回して新婚旅行先に現れる。


演じるのはエマ・マッキー。

日本語吹き替え担当は森千晃。

ブーク

前作「オリエント急行殺人事件」にも登場したポワロの友人。

リネットとは家族での付き合いをしており、母親と彼女の結婚式に参加するため、エジプトに訪れていた。


演じるのはトム・ベイトマン。

日本語吹き替え担当は中村悠一。

ユーフェミア

ブークの母親で高名な画家。


演じるのはアネット・ベニング。

日本語吹き替え担当は榊原良子。

サロメ・オッタボーン

ジャズシンガー。

リネットの結婚式で歌うために参加し、その後のナイル川クルーズにも同行している。


演じるのはソフィー・オコネドー。

日本語吹き替え担当は桜井ひとみ。

ロザリー・オッタボーン

サロメの姪でマネージャー。
リネットと同じ学校に通った同級生でもあった。


演じるのはレティーシャ・ライト。

日本語吹き替え担当は早見沙織。

ライナス・ウィンドルシャム卿

貴族出身でリネットと婚約していた医師。


演じるのはラッセル・ブランド。

日本語吹き替え担当は川島得愛。

アンドリュー・カチャドーリアン

リネットの従妹であり、ビジネス関連の弁護士でもある。


演じるのはアリ・ファザル。

日本語吹き替え担当は内田岳志。

ルイーズ・ブールジェ

リネットのメイド。


演じるのはローズ・レスリー。

日本語吹き替え担当は潘めぐみ。

マリー・ヴァン・スカイラー

リネットの後見人。
貴族ながら共産主義者となった。


演じるのは: ジェニファー・ソーンダース。

日本語吹き替え担当は小宮和枝。

ミセス・バワーズ

マリー・ヴァン・スカラーの看護婦。


演じるのはドーン・フレンチ。

日本語吹き替え担当は一龍斎春水。

映画「ナイル殺人事件」の見どころ紹介

アガサ・クリスティーのミステリー「ナイルに死す」は作者自身も気に入っている作品として有名です。

この小説のの映像化は映画で2本、テレビドラマで1本されており、1978年の映画の認知度も高い作品でした。

そんな「ナイルに死す」の映像化ということで、時間は空いているとはいえ、やはりどうしても比べられてしまうのは仕方のないところ。


差別化を図るため、ポアロの恋愛観を含め、作品の中で「愛」をメインテーマに掲げているように感じられました。

原作にも「愛するが故の犯行」ということになっていますが、登場人物の調整と設定の若干の変更を加えることで、よりはっきりと描いている上に、対比も感じられるようになっています。


ただし個人的に、今回の映画でちょっと失敗だったのでは、と思う部分もありました。

そのせいで、一体だれが犯人なのか、というスリル感が弱くなってしまったように感じたのでした。

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映画「ナイル殺人事件」ネタバレあらすじを分かりやすく解説

それでは映画「ナイル殺人事件」のネタバレ有のあらすじを分かりやすくお届けします。

起・ポワロの過去とエジプトでの略奪婚

第一次世界大戦。
若き日のポワロはベルギー軍の一員として戦場にいました。

ドイツ軍との戦闘で敵軍が占拠している橋の奪還命令が、彼の所属しているタイに下ります。

玉砕覚悟の無謀な戦闘命令だと隊長も含め、兵士全員が意気消沈している中、ポワロはその日の天候がいつもと違うことに気が付き、その天候を利用して奇襲を行うことを進言するのでした。


ポワロの予想通り、奇襲作戦は大成功に終わります。

が、敵が逃亡したことで油断した隊長は、敵陣地内に仕掛けられていたブービートラップに気が付かずに引っかかってしまい、大爆発を起こしてしまうのでした。


この爆発で負傷したポワロは後方へ送られ、療養をすることになります。

そんな彼のもとに恋人であるキャサリーンが見舞いに訪れますが、隊長を救えず、自身の顔に大きな傷跡を負ってしまったポワロは彼女の訪問を喜べずにいたのでした。

そんなポワロをキャサリーンは慰めて、傷が癒えたのち、口ひげを付けることで傷跡を隠せるから、と励まします。


時は変わって1937年。

ポワロはロンドンでとあるクラブを訪れていました。

そこではジャズシンガーのサロメ・オッタボーンがライブショーを披露することになっていました。

ショーが始まると大勢の客がダンスフロアで踊り始めます。

その中でひときわ目立つ一組のカップルがあり、ポワロの目もその二人に注がれました。


そこに有名なリネット・リッジウェイ・ドイルが現れます。

そしてリネットは、ポワロが気になっていたカップルに近寄っていくのでした。


実はカップルのうち、女性はジャクリーン・ド・ベルフォール、通称ジャッキーというリネットの古くからの友人であり、男性のほうはジャッキーの婚約者であるサイモン・ドイルでした。

ジャッキーはリネットに婚約したことを伝え、サイモンを紹介します。

そしてサイモンが今現在無職であることから、リネットのもとで雇ってもらえないか、お願いしに来ていたのでした。


リネットは二人を祝福し、その場でサイモンを雇うことに了承します。

ジャッキーはリネットに感謝し、サイモンと一曲踊るように促しました。

その勧めで二人は踊り始めるのですが、その様子を見ていたジャッキーは一抹の不安に襲われたかのような、憂い顔の表情を、一瞬したことに、ポワロは抜け目なく認めていたのでした。


6週間後、ポワロは休暇でエジプトに来ていました。

そこで偶然に友人のブークと再会します。

ブークは有名な画家である母親ユーフェミアといっしょで、ポワロを紹介するのでした。


彼らは家族ぐるみで付き合いのある友人リネットの結婚式に招待されたため、エジプトに来ていました。

ブークはポワロをリネットと夫であるサイモンに紹介します。

リネットとサイモンは結婚式に多数の友人や家族を招待しており、ブークはポワロに参加者を一通り、説明するのでした。


リケットのメイドであるルイーズ・ブールジェ。

ジャズシンガーのサロメ・オッタボーンとそのマネージャーで姪であり、リネットの同級生であったロザリー。

リネットの後見人であるマリー・ヴァン・スカイラーとその看護師のミセス・バワーズ。

リネットのいとこで弁護士のアンドリュー・カチャドーリアン。

医師でリネットがサイモンと結婚する前に婚約をしていたライナス・ウィンドルシャム卿。


そこにサイモンのかつての婚約者であるジャッキーが現れます。

サイモンはリネットに出会うとジャッキーとの婚約を解消し、リネットと電撃婚をしたのでした。


ジャッキーは二人を追い回し、ここエジプトまで追いかけてきたのです。

そのためサイモンとリネットは、ポワロにジャッキーを追い払うように依頼をします。


ポワロはジャッキーと話をしてあきらめさせ、未来に目を向ける様の説得するのですが、聞く耳を持ちません。

有ろうことか持ち歩いている22口径の銃を取り出し、これでリネットを害することをよく想像する、とまで言い放ちます。


ポワロは説得をあきらめ、二人に結果を話すのでした。

そしてジャッキーから逃れるために、イギリスの自宅に帰ることを勧めます。

しかしあきらめきれない二人は一計を講じるのでした。

承・ナイル川クルーズと第一の殺人

リネットとサイモンは新婚旅行の予定を変更し、ナイル川クルーズ船「S.S.カルナック」号に乗り込むことにします。

待客とポワロを招待してのクルーズに参加することでジャッキーから逃げ出そうとしたのでした。

カルナック号は平穏に出港し、船内には平穏が訪れます。

が、自室でくつろいでいたポワロのもとにリネットが一人で訪れ、他人が信用できず、常に不安を感じていることを、彼に告白するのでした。


クルーズは、アブ・シンベル神殿のツアーに立ち寄り、乗船客は上陸して銘々、観光を楽しみました。

ここでポワロはブークよりロザリーと家族に秘密で付き合っていることを聞きます。

友人の恋愛に大いに喜ぶポワロ。

そんなポワロにブークは、彼もパートナーを探してはどうか?と提案します。

その提案があったためか、ポワロはサロメに興味を示し、アプローチをするのでした。


一方、リネットとサイモンですが、観光している最中、彼らの近くに巨大な意思が落下してくるというアクシデントが起こります。

不安に駆られながら船に戻るとなんとそこにはジャッキーの姿が。

ジャッキーをまくために急遽参加したクルーズにまで彼女は事前にチケットを手配して参加していたのでした。

その事実にリネットは終にヒステリーを起こしてしまいます。

そしてサイモンと話し合った結果、翌朝新婚旅行を切り上げ、イギリスに戻ることを決めたのでした。

二人はそのことをポワロに伝えにきます。

そしてエジプトで出会えたことに祝杯を交わすのでした。


ポワロはいまだに二人に付きまとうジャッキーと話をする機会を得ました。

ジャッキーはどうしても彩文のことをあきらめられないでいたのです。

ポワロはそんなジャッキーに彼の過去の話を語り始めます。

戦争で傷ついたポワロは前線に近い野戦病院に入院していました。

そこに恋人のキャサリーンが見舞いに来ていたのですが、クリスマスが近くなった頃、ポワロがキャサリーンにまた見舞いに来てほしいと懇願します。

その願いを聞いてキャサリーンは鉄道に乗り、彼のもとに来ていたのですが、その鉄道は敵の迫撃砲攻撃を受けてしまったのでした。

この攻撃でキャサリーンも亡くなり、それ以来、ポワロは恋愛感情を持たないようにしていたのです。


時間も遅くなり深夜近く。

船のバーにはリネットとサイモン、ブークとロザリーがいました。

そこにジャッキーが現れます。
彼女はすでに酔っているようでしたが、まだ飲み足りないのか、更に、お酒を注文しようとしていました。


ジャッキーを避けるようにリネットは自室に戻って就寝しようとします。

その際、リネットはジャッキーに彼女に対して、婚約者を失ったことに対する、いくばくかの同情の気持ちを持っていること、そして今後も、できれば友人のままでいたい、といって去っていきます。


更に荒れるジャッキーをみて、サイモンが激しく責め立てます。

そして彼の心にはジャッキーのことを思う気持ちはみじんもないと怒鳴ると、錯乱したジャッキーはサイモンに向けて、銃を放ってしまうのでした。

銃弾は足に当たり、サイモンはその場に崩れ落ちます。

カっとしてサイモンを撃ってしまったジャッキーは、彼を傷つけたことに激しく動揺し、持っていた銃を自分に向けて引き金を引こうとするのでした。

そんなジャッキーをロザリーが止め、その拍子にジャッキーは銃を床に落としてしまいます。

取り乱すジャッキーをロザリーとブークが連れ出し、ミセス・バワーズを起こして看護を頼みました。

その後、ブークはウィンドルシャム卿を呼んできてバーに戻り、サイモンを運び出し、彼の足の治療を行います。


そんな騒動が起こっていたのですが、ポワロは全く気が付かず、翌朝まで寝ていたのでした。

が、その睡眠はルイーズの悲鳴によって妨げられてしまいます。

ルイーズが朝食をもってリネットの部屋に行くと、ベッドの上には頭部を撃ち抜かれて死体となったリネットの死体があり、彼女が所有し、旅行の最中にもよく身に付けていた高価なネックレスが紛失していたのでした。

転・ポワロの真の目的と第2、第3の殺人

ポワロはサイモンとブークの協力の下、事件解決のために調査を開始します。

最も動機がある人物はジャッキーでしたが、昨晩はミセス・バワーズによって鎮静剤を投与され、彼女がつきっきりで看病していたことで完全なアリバイがありました。

ちなみに死亡推定時刻は深夜12から午前2時ごろとされました。


リネットがサイモンに出会うまで婚約者であったウィンドルシャム卿も嫉妬からの動機が考えられました。

が、尋問中に今でのリネットを愛していることは告白しても嫉妬やそれからくる殺意があったことは完全に否定します。


死体を発見したルイーズは、リネットの着替えを手伝った後、自室に戻って休んだ、と証言します。

その際、何も怪しげな物音には気が付かなかったが、もし寝付けずにデッキを歩いていたら、部屋の中に侵入する犯人を目撃したかもしれなかった、と付け加えるのでした。

その言葉にサイモンは、リネットが亡くなった後も雇い続けるから、と安心させます。

そんなルイーズですが、実は過去に婚約者と結婚をする為にメイドをやめることをリネットに伝えていたことがありました。

が、リネットはルイーズを失いたくないため、婚約を破棄させ、そのままメイドとして雇い続けていたのでした。

つまり、そのことでルイーズもリネットを恨んでいる可能性があるわけです。


ミセス・バワーズはかつては裕福な家庭に育った人物でしたが、事業に失敗し、大恐慌時代にリネットの父親によって資産を取られて今の境遇に落ちたことをポワロに指摘されます。

つまり、その時の恨みからリネットに対する動機を持つことが指摘されたのでした。

ついでにポワロはミセス・バワーズと雇い主のマリー・ヴァン・スカイラーとの関係は単なる雇用関係だけでなく、恋愛感情を有したパートナー関係であることも見抜いていました。


従妹で弁護士のアンドリューもリネットの財産に関する書類に、内容を確認せずにサインをさせようとしていたことなどから、彼女に隠れて悪事を働いていたことがばれるのを恐れて殺害したのでは、という疑いが持たれました。

が、アンドリューは銃口径のより大きいリボルバーを所有していることを見せ、リネットを射殺したいと思ったら22口径は使わない、と捨て台詞を放ちます。


ブークの母親ユーフェミアが取り調べ中に現れ、紛失していたリネットのネックレスが彼女の荷物の中に隠されていたことを報告にきます。

そしてその後、マリー・ヴァン・スカイラーが紛失したと苦情を訴えていたスカーフにくるまれたジャッキーの銃がナイル川の底から拾い上げられました。

スカーフには弾が貫通した穴が開いており、発射時に銃をくるんでいたと思われる焦げ跡も見つかっています。

また弾倉からは4発中2発の弾が残っており、2発が発射されたことが分かったのでした。


ユーフェミアがネックレスを発見したことでポワロはユーフェミアに質問を行います。

その過程で口を滑らせたことで、ポワロがエジプトに来ていた本当の理由が明らかになってしまうのでした。


実はポワロはユーフェミアの依頼を受け、ブークが密かに付き合っているロザリーの身辺調査を行うためにエジプトに来ていたのです。

ユーフェミアは身分の違うロザリーを認めておらず、彼女の秘密を見つけてブークとの仲を引き裂きたいと考えていました。

が、ポワロの見立てでロザリーは申し分のない女性であり、ブークにとって良好な関係でなるという見解を示します。

それに反発し、ロザリーを認めないというユーフェミア。


一方、ロザリーもポワロに品定めをされていたことを知って立腹します。

怒ってその場を去ろうとするロザリーを追いかけたポワロが、彼女に追いついた時、第2の死体を発見するのでした。


その死体はルイーズでのどを切られていることで絶命していました。

刃物は医師用のメスのような鋭利なもので、ウィンドルシャム卿の手術道具からメスが一本紛失していることが分かり、アンドリューをはじめとしてウィンドルシャム卿を疑う人が多数、出てきてしまいます。


第2の殺人で疑心暗鬼となって騒いでいる人々をしり目に、ポワロは壁に飛び散っている血しぶきに気が付きます。

そして壁の一部が不自然にきれいな個所を発見し、何事かを思い付くのでした。


騒ぎはやがておさまります。

それを待ってポワロはサイモンと一緒にブークを尋問することにするのでした。

友人である自分を疑っていることにショックを受けるブークですが、ポワロは彼がいつも羽織っていた赤いジャケットコートのありかを聞きます。

この尋問の際には、ブークはコートを羽織っていなかったのでした。


ポワロは不自然な血しぶきからルイーズ殺害現場に目撃者がいたことに気が付きます。

そしてその人物は血しぶきを浴びたため、上着を捨てたのでした。

では、なぜそのことを誰にも伝えなかったのでしょうか?

それはその人物がリネット殺害後にネックレスを奪った窃盗犯だったからです。


サイモンがジャッキーに打たれたことをリネットに伝えに、ブークは彼女の部屋に行き、そこで死体を発見します。

驚きますが、同時にベッドわきのテーブルに置かれていたネックレスにも気が付き、そこで悪魔のささやきに負けてしまったのでした。

このネックレスをうばうことで家族の縁を切ってロザリーと結婚しても経済的に困ることはない、と思ったのです。

その後、ネックレス紛失の話が持ち上がった後、とっさに母親の荷物の中にネックレスを隠したのでした。


罪悪感に打ちひしがれるブークに対し、ポワロはルイーズ殺害犯の正体を詰問します。

いざ、ブークが答えようとしたとき、銃声が響き渡り、ブークは頸部を狙撃され、絶命してしまうのでした。

ポワロはすぐさま、殺人犯を追いかけます。

が、キッチンに逃げ込んだ犯人を追って入ると、逆に犯人から射撃され、その攻撃に身を隠している隙に逃げ切られてしまうのでした。

通路にはアンドリューの拳銃が残されていただけだったのです。

結・犯人とトリックの謎解き

友人が殺されたことで怒り心頭のポワロは残った乗客全員をバーに集めます。

船員の手助けを借りて、誰も逃げ出せないようにし、アンドリューの拳銃を手にして、事件の真相を発表するのでした。


アブ・シンベル宮殿でサイモンとリネットめがけて医師を落としたのはアンドリューでした。

しかし彼はその後に起こったリネット殺害事件の犯人ではありません。

ポワロが指摘した犯人は夫のサイモンだったのです。


しかし驚愕はそれだけにとどまらず、全ての計画を考え出したのはジャッキーであり、二人は今でも恋人同士であることを明かしたのでした。

つまり二人は、サイモンがリネットと結婚した後にリネットを亡き者にし、その莫大な遺産を手に入れた後、いっしょになるという計画を実行していたのです。


リネット殺害の夜、ジャッキーはサイモンの足を銃で撃ったように見せかけていたのです。

サイモンも事前にユーフェミアから盗んだ赤の絵の具を使って、弾が当たったように演技をしていたのでした。


ブークとロザリーがジャッキーの介抱のためにバーを離れると、サイモンはジャッキーが落とした銃を拾い、リネットが眠る部屋に急いで戻って、彼女を射殺したのです。

その後、ブークがウィンドルシャム卿を連れて戻ってくる前に、自分の足を打ち抜いたのでした。

消音のために盗んでおいたマリー・ヴァン・スカイラーのスカーフにくるんで。

そして2発しか銃弾が放たれていないように見せかけるため、空の薬きょうの一つを抜き取り、新しく弾を充填した後、スカーフと、偽装のために使っていたハンカチと一緒に、ナイル川に遺棄したのです。


しかしサイモンの犯行をルイーズに目撃され、彼女から脅迫されていたことで、ジャッキーは彼女を口封じに殺害しました。

そしてその犯行を目撃したブークもジャッキーによって射殺されたのです。


このポワロの指摘に、サイモンは証拠のないただの作り話である、と反論します。

しかしポワロは、銃と一緒に見つけ出されたハンカチの色が証拠である、と返します。

もし付着しているのが血液であれば、時間が経つにつれ、茶色に変色するはずであるのに、このハンカチはピンク色に変色していました。

つまりそれは血液以外の赤い何かが付着していたことを指し示します。


この証拠に観念した二人はポワロの指摘を事実として認めます。

サイモンは隠し持っていた銃をポワロに対して向けて逃げようとしますが、ジャッキーはすでに観念していました。

サイモンの持つ銃を手にすると、ポワロに向けたまま、サイモンにキスします。

その隙にサイモンの背中に向け銃口を突き付け銃を発射。

サイモンと貫き、ジャッキーにも弾は命中し、これが致命傷となって二人は息絶えるのでした。


翌日、停泊地についたことで乗客一同は下船します。

サロメは去り際、ポワロに真実を告げました。

彼女自身、ポワロのことを気に入りかけていたのですが、事件に対するポワロの行動を見て、真実を探求するあまり、人の心情に頓着しない冷たさに、恋愛感情には至らなかった、というのです。

この告白を、ポワロは素直に受け入れるしかありませんでした


6か月後、ポワロはサロメが彼女を歌を披露しているクラブに訪れます。

この時、彼はトレードマークの口ひげを全てそり落し、戦争でついてしまった傷跡を晒した状態で、薄暗い席からサロメの歌を聞き入っていたのでした。

最後に簡単な感想

「ナイル殺人事件」は映像的にすごく美しく、登場人物の衣裳やエジプトの自然や遺跡など、映画としてとても楽しめる作品でした。

一方でポワロの若かりし過去の話などを加えることで、原作にはないオリジナリティを加えています。


ただ、こういった原作にはないオリジナリティは、上手くいくか失敗するか、結果は難しいところだと思うのですよ。

なんといってもポワロを愛するファンの数だけ、ポワロ像というものがあり、それに合っていないと、余計なことをした、と感じてしまうからです。


で、「愛」というテーマを中心に、ポワロにまでその一翼を担わせた今回の試みについて、個人的な感想はというと、「大成功」とはいえない違和感を感じてしまいました。

別になくても良かったのでは、と思えたくらいです。


それよりも気になったのはリネットという女性像です。

原作では、自分の思った通りに何事も物事を勧めさせ、ほしいものはすべて手に入れる、というどちらかといえば嫌な女でした。

だからこそ、乗船した登場人物のほぼ全員が大なり小なりの動機を持っており、誰が犯人なのか分からないという設定に説得力があったわけです。

ところが映画のリネットは、いい人なのか嫌な人なのか、いまいちつかみどころがない。

なんとなくいい人っぽい演出もされており、それが逆にストーリーとしての弱さになってしまったように感じました


あと、愛のためにジャッキーとサイモンは犯罪に走るわけですが、その結果、愛し合っているブークとロザリーを不幸にしてしまう部分は「愛」というテーマにしている割にはなんだかなぁ、という印象です。

これではサイモンとジャッキーの計画は単なる自己中心的な犯罪で「愛」のために仕方なく、というような印象は持てません。

まぁ、もともとの計画も愛のために仕方なく、という展開とは全く関係のない動機なんですけど。

これであれば、原作のように、二人の幸せのために自滅した犯人と、一連の事件に関与した結果恋人を得たロザリーというような対比的な終わり方のほうが皮肉が効いていて、良かったのではないか、と思いました。

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映画「ナイル殺人事件」を動画配信サービスで視聴する方法

映画「ナイル殺人事件」はディズニーが行っている動画配信サービス「Disney+ (ディズニープラス)」でご覧いただけます。

「Disney+ (ディズニープラス)」は前作の「オリエント急行殺人事件」も配信しており、入会すれば課金することなく視聴を楽しめるのです。

「Disney+ (ディズニープラス)」への入会の方法はこちらのページで紹介していますので、興味がありましたら、ご覧ください。

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