アニメ「ダンジョン飯」では死体回収屋や蘇生屋という職業に従事している冒険者が登場します。
ダンジョンという特殊な場所で死亡率も高いと考えられるため、死体回収屋や蘇生屋を生業にしても、結構需要はあるのでは、とは思います。
が、一方で、全滅した冒険者達をわざわざ蘇生させたり、死体を回収して地上に持って帰ったりする必要があるのか?とも思いました。
持ち物や装備をいただいて、ダンジョン内に放置しておけば、そちらのほうが実入りがいいのでは、と考えたのです。
わざわざ蘇生させたり、死体回収することの意義やメリット、そしてダンジョン飯の世界で冒険者がよく死ぬ理由も考察してみることにしました。
アニメ「ダンジョン飯」の死体回収屋や蘇生屋とは?
アニメ「ダンジョン飯」に登場する死体回収屋や蘇生屋は、文字通りのことをする人たちです。
ダンジョンで見つけた死体を、能力があれば蘇生させ、蘇生能力の手に余るようなら地上に持って帰ってくれるのです。
もちろん無償で行っているわけではありません
宝虫に全滅させられたカブルー達の蘇生に関して、一人600ゴールドを請求していました。
600ゴールドという金額が高いのか高くないのかは少しわかりかねますが、6人で3600ゴールドのところ、切りのいいところで3500ゴールドといわれ、それを払っているところを見ると、法外な値段ではないのかな、と思います。
死体回収屋はダンジョン内で死体を蘇生せず、地上まで遺体を運び出してくれる職業のようです。
回収された死体は村の寺院の地下に運ばれ、そこで保管されることになっています。
行方不明者の遺族が定期的にやってきて、探している人物でないかを確認し、蘇生術をマスターしている魔法使いに報酬を払って蘇生を行う、というルーティンになっている様子。
死体の状態によっては蘇生の可能性も変化し、身体の13分の1以上を失っていたり、炭化した状態であると、成功率はかなり下がる様です。
また、死体回収屋は場合によっては死体を回収せず、死体から金品を盗むという行為だけをする場合もあるようで、カブルーのメンバーであるドワーフのダイアが「信用ならない」とコメントしていました。
確かに、いくら蘇生したとはいえ、死体として転がっていた最中のことは全くわかりませんし、その間に所持品が無くなっていたとしても、誰が盗んだか、ということは確認の仕様がありません。
このように、わざわざ死体を運んだり、蘇生させたりせず、金目のものだけもらったほうが、より実入りはいいように思うのですが。
それでもそうはせず、蘇生させたり、死体を回収したりする人々が存在するのは、いったいなぜなんでしょうか?
死体回収屋や蘇生屋が存在する理由を考察
死体をダンジョン内で見つけた場合、その死体が身に着けているものや金目の物を漁っていただいたほうが、実入りはいいように感じます。
しかし実際には死体回収屋や蘇生屋という職業が成り立っている以上、彼らにも存在意義があるということになるのではないでしょうか。
その存在意義について考えてみたいと思います。
高確率で生き返る冒険者
「ダンジョン飯」の世界では魔法によって死んだ人も生き返らせることができます。
もちろん、だれでもできるわけではなく、それなりに魔術を習得した人物でないと蘇生の可能性は低くなるようにできている様です。
とはいえ、ダンジョン内で罠や敵の手によって死ぬ可能性が高くとも、蘇生術を習得している仲間がいれば、回復することが可能。
つまりは、ある程度の無茶をしたとしても、生き返ることができるとことになります。
そうすれば、多少危険度が高かったとしても、無茶するだけの価値があると考えて一攫千金を狙う冒険者が多くなります。
生き返ることができない状況であれば、ハードルの高いダンジョンへの冒険をあきらめる人が多く出るでしょう。
が、生き返ることができるとわかっていれば、精神的に、死というリスクに対するハードルが低くなり、多少の無茶をする人のほうが多くなってしまうのではないでしょうか?
冒険者世界は意外と狭い
チルチャックがいっていた、マルシルがナマリにパーティーへの復帰をお願いした際のコメントで「冒険者社会は案外小さい」と発言しています。
とある冒険者パーティー内で誰が死んだとか、パーティーを抜けたとか、いったゴシップに近い情報はあっという間に冒険者の間に駆けめぐるのでした。
それもそのはずで、パーティーの仲間はダンジョン内の冒険の際、唯一助けてくれる仲間です。
その仲間が有能なのか、無能なのか、自分やほかのメンバーとの相性がいいのか、悪いのかという情報は、大げさでなく、命にかかわる重要な事項なのです。
そのため、他の冒険者の動向や評判は、常にアンテナを張って入手するようにしておかないといけません。
そんな状況の中、死んだ人間も生き返るとなると、「死人に口なし」というわけにはいかなくなります。
相手を利用し、自分だけ利益を得るような行為をしてしまうとその悪行をしたという評判、が狭い冒険者界隈の中で定着してしまう可能性が高くなってしまいます。
そうなると今後冒険者としてパーティーに参加しようとしても、なかなかむつかしいことになりますし、仲間になってくれる冒険者が、自分のことをどのように見ているのか?と疑心暗鬼に悩まされることになってしまいます。
恨まれないためには信用第一
いつ何時、命が危険にさらされるかわからないダンジョン生活。
そんなストレスを抱えているのですから、周りを固めて助けてくれるメンバーは、重要な上、気の合う人物でないといけません。
出ないと、余計にストレスをためてしまうから。
恨まれたりすれば、恨みを持った冒険者はダンジョン内では魔物よりも厄介で面倒くさい相手になってしまいます。
また、勝った恨みが逆恨みだったとしても、周りに評価では自分のほうが悪いととらえられてしまう可能性もあります。
ですので、できる限り波風立てず、できる限り多くの人から信頼をもらって生きていかないといけないということになります。
冒険者がよく死ぬ理由を考察!
ところで「ダンジョン飯」内ではよく人が死ぬ、と評判です。
主要キャラと思われる人でも死亡してしまい、蘇生魔法で生き返っています。
つまり蘇生魔法で簡単に死んだ人を生き返らせることができるので、死についてそれほど恐れる必要がない、ということになります。
死んだからと言って、その人物が戦力から消えてなくなる、というわけではありません。生き返らせれば、また役に立ってくれるのです。
死に対してのこの感覚が、ダンジョン飯の世界の人々にはあるわけです。
ですので、死んだとしても生き返らせればいい、と我々から考えれば無茶なチャレンジもそれほど躊躇することなく、挑んでしまうことでしょう。
実力不足の冒険者がダンジョンに挑み、周りの助けも借りて無事生きて帰ってくることができれば、それだけで大きな報酬が手に入る可能性があるのです。
もし失敗しても、生き返らせることのできる資金さえ残しておけば、またやり直しがききます。
こういった状況から、もともと実力的に疑問符が付くレベルの冒険者も、一攫千金を狙って、ダンジョンにもぐりこむということになり、その結果、死亡率も上がる、ということではないでしょうか。
死亡率が上がったとしても、半分以上は蘇生されて生き返るのですから。
この背景が、「ダンジョン飯」の世界でよく人が死ぬ理由だと思われます。
まとめ
アニメ「ダンジョン飯」に登場する死体回収屋や蘇生屋について考察してみました。
死んでも生き返らせることのできる方法がある、ということで、そのために死体回収屋や蘇生屋の需要が出来上がっています。
また、「死人に口なし」という状況が生まれないことから、冒険者内での評判を考えると、自分の利益のために他人を利用して、殺してしまう、という方法がとりにくい、と思われるのでした。
蘇生さえすれば、してもらえた人から報酬がもらえる可能性は大ですし、逆に報酬を払わなければ、その噂があっという間に広まって、次から蘇生も死体回収もしてもらえなくなってしまいます。
また、他人を利用している冒険者は、そのことが冒険者仲間の中で広まり、一緒にダンジョンに潜ってくれる仲間がいなくなってしまうでしょう。
ですので、蘇生してもらえること、してもらった後のことを多少なりとも考えて行動しないと、冒険者として詰んでしまう、ということです。
そういったシステムが出来上がっていることから、死体回収屋や蘇生屋の需要はなくならない、と考えられるのでした。
また、「ダンジョン飯」の世界でよく人が死ぬことについてですが、心でも蘇生してもらえるのであれば、死は終わりではありません。
どのような行動をとるかの選択肢の中で、相討ち後、生き返らせてもらう、といった行動も可能なわけです。
死が行動選択肢の一つという世界観であることが、人にとって死を避けなければならないといった意識からの解放につながり、死んでも何とかなる、という行動を容易にとらせることになっているのでしょう。
そのため、「ダンジョン飯」の世界では人が良く死ぬのではないでしょうか。
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