アニメ「ダンジョン飯」に登場したウンディーネ。
水の精霊として有名なウンディーネですが、なぜか「ダンジョン飯」の世界では球体として描かれていました。
通常、ウンディーネと言えばほとんどの場合が美しい女性の姿として表現されています。
なぜ「ダンジョン飯」のウンディーネは球体として描かれていたのでしょうか?
また、傷ついたマルシルを救出したライオスたちの前に、とんでもなく大きい球体のウンディーネが現れて、水ビームを放出して襲い掛かってきます。
ウンディーネの大きさが変化した理由についてもネタバレしていきたいと思います。
アニメ「ダンジョン飯」のウンディーネはなぜ球体かをネタバレ
ウンディーネといえば、美しい女性の姿をした精霊で、川や湖等に住んでいる、という認識が一般的です。
人間に対して害を及ぼすか?と言えば一概にそうではなく、必ず犠牲者を水中に引っ張り込む、というような行動をとるわけではありません
ウンディーネに関する有名なお話ですと、人間の男性と恋に落ち、その後、悲恋の結末を向かるというお話になるでしょう。
そういったウンディーネ像がある程度定着しているものの、ダンジョン飯ではウンディーネは水の球体として描かれています。
この設定変更の理由とはいったい何であったのでしょうか?
「ダンジョン飯」では小さな精霊の集まり
実は「ダンジョン飯」において、精霊は非常に小さい存在として描かれています。
ウンディーネに襲われる前、マルシルがファリンとの最初の出会いの思い出話をしてましたが、その話の中で、精霊の繁殖実験の下りが出てきました。
その方法は、まず、土と穴をあけた木の板を瓶の中で交互に重ね、結界を施して魔力を満たします。
そして用意のできた瓶の中に精霊を放って繁殖の結果を1週間後に見るというものでした。
その際に精霊を放つ方法があきらかにされていますが、それはスポイトを使って水を瓶の中に移すという方法。
これによって水の精霊が瓶の中で繁殖し始める、というものでした。、
つまり、「ダンジョン飯」の世界での水の精霊は極微小なサイズのクリオネのような姿をしており、人間大のモンスターとして描かれていないのです。
そして液体の球体をウンディーネと呼んでいるのは、水の精霊が集まって何らかの意思をもって行動する物体になった物に対して、ということになるのでした。
マルシルに対して攻撃を加えてきたウンディーネは、マルシルに対して怒りを持っている水の精霊たちが集まったモノだったわけです。
ウンディーネが大きくなった理由
ウンディーネの攻撃は、液体をビームのように発射して対象物を狙撃するというもの。
水とはいえ、水圧をどんどん高めれば、恐ろしいほどの威力を発揮するので、ウンディーネの攻撃も当たり所によっては即死するほど強烈なものです。
マルシルは足と肩を貫通されていますし、ナマリは頭部を狙撃され、即死してしまいました。
例えば水深1万メートル(10キロ)での水圧はどれくらいになると思われますか?
気圧にして1000気圧。1気圧の力は1㎝四方の面積に1㎏の重りが置かれているほどとなるため、水深1万メートルでは、1平方センチメートルに対して、1トンの力がかかっていることになるわけです。
しかも水の中のため、上からだけでなく、左右からも、下方からも、それこそ360℃四方八方から力が加わるということになるのでした。
これと同じ力をウンディーネが作り出せるかどうかはわかりませんが、水を自在に操れることができることを考えると、水に関してであれば、水深1万メートルにかかる水圧と同じような能力を作り出せても不思議ではありません。
さらに、水の精霊は、はじめはマルシルが沸騰した水を混ぜたことに怒って、彼女を攻撃してきました。
その際のウンディーネは、熱湯がすすぎこまれた当たりの水の精霊だけが、マルシルに対して怒りと抱き、形成されたわけです。
しかし、マルシルはウンディーネからの攻撃をかわそうと、爆発魔法で応戦し、遂には自身が逃げ出すためとはいえ、水中で大爆発を起こしてしまいました。
これによって影響を受けた水の精霊の数は、沸騰したお湯に怒りを覚えた政令の数の比ではありません。
この結果、ライオスがマルシルを抱えて逃げ出すときには、怒れるウンディーネの姿はとても大きくなってしまったわけでした。
通説のウンディーネとは
世界的に広く認知されているウンディーネの姿は若い美しい女性となっています。
その姿を確固たるものにしたのは1811年に発表された、美しき水の精霊ウンディーネと騎士フルトブラントの悲恋を主題とする中編小説「ウンディーネ」でしょう。
ドイツの作家フリードリヒ・フーケの作品ですが、この小説「ウンディーネ」を原作として、フランスの戯曲家ジャン・ジロドゥが1939年に戯曲「オンディーヌ」を発表しています。
更にバレエでも「ウンディーネ」を原作として2作品が作られていますが、そのうちの一つは英国ロイヤル・バレエ団のレパートリーとして度々上演されているほどの人気作品となっているのでした。
またウンディーネには本来魂がないとされています。
が、人間の男性と結婚すると魂を得るのでした。
しかしこれには大きな禁忌がつきまとうのです。
その悲しい掟とは、
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・ウンディーネは水のそばで夫に罵倒されると、水に帰ってしまう。
・夫が不倫した場合、ウンディーネは夫を殺さねばならない。
・水に帰ったウンディーネは魂を失う。
というもので、これらの掟のため、基本的には人間の男性と恋をして結ばれるものの、悲しい結末を迎えてしまうのでした。
まとめ
アニメ「ダンジョン飯」の世界でウンディーネが水の球体として描かれている理由をネタバレしてみました。
「ダンジョン飯」の世界では、精霊は個々が極微小サイズであり、人間大の姿をしていない、という設定になっています。
そのため、世界的に通説となっている「ウンディーネは美しい若い女性」という姿をしていないのでした。
また、個々にはとても小さい精霊が、同じ感情をもって集まることで姿を表すようにもなります。
マルシルを襲ったウンディーネは、熱湯を水に注ぎ棄てたマルシルに怒りの感情を持った水の精霊たちが集まった結果、出来上がったものでした。
ライオスがマルシルを連れて逃げ出したときには、ウンディーネはとても大きな球体の姿をとっていましたが、この理由はおそらくマルシルの魔法によって怒りの感情を持った水の精霊が増えたため、それらが集まった結果、大きくなったと考えられます。
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