アニメ「ダンジョン飯」でシュローのパーティーメンバーとして登場する角娘のタデは人間ではなくオーガという種族であるという設定になっています。
頭に2本の角を持つ理由も、人間ではなくオーガである、ということがでしょう。
日本語訳では「鬼」と表現されることの多い魔物ですが、どのような魔物なのか、詳しく調べてみましたので、紹介していきたいと思います。
アニメダンジョン飯の角娘タデの種族オーガの解説
アニメ「ダンジョン飯」でシュローのパーティにいたタデと呼ばれた娘は頭部に角を二本持っています。
明らかに人間ではなく、種族はオーガとなっていました。
このオーガ、いくつかの他の作品などでは「人喰鬼」という漢字を当てられています。
鬼という魔物の中でも人を喰う種族ということになっているのです。
とはいえ、この「人を喰う」という設定は「ダンジョン飯」の世界にはないようで、タデと呼ばれたシュローの仲間は、このあとも人を喰らう描写は出てきません。
それどころか「人を食べたい」という意味の発言も全くありません。
が、大食漢であるらしく、常にお腹を空かしているような印象を受ける発言が多く、切り落とされたシーサーペントの頭部を持って、大根と一緒に煮付けたら美味しいのでは、というコメントもしているくらい、食材へのハードルは低いようです。
ちなみに「タデ」というのは通称で、「イヌタデ」が正しい呼び名ですが、この名前も任務を与えられた忍者の一員としての呼称でしかありません。
本名は「ヒジョウヒ」といいますが、どのような漢字を当てるのかは不明です。
おそらくはオーガ語であると思われ、何らかの意味はあるとは思われます。
オーガの元ネタはドイツやスカンジナビアなどの北欧
オーガの元ネタを探るとドイツやスカンジナビア半島などの北欧に伝わる伝承や神話に行き着きます。
人型の怪物で、凶暴で残忍な性格、人の生肉を食べるとされています。
その一方、引っ込み思案で臆病という一面も持ち合わせ、しかしながら知性や賢さといったものを持ち合わせていないため、人間に打ち負かされる結末を迎えることも多々あるような存在です。
この能力はあまり知られていませんが、自由に動物や物に姿を変える能力を持ち合わせています。
ただし、人喰い怪物としての存在として知られ、オーガという名前はつけられていませんでした。
初めて怪力の持ち主で人を喰う怪物としてオーガという名前がつけられたのは、あの童話「長靴をはいた猫」からだったのです。
登場する元ネタ童話は「長靴をはいた猫」
「長靴をはいた猫」という童話の中で人喰い怪物として登場するのですが、その際に初めて「オーガ」という名前の魔物であることが明記されています。
1697年にフランス人のシャルル・ペローが出版した「寓意のある昔話、またはコント集 ‐ がちょうおばさんの話」の中に収録されたバージョンの「長靴をはいた猫」の中で、オーガがその名前とともに登場したのでした。
一方、「長靴をはいた猫」の童話は、1812年に初版が刊行された「グリム童話」の中にも「靴はき猫」というタイトルで収められています。
また、それ以前の1634年にイタリア人のジャンバティスタ・バレージによる「ペンタメローネ / 物語の物語、または小さき者たちのための楽しみ」という童話集でも見つけることができるのでした。
ただし、グリム童話やペンタメローネの中に「長靴をはいた猫」では「オーガ」という名前は登場しません。
「長靴をはいた猫」の中で登場するオーガは城に住んでいて広大な領地を所有しており、何にでも姿を変えることのできる魔法を使うという設定になっています。
そのことを逆手に取った猫の口車に乗って、ネズミに姿を変えたところ、猫に食い殺されしまうのでした。
日本 語訳は「鬼」
オーガは日本では「鬼」と訳されることが主流となっています。
そのことから、タデは頭に二本の角を持っているのでしょう。
一方で、オーガの容姿は大男、というものしかありません。
オーガをモチーフにした絵画では、豊かな髪の毛とぼうぼうのあごひげをはやした大きな頭とふくらんだ腹と強靭な肉体をもつ大男として描かれていることがほとんどです。
シュローの出身地である東方の島が、シュローの姿や、彼の仲間から日本を連想させることから、オーガのタデも日本式に角をはやしていると思われます。
それ以外の外見や能力はオーガのそれに準じているようです。
ただ、女性ということであごひげははやしていませんが。
もしかすると、東方のオーガとそれ以外のオーガでは角の有無などで容姿が違う可能性もあるのでは、と考えてしまいます。
まとめ
今回はシュローの仲間の一人タデがオーガであるということから、オーガについて調べてみました。
魔物のオーガとしての歴史は古いようで、実際はそれほど古くない、とも言える不思議な魔物だということがわかりました。
存在は神話の時代から語り継いでこられたのですが、「オーガ」という名前が与えられたのは1697年からでした。
オーガという名前の初登場は有名な童話「長靴をはいた猫」
そこでは魔法を使って姿を変える能力も披露しています。
ただ、タデには姿を変える能力はないようです。
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