アニメダンジョン飯のドライアドは木の妖精?植物の魔物?元ネタの解説も!

アニメーション

アニメ「ダンジョン飯」で地下5階の迷宮で道に迷ったライオスたち。

ろくな食事もできず、性も根も尽き果ててしまった感がありました。

そんなとき、植物の花から香る匂いを嗅ぎつけ、その元を辿って行き着いたのが緑茂る墓場のような場所。

そしてそこにいたのがドライアドで、ライオスたちに襲いかかってきます。

苦戦しつつもなんとか倒し、ドライアドを調理したことでお腹も満腹、となるのですが、ドライアドの描かれ方に違和感を感じてしまいました。

ドライアドって、あんなにも植物化していたのでしょうか?

そこで、ドライアドの元ネタを調べてみました。







アニメ「ダンジョン飯」のドライアドは植物の魔物?

アニメ「ダンジョン飯」のドライアドは、花とされる部分が人間のような姿をしており、近づいた冒険者に襲いかかってきます。

オスとメスがありますが、見た目はほとんど区別ありません。

ただ、メス花を倒すと、その体から大量の胞子が発せられ、それが原因でいわゆる花粉症で発生する症状に襲われてしまいます。

花はドリアードの実を守っており、その実はかぼちゃのような大きさの、人顔が浮き出ている、気持ち悪いものでした。

一方でセンシの調理法が上手なこともあり、ドリアードの実で作ったポタージュスープは甘みのあってほんのりと花の香がし、まったりと濃い食感ながら口溶けよく消えていく、マルシルにとても気に入られるものでした。


アニメの描写の中で、ライオスたちに襲いかかってくる花たちが本体と、額あたりの頭部に巻かれている茎でくっついているようには描かれています。

原作の漫画では、ここまで詳しく描かれていません。

が、花ですので、受精後、メス花が実になります。
頭部が大きくなっていき、それに合わせるように胴体が枯れ始め、やがて首に当たる部分で胴体がちぎれてなくなり、頭部のみが大きくなっていくのでした。

これが、ドライアドの実に人の顔がついている理由となります。

これらのことを見てみると、ドライアドは植物の魔物で、その花という、ドライアドの一部が実を守るために冒険者と戦うことのできる部位である、と言えそうです。

元ネタはギリシャ神話の木の妖精

ドライアドは、ギリシャ神話に登場するニンフと呼ばれる妖精の中で、樹木の精霊が元ネタです。

正確に言えばギリシャ語ではドリュアスという発音が正しく、フランス語のドリアードという呼び名も、日本では広まって知られているようです。

ちなみに「ダンジョン飯」のドライアドは英語発音となります。

ギリシャ神話において、ニンフは神々から生まれたことになっていますが、女性体しかおらず、完全な不老不死ではない、下級女神という位置づけになっています。


ギリシャ神話内のドライアドは、自らが宿る樹木と密接な関係にあり、その樹木が枯れるとドライアドも死を迎えてしまいます。

その事もあって、ドライアドや彼らの生みの親である神々は、木の精霊に敬意を払わず、木を傷つける人間に災いを振りかけるという話が多く残っているのでした。

ドライアドは樹木に宿っていますが、その樹木から離れられないわけではなく、近くであれば、自由に移動できます。

とはいえ、普段はめったに人前に姿を表すことはありません。

しかし、美しい男性や少年を見かけると、時々緑色の髪をした美しい娘の姿を現します。

そして、相手を誘惑して木の中に引きずり込んでしまうことがあるのでした。

引きずり込まれた男性や青年は、そこで一日を過ごしただけだと思っていたにも関わらず、外界では何十年、何百年もの時が経過していた、という場合があるのでした。


このように元ネタの、ギリシャ神話のドライアドは、宿っている木々の精霊であり、物質的にその木の一部ということではありません。

宿っている木々の花というわけではないのですが、「ダンジョン飯」という、魔物食がテーマの世界観を持つ作品では、ドライアドが精霊であると、食材にできないことから、精霊というよりも植物の一部、という設定になったのだと思われます。

木人に類される他の魔物

「ダンジョン飯」のようなファンタジーを題材として作品の中で、植物をモチーフにした魔物は多く存在します。

しかしそれらを見てみると、今回の「ダンジョン飯」のドライアドのように、植物の一部、もしくは全体が冒険者を襲う事のできるという魔物になっているのでした。

「ダンジョン飯」でも人をも捕獲できる捕食植物、マンドレイク、テンタクルスなどが植物の魔物として登場しましたが、物理的に存在している魔物でした。

ですので、倒したあと、食材として調理することができたわけです。

まだ、「ダンジョン飯」には登場していませんが、エントやトレントといった木人と言われる魔物も存在しますが、やはり彼らも物理的に存在している魔物。

それに比べると、ドライアドは樹木の意思が精霊としての形を作り出していると考えられる、どちらかといえば精神的な魔物だと言えるのではないでしょうか。

感覚的にはドライアドを剣などによる物理的な攻撃では倒すことができず、魔法による攻撃しかできない、ただし宿主の樹木を物理的に攻撃され、例えば切り倒されるなどされれば、ドリアードも消滅する、といった感じです。

まとめ

アニメ「ダンジョン飯」のドライアドは植物の魔物として描かれていました。

ライオスたちを襲ったのは「ドライアドの花」であり、ドライアドの一部。

元来、木の精霊として考えられていたドライアドの概念とは全く違った設定を採用していたのです。

それは、倒し賜物を食材として調理しなければならないという作品の主題から、仕方のない変更だったのでしょう。


元ネタのドライアドは、ギリシャ神話に登場する樹木のニンフです。

ニンフとは精霊のことで、ドライアドは宿っている樹木の精霊ということになります。

ドリアードを始めとした、ギリシャ神話のニンフは全員が女性であり、神々から生まれた下級女神ということになっているので、「ダンジョン飯」に登場した男性のドライアドは存在しません。

普段、滅多に人前に姿を表すことはないですが、気に入った若い男性や少年を見つけると、誘惑して宿り木の中に引き釣り込んでしまう、ことがあるそうです。

引きずり込まれた人物は、そのまま行方不明になるか、戻ってきても木の中で過ごしていた時間の何十倍、何百倍の時間が外界で過ぎ去っている、という羽目になっているそうです。









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