アニメ「ダンジョン飯」でナイトメアに襲われたマルシル。
それを助けるべく、マルシルの夢の中に潜り込んだライオスは、マルシルの夢のなかで、奇妙な現象に襲われます。
ライオスの夢では風景はなかったのにマルシルの夢は図書館の用であったり、ライオスだけ急激に年を取ったり、凄まじく恐ろしいいけいのまものに追いかけられたり。
これらの現象は、すべてマルシルが恐れている心の闇が、ナイトメアによって具体化したものなのでした。
今回は、個別にマルシルの悪夢の中で起こった現象を、これからのネタバレも交え、考察していきたいと思います。
アニメ「ダンジョン飯」のマルシルの悪夢の意味をネタバレ考察!
アニメ「ダンジョン飯」でマルシルが見た悪夢において、以下の6点が疑問として浮かび上がってきます。
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・なぜ図書館?
・マルシルが幼い理由
・幼いマルシルがファリンを知っている
・ファリン人形を持っているのはなぜ?
・マルシルたちを追いかける魔物
・魔術書で物理的に魔物を退治できた理由
それぞれ、個々に詳しく見ていくことにしましょう。
図書館の意味をネタバレ考察
マルシルの夢の中で、マルシルとライオスは図書館のような、書物が大量にある空間で魔物から逃げ回っていました。
一方、ライオスの夢では背景が全くありませんでした。この違いは一体何なのでしょうか?
ナイトメアは人が心に持つ不安や恐怖を悪夢として具体化させます。
ですので、マルシルにとって、大量の本も恐怖や不安の対象ということになります。
ネタバレになりますが、マルシルはとある明確な目的を持って、魔術、それも黒魔術として禁忌とされる古代魔法を研究し、今回、ライオスやファリンとともに迷宮に探検に来ているのでした。
しかし目的の知識はいまだに探し当てられていません。
長寿種族のマルシルは、見た目よりも遥かに長い年月、生きてきており、その間の殆どを、魔術の研究に当ててきていました。
そんな彼女ではありますが、それでも目的の知識は見つかっていないのです。
つまりマルシルは、目的のために知りたい知識は、今後、いくら書物を探求し、研究を重ねても見つからないのではないか、という不安を持っているのでした。
それがナイトメアによって具体化され、大量の本が納られた本棚が、永遠に続く空間を彷徨っていたわけです。
夢のマルシルが幼い理由
夢で現れたマルシルは、幼い姿をしていました。
なぜ、ライオスが知る、冒険者時代のマルシルではなかったのでしょうか?
これはおそらく、マルシルにとって父親がなくなった年齢の姿だと思われます。
幼い姿のマルシルが意味するところは、この父親との死別がとても大きなトラウマになっているのではないでしょうか?
実は父親はエルフではなく人間ということになっています。
マルシルが、成長速度が遅いためにほとんど姿が変わらないのに対し、それより速いスピードでおいていく父親の姿が記憶に焼き付いていると考えられます。
その根拠は、ライオスの容姿の変化です。
年を取ったライオスの顔はマルシルはまだ見ていないので知らないわけですから、年老いたライオスの顔は父親が老けていく過程を記憶していることで、具体化したものだと思うのです。
また、父親の他にも死別してマルシルだけが残されたという経験は幾度としたのでしょう。
そのたびに、父親の死別の際に、母から言われた言葉を思い出し、それが次への恐怖と結びついていたと思われます。
そんな思い出から、マルシルは夢の中で幼い少女の姿で現れたのだと思います。
幼いマルシルがファリンを知っているのは?
夢の中で幼い姿のマルシルですが、何故かファリンのことは知っていました。
ファリンと知り合ったのは数年前のはずですので、この描写はおかしいはずです。
おそらくマルシルにとって、一連のファリンの出来事は、大きなショックとして心に刻みこまれているのでしょう。
魔法によって人々を救いたい、と研鑽を重ねてきたのに、ファリンにはとんでもないひどい目に合わせてしまっている。
しかも自分の魔法のせいで。
そう、自分を責めているため、ファリンのことは夢にも出てくるのです。
ファリン人形を持っている理由は
マルシルがファリン人形を持っているのも、彼女の恐怖を具体化した一つだと思います。
ファリンを蘇生させたのは良かったものの、その結果、ファリンはキメラ化し、魔物となってしまいました。
そしてすべてがマルシルの責任ではないものの、彼女自身はそのことに強い罪悪感を感じているのです。
ファリンがキメラ化してしまったことが、夢の中ではファリンが人形になったことで具体化されました。
一方で、魔物ではなく人形であるということが、ファリンは死んだわけではない、という意味だと思われます。
しかしまだファリンは死んではないものの、そのままもとに戻らないのではないか、という不安が人形という形になったとも考えられます。
すべてを飲み込む魔物の意味は?
すべてを飲み込む魔物は、マルシルから知り合いをすべて取り上げる存在が具体化したものだと思われます。
つまり、長寿種のマルシルは、いくら短命種の友人を作ろうとも、彼らが先に死んでしまうので、ひとり取り残されるという恐怖に、いつも悩まされているのでした。
そしてネタバレですが、この解決法こそ、マルシルが探し求めている知識なのです。
マルシルがどれだけ努力しても、どれだけ抵抗しても、これまで死がマルシルと親や友人、ペットなどを連れ去ることを妨げることはできませんでした。
しかも最後の瞬間に近づけば近づくほど、老衰した人々は諦めてしまいます。
一緒に走ってくれない、という絶望は、これが具体化したものではないでしょうか。
魔術書で魔物を撃退できた意味は?
魔物に取り込まれたライオスでしたが、これまでのマルシルの記憶にあった人々と全く違った反応をしてみせます。
ライオス自身はどうにもできない状態ではありましたが、マルシルには諦めないことを伝え続けていました。
それによってマルシルは、自分の目標を実現するために、唯一ではありますが、まだ残っている希望があることを認識します。
狂乱の魔術師の持つ魔術書が、その唯一の希望なのですが、入手することはとても難しい。
わかっていながら、難しいから諦める心境になってしまう。そんな余裕があるのであれば、諦めを感じる余裕もないくらい強く望むことを、ライオスから教えられるのでした。
そして、ライオスの言葉からどれだけ狂乱の魔術師の魔術書が、彼女にとって大切で必要なものか、に気がついたとき、彼女は魔術書を手にします。
その後、ライオスも驚いていましたが、手にした魔術書で魔物をぶん殴り、恐怖に打ち勝っていました。
この行為について考察ですが、マルシルは魔術書で彼女が望んだ知識が手に入ると、強く信じている事がわかると思います。
その一方で、なぜ本を使って物理的に「殴る」という行為で魔物を撃退したか、ですが、魔術書に書かれている魔法の内容がイメージできなかったからでしょう。
彼女がこれまでに学んだ魔法を遥かに超越するレベルの魔法でしょうから、そんなレベルの古代魔法を詠唱して魔物を撃退する方法が、映像として想像できなかったからではないでしょうか。
そのため、魔術書を武器として攻撃に使うという行動に出たのだと考察します。
魔物を倒した後の楽しい冒険
魔物を倒した後に見た夢は白い犬と一緒に宝物を探す楽しい旅であった、とマルシルは語っています。
その夢には魔術書は出てきませんし、魔物も、おどろおどろしい雰囲気の図書館もありません。
それから考えるに、マルシルの心理の中には、彼女が解決不可能と恐れていたものの解決法が見つかり、後はそれに向かって行動するだけ、という安心感で満たされたと思われます。
そして行動の結果、目指していたものが見つかれば、ハッピーエンドが迎えられるという希望もあり、それが、「楽しい冒険」という言葉で表されたのではないでしょうか。
まとめ
ナイトメアによって見させらていたマルシルの悪夢について、考えられる疑問点とその解答を考察してみました。
疑問点は以下の6点、
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・なぜ図書館?
・マルシルが幼い理由
・幼いマルシルがファリンを知っている
・ファリン人形を持っているのはなぜ?
・マルシルたちを追いかける魔物
・魔術書で物理的に魔物を退治できた理由
考察した結果の解答は、
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・どれだけ探しても見つからない解答
・父親が死んだときに聞かされ、繰り返される別れのトラウマ
・数日前に親友ファリンに起こった悲劇に対する強い罪悪感
・かすかなファリン復活の希望と永遠に元に戻らないかもという恐怖
・マルシル以外に降りかかる、逃れられない老衰死
・マルシルにとっての唯一の希望であり、理解を越え、使用方法も未知のもの
です。
また、ナイトメアの悪夢に打ち勝った後にみたという楽しい夢。
この夢についての考察ですが、諦めかけていた目標に希望が存在することに気が付き、それさえ手に入れられれば、ハッピーエンドが待っているという彼女の心理が具体化したものだと思いました。
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