映画「イコライザー2」デンゼル・ワシントンが演じる、なぜか深みのある主人公ロバート・マッコールが帰ってきた!とワクワクしていました。
アクションあり、情報戦あり。手段を選ばない凶悪な敵を一人でやっつけてしまうアメリカンヒーローですが、元凄腕エージェントの顔を出さないときでも、彼の言動はあたたかみや思いやりにあふれて、心安らかになる気がします。
人間という弱い生き物を理解し、それでも絶望することなく、毎日を選択して生きていかなくてはならない。
そしてその向こうに幸せが待っている、と辛抱強く励まし続けてくれます。
しかも、腕っぷしはとても立つので、普通の人ではどう対処のしようがない巨悪による妨害には、人知れず裏で解決してくれる。
いや、本当に昔懐かしのアメリカンヒーローって感じですよね。
もともとテレビシリーズドラマを映画化したものですので、当たり前かもしれません。
で、そんないい雰囲気を醸し出している「イコライザー」ワールドの続編なんですが、映画全体として考えると、どうしてもこの疑問が根底から抜けないのです。
「映画でやる必要があったの?」
今回のストーリーも面白いものでしたけどね。
予告動画はこちら
キャストの紹介
ロバート・マッコール: デンゼル・ワシントン
タクシー運転手をしている元CIA工作員。
デイブ・ヨーク: ペドロ・パスカル
ロバートの同僚で工作員としてトレーニングした教え子。
マイルズ・ウィテカー・: アシュトン・サンダース
ロバートの近所に住む高校生。
スーザン・プラマー: メリッサ・レオ
かつてのロバートの上司で友人。
ブライアン・プラマー: ビル・プルマン
スーザンの夫。ロバートの友人。
簡単なあらすじ
オスカー俳優のデンゼル・ワシントンが、「トレーニング デイ」のアントワン・フークア監督とタッグを組んだアクションサスペンス「イコライザー」の続編。
元CIAエージェントで、昼間の表の顔とは別に、世の裁けない悪人を19秒で抹殺していく「イコライザー」としての顔を持つ主人公ロバート・マッコールの戦いを描く。
現在の表の職業として、日中はタクシー運転手として働いているマッコールだったが、CIA時代の元上官で親友のスーザンが何者かに殺害されてしまう。
独自に捜査を開始したマッコールは、スーザンが死の直前まで手がけていた任務の真相に近づいていくが、やがてマッコール自身にも危険が迫る。
そして、その手口から相手はマッコールと同じ特殊訓練を受けていることが判明。同時に身内であるはずのCIAの関与も明らかになっていく。
マッコール役のワシントンは、自身のキャリアで初の続編への出演となった。
引用「映画ドットコム:eiga.com/movie/89517/」
ネタバレ感想 1 特殊任務エージェントによるアクションは見ごたえあるが、
懐かしのロバート・マッコールが帰ってきました!
小さく散りばめられた、人助けシーンから、本編とも言うべき、元相棒の秘密を暴露して敵討ちをするまで安定のアクションシーンの連続です。
アクションヒーローものの王道を行くという感じで、安心してみていられます。
でもね、元々がテレビドラマだったということもあってか、テレビドラマシリーズの第2話と見えなくもない。
北米のドラマだと、打ち切りがないとして1シーズン20話ほどの長さになるから同じ敵でも1話完結にせず、4話とか5話とか引き伸ばして話を膨らませます。
もちろんそれで時間も長く使えるので、映画のように短い時間で話をまとめ無くてはならないという制約もありません。
イコライザー2のメインストーリーはそういった部類の話のほうが良かったのではないかな。
つまり、わざわざ映画にしてまで、って思ってしまうんですよ。
考えてみれば、最初のベルギーでの自殺に見せかけた偽装殺人だって、状況だけいえば自殺に見えるけど、殺されたエージェントやその妻の背景、つまり自殺をするような説得力のある言動が有ったのかどうか、全くわからないままですし、そのことをスーザンが気がついたから消された事になっていますが、スーザンが気がつく以上、他の捜査官でも気がつくようなヘマをしている可能性があるわけです。
スーザンだけが気がついたというヘマ、スーザンを消せば他には気が付かれないヘマ、それについては何の言及もなかったように思います。
あとロバートがスーザンの敵、といって元同僚の4人と相対しますが、厳密に言えば、デイブ以外はスーザン殺しには直接関わっていないはずです。
ロバートがレズニック、アリ、コヴァックの3人を殺す理由は、ベルギーのエージェントを殺したから、でしょうか?
ロバートとベルギーのエージェントとの接点があるようには思えず、ただ人殺ししたから、3人も、というのだと、ちょっと話が飛躍していやしないかと思ってしまいました。
ネタバレ感想 2 次回作の意欲はあるらしい
こうなってくると、次回作はどうなのか、ってことになると思います。
2018年7月30日に監督のアントワーン・フークワ氏はインタビューの中で「イコライザー3」の制作機会があるなら、ぜひ携わりたい、と答えていました。
というわけで、まだ決定はしていないようです。
映画制作費は6200万ドル、10/1の時点で1億8400万ドルと約3倍の売上ですので、興行的には成功しています。今後日本での公開でどれだけ積み上げられるか、ですが、前作でも約4億円の売上を出していますので、そこそこはいくでしょう。
あとはデンゼル・ワシントンがOKを出すかどうかでしょうね。
今回の「イコライザー2」で始めて続編モノに参加していますので、キャラのイメージがつくのはあまり好きな方ではないように思います。
ただ、今回始めてOKを出していますので、イコライザー3にも興味があるのかもしれません。
実際、ロバート・マッコールという人物の過去についてあまりまだ、語られていませんので、そこら編の掘り下げもできるという魅力はあります。
そう考えると、なんとなく次のストーリーはロバート・マッコールを付け狙う永遠のライバルが登場し、死んだと思っていた彼が生きていることを知って、最後の決着をつけに来る、というストーリーになりそうですね。
今回で「昔の仲間が敵だった」パターンを使った上、その仲間が実は教え子というパターンも同時に使ってしまったので、あまり話的のパターンは残っていませんから。
この手のシリーズ物は話が続くと、どうしても先が読めてしまうのは、残念ですね。
ネタバレ感想 3 今回のストーリーでツッコんでみたいこと
一つ気になったシーンが有ったので、ツッコんでみたいと思います。
ロバートを暗殺しようと彼のタクシーを利用し、空港までと偽って機会を伺っていた敵。
一体どういうタイミングで殺るつもりだったのでしょうか?
ボストンは何度か行ったことがありますが、ボストンの市街地から空港へは海底トンネルを使って移動します。
たとえ町の中であろうと、トンネルの中であろうと走行中に運転手を刺せば、事故につながる事間違いありません。
しかも運転手を刺せるだけの位置にいるわけですから、後部座席でシートベルトを着用していられるわけがないのです。
そんな危険な事、できませんよね。
しかもあの緊迫した表情から、ドライバーのロバートが百戦錬磨の戦士であることは知っていたと思うのです。
ですから、確実にそんなとんでもないターゲットを殺るためには、車が止まったとき、というのは成功率が下がるため、走行中が一番いいでしょう。
一番確実なのは銃でドライバーシート越しに発砲でしょうね。
流石にこれではロバートも防ぎようがありません。
シートの中に弾が貫通できないような鉄板でも入れていない限りですけど。
ただし、高速運転中に殺してしまえば、その後、自分の身にも危険が生じます。
運良く事故が大したことのないものに終わったとしても、事故した車からどうやって逃げる手はずを考えていたのでしょうか?
交通量も多く、目撃者となる一般人の多い、ダウンタウンではまずいわけですし、他に逃げ場のない海底トンネルでは、歩いているだけで怪しまれます。
空港も論外ですし。
とにかく、ロバートを殺りたい、という強い思いだけは伝わりますが、それに関しての準備があまりにおそまつだと思ったシーンでした。
ストーリー上、必要とはいえ、案の定、返り討ちにあって決定的な情報をロバートに知られてしまいますし。
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