映画「ピッチ・パーフェクト」の3作目。アカペラグループのベラーズのメンバーが大学を卒業した後のお話となっています。
1作めで全米大会優勝、2作目で世界大会優勝というハッピーエンドを迎えていましたが、3作目ではどんなハッピーエンドになるのかと期待が膨らんでいました。
が、正直な感想として、なんとなく物足りないエンディングとなってしまっています。
というより、全体的になんだかなぁ~という流れになってしまっていました。
無理して競争要素を入れなくてよかったと思うし、輝かしい過去の栄光にとらわれることなく、どう未来に対して使っていくか、というストーリーを膨らましたほうが良かったのではないかと思ってしまいます。
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キャストの紹介
ベッカ・ミッチェル: アナ・ケンドリック
パトリシア・ファット・エイミー: レベル・ウィルソン
エミリー・ジャンク: ヘイリー・スタインフェルド
クロエ・ベル: ブリタニー・スノウ
オーブリー・ポセン: アンナ・キャンプ
簡単なあらすじ
世界的ヒットを記録したガールズアカペラムービー「ピッチ・パーフェクト」の完結編。
最高の仲間たちと出会い、歌うことの楽しさを分かち合ったアカペラグループ「バーデン・ベラーズ」のメンバーたち。
世界大会優勝という有終の美を飾り、バーデン大学を卒業した彼女たちはそれぞれの道へと歩み出した。
しかし、仲間たちと歌うことで輝いていた学生時代からうって変わって、恋も仕事も理想通りにはいかない現実に直面する日々をそれぞれが送っていた。
そんな彼女たちにベラーズ再結成のチャンスが訪れるが……。
ベッカ役のアナ・ケンドリック、“ファット”エイミー役のレベル・ウィルソン、エミリー役のヘイリー・スタインフェルドら前作のメンバーが顔をそろえる。
監督は「ステップ・アップ5 アルティメット」のトリッシュ・シー。
引用「映画ドットコム:eiga.com/movie/88391/」
ネタバレ感想 1 ア・カペラシーンは相変わらずノリがいいけど、
今回で3作目、メンバーも大学を卒業してそれぞれの将来に向け、異なる道に進んでいます。
が、誰一人としてうまくはいっておらず、ベラーズでの栄光だけを心の拠り所にしているという状態。
挙句の果てに、「あの頃は良かった」という感慨に、30歳前という年齢で、浸っています。
それがベラーズの再結成につながるわけですが、それをしたところでどうなるの?と真剣に考えないのでしょうか?
再結成し、アメリカ軍の慰安ツアーで歌えている間はいいでしょう。
競争に勝ってDJキャレドの前座を射止めるかもしれないという魅力もあります。
しかしそれが終わってベラーズを解散しなくてはならなくなったとき、また、ベラーズとして歌えていたときは良かったのに、という後ろ向きな生活に戻ってしまうことには気づいていません。
DJキャレドの前座の件も、どれだけ将来につながるのか、と疑問に思ってしまいます。
前座を射止めて表舞台に立てたとしても、それだけで芸能の世界で生きていけるのでしょうか?
実際のところ、DJキャレドはベラーズ全員ではなく、ベッカだけを、というオファーをしてきました。
これは至極普通のことで、ベラーズ全員が受け入れられるほうが稀だと思うのです。
一応映画の中では、それでベラーズ全員がお祝いしてくれたわけですが、現実問題、アメリカに戻ったベッカを除いたベラーズのメンバーは、ア・カペラとは関係ない道を進むことになるでしょう。
そうなると、一応映画ではベッカの将来に明るい希望がある、そしてベラーズの他のメンバーはそれを祝福した、という感動的な場面で終わっていますが、これって果たしてベラーズ全員がハッピーエンド、と考えていいのでしょうか?
ネタバレ感想 2 DJキャレドの前座を巡っての競争も
ツアーが始まる前、ベラーズがヨーロッパについて競争相手と始めて顔見せしたときは、他のグループとのバチバチ感はありましたし、今回はア・カペラと楽器を使ったバンドとのジャンルを超えた戦いという雰囲気がとてもありました。
しかし、いざツアーが始まると、他のバンドの活躍している風景がまったくない。
ベラーズがアメリカ兵にちやほやされている映像ばかりです。
翌々考えてみるとわからなくもありませんが。
というのも、以下に女性兵士の数が増えたとはいえ、未だに男性の比率のほうが多いわけですよ、軍隊内は。
しかも若い連中が多いので、どうしたって見た目で目の保養になる対象に多くの兵士が好印象を持つことは避けられません。
一番ライバル視しているように描かれていた女性バンド4人組も人気は有ったでしょう。
しかし他の男性メンバーでのみ構成されている2つのバンドには、声援が少なくなっても仕方がないと思います。
というわけなのかどうか、わかりませんが、限られたツアー中の映像だけで判断すれば、ベラーズの優位性は簡単に見て取れます。
こうなるとせっかく設定した競争という舞台も、掛け声だけに終わってしまい、ベラーズがどうなってしまうのだろうという、ハラハラ・ドキドキ感は全く味わえませんでした。
ネタバレ感想 3 ファット・エイミーの父親
競争だけでは話が弱いと感じたのでしょう。
突然3作目にして、ファット・エイミーの父親が登場します。
しかもマフィアでエイミーの母親がエイミーに対して残した1億8千万ドルを手に入れたいだけという極悪ぶり。
これまでの2作でそんな設定には素振りも見せていないファット・エイミーが実はマフィアのボスの娘、というののは、ちょっと話が飛躍しすぎていないかと。
まぁ、この設定のおかげである程度のアクションを映画内に取り入れても、一応筋的におかしくはありません。
とはいえ、ちょっと無理がありすぎです。
この設定のおかげで、ファット・エイミーが格闘能力がある女性として描かれ始めます。
挙句の果てにボートでの爆破シーンを映し出したり、ムキムキのヒットマンとの格闘シーンも取り入れたり、といろんなチャレンジをしていましたが、あまりパッとしなかった印象を持ちましたね。
エイミーの父親ファーガスが、エイミー探し始めたタイミングがベラーズ再結成後、というタイミングに偶然あたってしまったのかもしれませんが、エイミーを拉致誘拐しようとするのであれば、アメリカでベッカとルームシェアをしていたときのほうが、簡単にできたように思えます。
旅行先とはいえ、アメリカ軍の慰安旅行に帯同しているメンバーの一人がいなくなったとなれば、アメリカ軍にも疑惑を持たれる可能性があるからです。
そんなところまで深く考えて作られたストーリーでもないのでしょうけどね。
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