【映画アナと雪の女王2】水の精霊(馬)ノックの元ネタは何?モデルの神話についても

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映画「アナと雪の女王2」で登場したエレメンタル

火・水・風・大地の4大エレメンタルのうち、水以外のエレメンタルがノーサルドラの森の中で登場します。

水のエレメンタルはエルサがノーサルドラからアートハランに向かって、海を越えようとした際に現れました。

馬の姿をしてエルサを溺れさせようとしますが、逆にエルサに手懐けられ、アートハランに行く手助けをしています。


一方で水のエレメンタルとして有名なのはウンディーネと呼ばれる精霊
どちらかといえば若い女性の姿をしているエレメンタルとして描かれるのが一般的です。

それではなぜ、「アナと雪の女王2」では水のエレメンタルとして馬の姿をしたノックというエレメンタルが登場しているのでしょうか?

今回はその理由と、ノックについての詳しい説明を紹介したいと思います。







アナと雪の女王2に登場した水の精霊ノックとは?

ゲルマン民族の神話や民話に登場する水の精霊ノック

アナと雪の女王2で水のエレメンタルとして馬が登場したのは、少し驚きでした。
その名前はノック。

詳しく調べてみると、そのルーツはスカンジナビアを始めとしたゲルマン神話や民話に登場する水のエレメンタルでした。

「ノック」という名前の他に「ノッケン」や「ネック」などドイツ語、オランダ語、ノルウェー語、スウェーデン語、フィンランド語などの言語の違いによって、呼び名が変わるようです。


名前は異なるものの、神話や民話に登場する話は同じで、姿を自在に変えることのできる水のエレメンタルとして描かれています。

元ネタのスカンジナビア版ノック

しかしそんな中でもスカンジナビアの「ノック」に関しては、基本形態は男性で、バイオリンの美しい音色で女性や子供を誘惑して川や池で溺れさせようとします。

が、人に危害を加えることよりも音楽のほうが好きなエレメンタルらしく、女性や子供だけに限らず男性にも音楽を聞いてもらうことで満足していなくなる、という話も多く存在するようです。

ギリシャ神話の中に出てくるサイレーンのように、獲物を獲得するために音楽を利用しているわけではなさそうで、ただただ、演奏を聞いてほしい、という欲求を満たすだけで満足するエレメンタル、なんとなくメルヘンチックでいいですね。


つまり、「アナと雪の女王2」で水のエレメンタルとしてノックが採用された理由は、

    スカンジナビア地方でノックが水のエレメンタルとして伝承されていたから

となるようです。


ただ、この話だけですと名前は一緒でも形態が男性であり、映画の馬とは関連がどこから来たのか、謎が残ります。
果たして馬の形態はどこから来たのでしょうか?

馬の姿のモデルとなった神話

更に調べてみるとスカンジナビア地方の「ノック」に関するお話で、馬関係のお話が見つかりました。

「Baekhest」というスカンジナビアの言葉で「小川の馬」という意味の水の精です

この「小川の馬」は霧の立ち込める日に川の近くに現れるとても美しい馬ですが、この馬に遭遇し、騎乗した人は二度と馬から降りることができず、馬はそのまま川の中に潜っていって乗り手を溺れさせる、という伝承が残されているのでした。


また、「ノック」は基本男性の姿をしていますが、どんなものにでも姿を変えられる能力を有するとされており、この「小川の馬」もノックが化けたもの、とされる説があるそうです。


これらのことから、「アナと雪の女王2」では水のエレメンタルに馬の姿の「ノック」が採用されたのでしょう。

馬の姿をした水の精霊

水のエレメンタルが馬の姿をしていると考えられたのは、スカンジナビア地方だけではありません。
ヨーロッパ中の他の地域でも、馬の姿をした水関連のエレメンタルやモンスターが言い伝えられています。

一番有名なのはケルピーと呼ばれる、イギリスの言い伝えに残る馬の姿をした水の魔物でしょう。

このケルピーも姿を自在に変えることができ、その能力で人間を騙して、水に溺れさせ、食べてしまうと言い伝えられています。


その他にもアイルランドやスコットランドで馬の姿をした水の魔物アハ・イシュケという怪物がいますが、このアハ・イシュけとケルピーと違い、ケルピーは淡水の川や湖に棲んでいると考えられているのに対し、アハ・イシュケは海の近くで見つかる、塩水魚(?)であるとされています。

おそらくノックが初めてエルサに出会ったのが海の中であったのは、このアハ・イシュケの伝承をモデルにしているのではないかと思われます。

まとめ

「アナと雪の女王2」で登場した水のエレメンタル「ノック」。

その名前の由来はスカンジナビアの神話や民話の中で語られる水のエレメンタルとしての「ノック」からでした。


しかしこのノック、自在に姿が変えられるとはいえ、基本形態は男性です。

そのため、スカンジナビアに伝わる水の魔物、「小川の馬」の姿を映画内での水のエレメンタルとして描くことにしたのだと思われます。


ただ、一つ疑問に思うのが、「アナと雪の女王2」でのそれぞれのエレメンタルの描かれ方の違いです。

土のエレメンタルは巨大な岩の巨人「アースジャイアント」でした。

火のエレメンタルは、「サラマンダー」という実態のあるトカゲで、炎自身はエレメンタルではない描かれ方をしていたと感じました。

風のエレメンタルは、実態のない風。落ち葉や風の流れを表す渦巻を書き込まない限り、表現ができない、実態のない存在です。

そして水のエレメンタルは水が形作る馬。
火との違いとして、炎がトカゲを形作っているのではなく、トカゲが自然発火して火を操るように描かれているのとは対象的だと感じました。


こうしてみてみると、4つのエレメンタルがかなり違う性質を持つように描かれていると感じましたし、それがなぜそうなったのか、という疑問が生まれてきてしまいます。

なぜなのでしょうか?

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