ハウルの動く城ののぞき虫と葉巻タバコについての考察!

ジブリ

「ハウルの動く城」に登場する「のぞき虫」と「葉巻タバコ」

葉巻タバコは外見から見ても何の変哲もない普通のタバコのようでした。

しかしハウルのセリフにもあったようにサリマンからの品ということで、何らかの魔法の効果を持っているものと考えられます。


「のぞき虫」のほうは、というと「千と千尋の神隠し」に登場した、ハクの体内から出てきた使い魔と同じような形態をしていました。

明らかにこの世のものとは思えないような姿かたちをしており、普通の生き物ではなくて魔法のいきもの、というのがぴったりな姿。

いったいサリマンはこの「のぞき虫」で何をしようとしていたのでしょうか?


今回は「ハウルの動く城」に登場した「のぞき虫」と「葉巻タバコ」についての考察をしていきたいと思います。







「ハウルの動く城」に登場するのぞき虫と葉巻タバコ

「ハウルの動く城」に登場するのぞき虫と葉巻タバコは、ハウルがソフィーのために、ハウルの城をソフィーが住み込みで働いていた帽子屋とくっつけたことで、持ち込まれました。

ソフィーの義理の母であるハニーが突然訪問し、短い近況報告をソフィーと交わしたと思ったらすぐに立ち去ってしまいました。

その際、来た時に持っていた巾着袋をわざと机の上に忘れていったわけですが、それをネコババした荒地の魔女によって、中に入っていたのぞき虫と葉巻タバコが取り出されます。

実はこの巾着袋をわざと忘れていくことは、サリマンによって指示された行為であり、巾着袋の中身は、荒地の魔女がソフィーたちと一緒にいることがわかっていて、罠として仕込まれていた、と考えたほうが普通だと思います。

では一体、どのような魔法の品でどういった扱われ方をしてハウルたちを罠にはめようとしたのでしょうか?

のぞき虫についての考察

「のぞき虫」はその名の通り、虫が見ていることを主人である魔法使いに情報として送ることができるのでしょう。

しかし悲しいかな、荒地の魔女に捕まってしまい、カルシファーの餌になってしまいました。

が、カルシファーも無事ではすまず、のぞき虫を食べてしまってから、ハウルが登場するシーンまでカルシファーを100パーセントの力を出せずにいました。

力の弱い魔法の品

まず第一に不思議に思ったのは、カルシファーが「のぞき虫」という魔法の品をお咎めなしで城の中に入れてしまったことです。

カルシファーが守っている城の中には、そう簡単には人も魔法も魔法の品も侵入することはできないはずです。


ですが、簡単に潜り抜けてしまった。

このことを考察するに2つの理由でカルシファーが止めることができなかったのでは、と思えるのでした。

その理由1は「のぞき虫」自体はとても力の弱い魔法の品で、カルシファーの警戒の網に引っかからないほど、ということ。

もう一つの理由2は、帽子屋と関係のあるハニーによって持ち来れたために、止めることができなかったというものです。

それでは順に説明していきましょう。


魔法の品として「のぞき虫」が非常に魔力の弱いものであったために、カルシファーの警戒の網に引っかからなかった、という説。

この魔力が弱い、というのは、「のぞき虫」を見つけた荒地の魔女の虫に対する扱い方を見ると、わかると思います。

きんちゃく袋から取り出した「のぞき虫」を素手でつかんでいるのです。


荒地の魔女は、この時点で魔力は奪い取られたものの、魔法に関する知識まで奪われたわけではありませんでした。

城に来てすぐのころは、痴呆が出ている老婆のようなリアクションしかしていませんでしたが、時間が経つにつれてかなりの正気を取り戻しています。

この日の前日に、ソフィーによってベッドに寝かされた際に、ソフィーの悩みを見抜いてアドバイスをしていました。


このように正気を取り戻した荒地の魔女が何のためらいもなく「のぞき虫」を素手でつかんでカルシファーに与えていましたので、「のぞき虫」を素手でつかんでも安全である、ということを知っていたに違いありません。

つまり、それほど危険性のない、魔力の低いものであった可能性が高いということです。

そのため、カルシファーも気が付かずに、城の中にいれてしまったのではないでしょうか。


もう一つの説としてソフィーの義理の母、ハニーが持ち込んだため、という考え方もできそうです。

というのは、帽子屋はソフィーの父の持ち物で、再婚した義理の母ハニーが相続したものでした。

ソフィーは長女ということで店の切り盛りをしていましたが、ハニーもこの帽子屋に住んでいたことがあると考えて間違いないでしょう。

言ってしまえば、帽子屋はハニーのものでもあり、その中に入ってくるのは彼女の当然の権利と言えます。

ハウルが城と帽子屋をリンクさせてしまったため、帽子屋に入ってこられる権利を持つ人物の侵入は、カルシファーでも止められない、と言えるのではないでしょうか。

どういった効力を持つものか?を考察

荒地の魔女のよってカルシファーの餌にされてしまったため、「のぞき虫」がどのような効力を持つかは、わかりません。

しかし名前から術者が覗き見るための手助けをする魔法の品と考えるのが妥当でしょう。

特にハウルの城の中は、カルシファーによって守られていますので、サリマンの力をもってしても詳しく覗き見ることはできないと考えていいと思います。

ハウルのことをスパイするには、城の中の様子を知ることはとても重要なため、「のぞき虫」を使って様子を探ろうとした、と考えるのが自然だと思えます。

ですので「のぞき虫」の効力は、千里眼の魔法を使って知りたいものを遠くから見る魔法の手助けをする品、と考えるのが妥当でしょう。

葉巻タバコについての考察

葉巻タバコを見つけた荒地の魔女は、いいものを見つけたと目を輝かせ、早速火をつけて煙をくゆらせます。

本人は楽しんでいるようですが、においをかいだヒンは涙を流して嫌がっていました。

煙に気が付いたソフィーもその匂いのためでしょう、急いで窓を開けています。

しかし、窓を開けたことでサリマンに城の場所を気が付かれてしまったようでした。

葉巻タバコも魔法の品?

また、帰ってきたハウルも荒地の魔女にサリマンからの品であるから、という理由で処分させています。

ただのにおいのきつい葉巻タバコというだけでなく、何らかの魔法の品であると考えたほうがよさそうでした。

魔法の効力は何?

では、いったいどういった効果のある魔法の品なのか?と考えると「のぞき虫」のように簡単には思いつきません。

映画内の描写からおそらくにおいに何らかの効用をもつものと推察されます。

窓を開けさせたことでにおいが外に漏れ、においによって探査魔法に感知しやすくなる、くらいの効果しか思いつきませんが。


きついにおいのせいで魔法の力が弱まる、といったような描写はなく、ハウルは普通に対処していました。

ハウルが戻るまでのメンツを見てみると、魔法の力を弱める効果があったとしても、それに気が付くことができない連中しかいないので、仕方がありません。

一方、魔法に関してはかなりの知識を有している荒地の魔女は、何の心配もしていませんでした。

ですので、大それた魔法の効果を発揮する葉巻タバコではない、ともいえると思います。

荒地の魔女をうまく利用したサリマンの罠

さてこの「のぞき虫」と「葉巻タバコ」の組み合わせはサリマンが、城の中に荒地の魔女がいることを知って仕掛けた絶妙な罠であったと考えられます。

荒地の魔女をうまく利用したサリマンの罠

おそらくサリマンは、ハニーの手を使って巾着袋をわざと城の中に忘れていけば、手癖の悪い荒地の魔女によって中が調べられると読んでいたのでしょう。

もしその読みが外れたとしても、「のぞき虫」はすでに城の中に入っているわけですので、虫が誰にも気が連れずに袋から出ていけば、城の中のことが手に取るようにわかることになります。

ですので、どちらに転んでも、目的を達せられるというわなを仕掛けたのだと思います。

のぞき虫の役割

実際には「のぞき虫」は荒地の魔女によって見つかってしまいました。

そうなった場合、荒地の魔女がのぞき虫をカルシファーに与えることは簡単に読むことができます。

もしかするとのぞき虫自体にはカルシファーが食べても何にも影響が出ないものだったのかもしれません。

サリマンがカルシファーの調子を崩すような魔法をのぞき虫の中に仕込んでいた、ということも考えられます。

何はともあれ、見つかった「のぞき虫」は当然のようにカルシファーに与えられました。
それを見込んで、「のぞき虫」の中に、カルシファーに影響を与えるような魔法を仕込んでいたと考えたほうが自然だと思います。

葉巻タバコを罠に組み合わせた

カルシファーの調子を崩させたのち、葉巻タバコを見つけさせることで、当然荒地の魔女は火をつけるでしょう。

そしてその強烈な匂いに他の住人は耐え切れず、窓を開けることになるわけです。

そうなれば、サリマンはより簡単に城のありかを感じることができるわけで、事実、その後、サリマンの手下によって城に侵入されていました。

ソフィーとハウルのおかげで手遅れになる前に、何とかカルシファーの状態を元に戻すことができて、事なきを得ました。

が、荒地の魔女が城の中にいることを知って、仕掛けてきたサリマンの罠はもう少しで成功しそうになったほど、効果的であったということが分かります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

サリマンのよって送られてきた「のぞき虫」と「葉巻タバコ」について考察をしてみました。

魔法の品でありながらカルシファーの警戒の網に引っかからずに城の中に入ってきたことを考えると、魔法の力としてはそれほど強くない品であったと考えられます。

また、ハニーという人物を利用して持ち込んだことも、カルシファーの警戒を潜り抜けるためには効果的であったのでしょう。


「のぞき虫」は使われませんでしたが、おそらくは使用した魔法使いが対象のことを遠くからでも詳しく見ることのできる魔法の品であったと考えられます。

「葉巻タバコ」はその強烈なにおいから、どこにいるのかがわかりやすくなる、という様な効果があったのでは、と思われます。


そして「のぞき虫」と「葉巻タバコ」の組み合わせを荒地の魔女に見つけさせることで、カルシファーの力を弱めて手下や使い魔を城の中に侵入させ、あわよくばソフィーたちを捕らえてしまおう、というサリマンの罠であったと考えられました。

そしてその罠は、もうちょっとのところで成功しそうにまでになっていましたが、ハウルが城に戻ったことで、失敗に終わったのでした。









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