アニメ「地獄楽」で死罪人の「備前の大巨人(ダイダラボッチ)」の異名を持つ陸郎太。
その陸郎太と画眉丸・佐切コンビは死闘を繰り広げることになります。
実はその時、杠と仙太は画眉丸や佐切と協力体制にありました。
さらに源嗣もその仲間に入っていましたが、陸郎太の一撃で瀕死の重傷を負ってすでに虫の息。
そのような状況下で杠と仙太は戦闘に加わることもなく、源嗣を助けることもしませんでした。
杠は、その性格上、理解できるのですが、仙太のほうはなぜ、助けに入らなかったのでしょう?
今回は、その謎を考察していくことにしたいと思います。
関連記事:地獄楽・源嗣は陸郎太に瞬殺されて実は弱い?佐切とのカラミがウザい理由も
地獄楽・仙汰が源嗣を陸郎太戦で助けなかった理由を考察
アニメ「地獄楽」で画眉丸と佐切が陸郎太と戦っている最中、仙太は瀕死の源嗣を助けませんでした。
その理由について、気になったので考えてみたのです。
一番もっともらしい理由を挙げるとすれば、
-
仙太が島で与えられている任務は監視人の杠から目を離さないこと
です。
源嗣の手当てのために助けに行ったり、画眉丸と佐切の加勢のために陸郎太に挑みかかって杠がいなくなってしまったのであれば、本末転倒、ということでしょう。
実際に何が起こっていたのかを注意深く見てみると、仙太は杠のクナイによって木の高い位置に固定されていました。
とても一人でその縛めを解くことはできそうにない状態で、事実、仙太は杠に助けに行きたいから、と行動の自由を願っています。
このような状態ですので、杠は自由に行方をくらますことができたわけで、仙太が任務に忠実だったから助けなかった、は理由にならないと思えます。
では、本当の理由は何なのでしょう?
「実は仙太は源嗣が嫌い」説
仙太が源嗣を助けなかった理由を解くカギが、その後に交わされた杠との会話の中に隠されていたような気がしました。
画眉丸と佐切が協力して陸郎太に相対することにした際、仙太は杠に「源嗣(なかま)の手当てに行きたいのですが…」と言っています。
それに対し、杠は、今更手遅れで傷負いでは足手まといになる、と言っています。
が、そのあとのセリフがもっと重要なように感じられました。
それは、
-
「それにアンタ、そんなタマじゃないでしょ?」
です。
しかもそのセリフを言われた仙太の表情ですが、目が描かれていませんでした。
仙太の表情の描かれ方
杠に「それにアンタ、そんなタマじゃないでしょ?」と言われた仙太の表情は、とても興味深いものでした。
それは目が描かれておらず、無表情のママなのです。
眼鏡をかけたキャラクターが眼鏡の奥にある目が書かれていない、という表現はよく見かけます。
その場合、通常、そういう描かれ方をしたキャラクターの心情は、ポジティブなものではありません。
「興味なし」であったり、ズバリを言い当てられたものの無表情を貫くことで肯定をする、といったものであったり。
ある意味、悪意を含んだ反応であることが多いと思われます。
この場面の仙太も、余り感じのいい印象は受けない絵が彼をしています。
ネタバレ・仙太は山田浅ェ門にはなりたくなかった
この後、ストーーリーがどんどん進んでいくとわかることですが、仙太は実は山田浅ェ門に入門したいわけではありませんでした。
ネタバレになりますが、彼は子供のころから絵を描くことが好きで、将来画家になりたい、という夢を持っていたのです。
が、彼の生まれた家は代々、男児は山田浅ェ門に入門し、打ち首執行人とならなければなりませんでした。
夢をあきらめ、自身の意思とは関係なく、人の命を奪わなければならない職業につかざるを得なくなってしまったのです。
仙太と源嗣の性格は合わない
一方、源嗣は、というと、「武士とは」、「侍とは」、という物に対して確固たる理想像を持っていました。
それだけでなく、「男子とは」、「女子とは」ということにまで、凝り固まった価値観をを盲信し、しかも彼が信じた理想像、価値観を他人にまで押し付けようとする性格でもありました。
そんな彼にとって生きる道、役目が決まっていながら、まだ迷いを持ち、ともすると過去に勧めなかった道への未練をまだ持っているように感じられる仙太は、ただの「弱虫」と映っても不思議はありません。
源嗣にとって山田浅ェ門であるということの悩みというものが存在すること自体、不思議でならず、そんな悩みを持つ人物は精神がたるんでいるから、というとらえ方しかできな飼ったのではないでしょうか。
そして仙太に対して、精神の弱者として接して修行を見ていたかもしれず、時には口に出して責めていたのかもしれません。
本人は叱咤激励していると思っていたでしょうが。
そのようなすれ違いがあったのであれば、仙太は源嗣のことを快くは思っていない可能性が高いと思います。
役目上、そして同じ山田浅ェ門門下生という立場から、傷ついた源嗣を助けに行かないと、という思いはあったのでしょう。
が、それはあくまで立場的に、というもので、本心から
-
助けに行かないと、源嗣が死んでしまう、
という思いはなかったのではないでしょうか。
そしてその心を杠に見透かされた、と思えるのです。
まとめ
陸郎太によって源嗣が瀕死の重傷を負ってしまった際、仙太は彼を助けに行きませんでした。
状況的には杠に拘束されていたため、行きたくてもいけない、と見えます。
また、仙太のすべきことはただ一つ、杠の監視であり、助け行くことで杠を見失うことは何があっても避けねばいけません。
しかし、それは表向きの理由であって、仙太は何においても源嗣を助けたい、という思いはなかったのではないでしょうか。
すでに源嗣は瀕死の重傷を負っていたため、助けることができない、という現実がありました。
しかしそれ以上に、仙太と源嗣の個性に開きがありすぎたように感じられたのです。
源嗣は「武士」というものに理想像を確立させていて、他人にもその理想を押し付ける性格をしています。
一方、仙太は本当は武士にはなりたくなかったし、人殺しもしたくありませんでした。
ここまで価値観が違う二人ですので、源嗣は仙太を心が弱い半人前の武士と見ていた可能性があり、仙太は源嗣のことをパワハラ先輩と感じていた可能性が高いと思います。
そのような下地があり、仙太が自身の行動、源嗣を助けないという決断に対して正当性が認められる理由がいくつもあることから、仙太は源嗣を助ける行動には映らなかったのではないでしょうか。
コメント