映画「パーム・スプリングス」
タイムループもののロマンスコメディで、北米では高い評価を受けた映画です。
実際見てみて、90分と短めの映画の割に、始めから終わりまで楽しく視聴することができました。
特に、伏線の張り方が巧妙で、いくつかは気が付かずに見ていて、回収シーンで初めて、あれはそういう意味か、とうならされる場面が多かった作品です。
今回はこの映画「パーム・スプリングス」の基本情報や予告動画やキャスト情報、そして映画のあらすじを分かりやすく紹介していきます。
映画「パーム・スプリングス」の基本情報
それでは映画「パーム・スプリングス」の詳細あらすじを紹介する前に、映画の基本情報と予告動画、そして出演キャスト、簡単な感想と映画の見どころの紹介をしておきます。
映画「パーム・スプリングス」の基本情報と予告動画
カリフォルニアの砂漠のリゾート地パーム・スプリングスを舞台にしたタイムループ・ラブコメディ。
パーム・スプリングスで行われた結婚式に出席したナイルズと花嫁の介添人のサラ。ナイルズのサラへの猛烈なアタックから2人は次第にロマンティックなムードになるが、謎の老人に突然弓矢で襲撃され、ナイルズが肩を射抜かれてしまう。
近くの洞窟へと逃げ込むナイルズとサラは、洞窟の中で赤い光に包まれ、目覚めると結婚式当日の朝に戻っていた。
状況を飲み込むことができないサラがナイルズを問いただすと、彼はすでに何十万回も「今日」を繰り返しているという。
「ブリグズビー・ベア」のアンディ・サムバーグが主人公サム役を演じ、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に出演したクリスティン・ミリオティ、「セッション」でアカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズらが顔をそろえる。監督は本作が長編監督デビューとなるマックス・バーバコウ。
引用:映画ドットコム
映画「パーム・スプリングス」のキャスト紹介
続いてキャスト紹介です。
ナイルズ
恋人のお供で参加した結婚式の日が何度もタイムループしてしまう事態となってしまった主人公。
演じるのはアンディ・サムバーグ。
サラ
結婚式を挙げる新婦タラの姉。
ナイルズのせいでタイムループに巻き込まれる。
演じるのはクリスティン・ミリオティ。
ロイ
とある理由でナイルズの命を狙う男性。
演じるのはJ・K・シモンズ。
映画「パーム・スプリングス」の見どころと感想
映画「パーム・スプリングス」はタイムループ・ロマンスコメディという内容です。
コメディとして笑えるかどうかは、僕的には少し微妙な感じがしないでもありませんでした。
というのも、結構、性的な笑いに振れているように感じたからです。
洋画の性的なお笑いというのは、日本人には「合う・合わない」がはっきりとするとつねづね思っているので。
ロマンスとしては、プラス評価というところでしょうか。
お互い惹かれあっていながら「どのように二人の愛を育んでいくのか」についての意見の相違で距離を取ってしまうところは、タイムループものならではと感じ、面白かったです。
が、エンディングとしてはお約束というか、想像を超えるような結果ではありませんでした。
そんな中で一番面白かったものは、伏線の張り方とその回収です。
いくつもの伏線が張られているのですが、それがタイムループものということで一捻りされているものが多く、伏線の回収シーンを見ることで、あのちょっとしたセリフやふるまいにはこういう意味があったのか、と感心させられてばかりでした。
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映画「パーム・スプリングス」の分かりやすいあらすじをネタバレ解説付きで
それでは映画「パーム・スプリングス」のネタバレ有のあらすじを分かりやすくお届けします。
起・タイムループに囚われたナイルズと新たに囚われたサラ
11月9日の朝、砂漠の中にあるリゾート地パームスプリングスでナイルズは、恋人のミスティの声で目を覚まします。
ミスティの友人タラの結婚式に招待されて、今日がその結婚式でした。
式当日ということもあり、準備などで周りはてんやわんやしていますが、ナイルズはマイペースにリゾート地を楽しみます。
昼は、屋外プールでビールを飲んで、リラックスをするのでした。
夕方に式が行われ、夜には結婚パーティーが催されます。
うれしそうな新郎新婦のすぐそばに、なんとも晴れない顔付のサラが立っているのでした。
新婦タラの姉でありながら、まったく心あらずの表情で式に参加していたサラは、突然、皆の前でスピーチをするように言われ、必死で断ります。
が、実の姉という立場でスピーチをしないわけにいかず、立ち上がろうとした瞬間、ナイルズが即興でスピーチを始めだすのでした。
その場にいる皆は全員、いったい誰なのか?といぶかしがりますが、だんだんとスピーチの素晴らしさに盛り上がって大成功。
パーティーは食事の後のダンスへと移ります。
参加者全員が大はしゃぎして楽しい時間を過ごしている中、サラだけは浮かない顔をしてお酒ばかり飲んでいました。
そこにスピーチで助け舟を出したナイルズが近寄ってきます。
ナイルズに対して感謝はしつつも警戒心を解かないサラ。
そんなサラを何とか会場から連れ出すことに成功したナイルズですが、そこで恋人のミスティが不倫をしている現場に遭遇します。
そこでの会話でその気になったサラはナイルズの誘いに乗って、砂漠で行為に及ぶことに合意するのですが、いざ、ことに及ぼうとナイルズが服を脱いでいると、突然、彼の肩に弓矢が突き刺さります。
絶叫するサラに、「またあいつだ。」と言いつつナイルズは砂漠に逃げ出します。
弓矢を射た不審者はサラには目もくれず、ナイルズを追いかけ、第2の矢が右足の太ももに突き刺さるのでした。
何とか物陰に隠れてやり過ごしたナイルズは、赤い光が漏れる洞窟に向かって入っていきます。
そこにナイルズを心配したサラが追いかけてきますが、ナイルズは絶対に洞窟には入るな、と繰り返し、何に消えていくのでした。
洞窟内で光に包まれたナイルズは、ミスティの声で目を覚まします。
そこは11月9日の朝であり、ナイルズは平然と、同じ日を繰り返して過ごしていくのでした。
昼、同じようにプールでリラックスしていると、絶叫を挙げてサラが近寄ってきます。
サラはいったいどういうことか説明するよう、ナイルズに詰め寄っているのでした。
ナイルズに洞窟に入るな、と言われたサラでしたが、ナイルズが心配で、彼の後を追ってしまいます。
そして彼女も光に包まれ、11月9日の朝に逆戻りしたのでした。
一体、何が起きているのか理解できず、家族や友人が集う居間に出ていきます。
両親は、朝早くにサラの部屋に行ったものの、部屋にはいなかったので、朝から散歩でもしていたのか?と普通の日常会話をしてくるのでした。
サラはそんな両親の質問は適当に答え、結婚式は昨日で今日も同じことをするのか?と聞きます。
が、その質問に両親は全く理解ができない様子。
そんな時、窓の外にあるプールにナイルズがいることに気が付いたサラは、外に飛び出してナイルズに詰め寄ります。
あまりの剣幕に逃げようとするナイルズですが、その騒動を聞いてタラがサラの後を追いかけます。
が、タラは濡れたプールサイドで足を滑らせて転んでしまい、顔面を強打して前歯を折ってしまうのでした。
式を目前にしてのアクシデントでパニックになっている家族は、何とか歯医者に連絡付け、対処します。
そんな混乱をよそに、サラはナイルズに事情を説明させるのでした。
そこで分かったのは、ナイルズは11月9日を数えきれないほど繰り返し体験しており、タイムループに囚われていることを打ち明けます。
そして赤い光を通ってしまったサラもタイムループに囚われてしまったことを告げるのでした。
サラは状況を理解するためにいろいろと質問をし、ナイルズが何とか抜け出そうといろいろ試したこと、どれも成功しなかったこと、そして当の昔にもうあきらめたことを知ります。
また、ミスティの不倫もずっと前から知っていて、11月9日に会うことのできる女性の何人かと関係を持ったこと、中には男性もいたことも知るのでした。
それを聞いたサラは、自分とは洞窟をくぐる前にしたのが初めてだったのかどうかを聞きます。
それに対してナイルズは、あれが最初だったと答え、今度はサラの交友関係を尋ねました。
が、サラはその誘いには乗らずに何も答えません。
その代わり、ナイルズに弓矢を射かけてきた人物について質問するのでした。
その人物はロイという結婚式参加者で、ある時ナイルズは、結婚式の間に知り合うことになります。
かなり親密に楽しい時間を過ごすことができた二人でしたが、酒と薬物で酔っぱらってハイになっていたこともあり、平凡な日々が退屈で、今夜のような楽しいひと時を永遠に過ごしたい、といったロイの言葉を本気にしてしまって、タイムループに誘いこんでしまったのでした。
正気になって、事の重大さに気が付いたものの後の祭りとなったロイは、ナイルズを深く恨み、それ以来、事あるごとに命を狙いに来るようになったのです。
とは言って、死んだ瞬間に11月9日の朝に戻るため、復讐は終わることなく、毎回毎回必ず出会うわけではないものの、出会う度にロイはナイルズを必ず追いかけまわして痛めつけることになっていたのでした。
承・何とか抜け出そうとするもあきらめ、楽しんだ結果…
ナイルズの説明を聞いても、脱出する方法がないことを信じたくないサラは、何とか抜けだそうといろいろ試します。
死ねば脱出できるのではないか、と試しますが、ナイルズは時間の無駄だと説明します。
死んだ瞬間11月9日の朝に戻るだけであり、死ぬまでに感じる痛みは現実に起きたこととして感じなくてはなりません。
即死ならいいですが、ゆっくりと死んでいくのであれば、苦しむだけ損である、と伝えます。
そして大型トラックと正面衝突をしてみたものの、サラは11月9日の朝に目覚めるだけでした。
その他にもいろいろ試しますが、上手くいきません。
必ず11月9日の朝に戻ってしまいます。
サラは終には、真に自分勝手で他人のことを思いやらない行為をすることで抜けだせるのではないか、と言い出し、結婚式で誓いを宣言する前に、タラだけに密かにあることを告げて式からいなくなります。
その告白にとてもショックを受けた様子のタラでしたが、その行為をもってしてもサラがタイムループから逃れられることにはつながりませんでした。
そうなるとサラの脱出方法を探すことをあきらめ出し、ナイルズと一緒にいる時間を楽しむようになります。
そして何度でも繰り返される11月9日の出来事を利用して、いろいろなことを試してみます。
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・ウエディングケーキの中に時限爆弾が仕掛けられているといういたずらをしたり、
・サラの元カレをだまし、サラが復縁したいとして、目隠ししてミスティの不倫現場に生かせるように仕向けたり、
・結婚式を抜け出して近くのバーでナイルズの誕生日を祝ったり、
・ろくに操縦の仕方も知らないまま飛行機に乗り込んで空を飛んで墜落したり、
・重火器の試し撃ちを楽しんだり、
をして過ごすのでした。
そんな体験を繰り返すうちに二人はだんだんと互いに惹かれあっていきます。
ある晩、二人は砂漠でキャンプをし、マジックマッシュルームを服用して一緒に幻覚を見たことも重なって、ついに結ばれるのでした。
また11月9日の朝に戻ったものの、ナイルズへの恋ごころに幸せなサラでしたが、寝ていたベッドは、実はタラの新郎となるエイブの部屋のものであり、シャワーから上がったエイブはサラに、誰にも見つからないように、部屋を出ていくように言います。
サラがタラの結婚式で浮かない顔をしていた理由は、その前日、新郎と不倫をしてしまっていたからでした。
終にサラと結ばれたナイルズは、サラと一緒にいられることがうれしくてたまりません。
二人でのドライブで、彼はとてもご機嫌でした。
が、サラは今まで忘れようとして無視してきた自分の過ちを、11月9日に戻る度に思い出さなくてはならない、という現実を思い知って、困惑していました。
そしてタイムループで11月9日を何度も何度も繰り返す生活に意味がないことを再認識し、自分の犯した過ちに向き合う覚悟を持ち始めます。
サラはナイルズにも、彼のした過ち、ロイを巻き込んでしまったことに正面から向き合うように強く勧めます。
そのことでだんだんと口論になっていきかけた時、後ろにパトカーがいることに気が付きます。
それに不振を抱いたサラは、スピードを上げて挑発し、停車させます。
パトカーに乗っていたのはロイでナイルズに復讐に来たのですが、ナイルズに気を取られていたロイはサラによってパトカーで轢かれてしまいます。
その後、別の警官が駆け付け、二人は捕まりますが、事故処理のため、道路わきに座らされていた二人は、口論を再開。
それをきっかけに、ナイルズがサラに嘘をついていたことを明かしてしまいます。
サラがタイムループに囚われる以前に、ナイルズは彼女と何度も関係を持っていたのでした。
その告白に、サラは何かを決意し、走ってきたトラックに身を投げて、11月9日の朝に戻っていってしまいます。
さらに遅れてナイルズも戻りますが、それ以来ナイルズは、サラの姿を見ることはありませんでした。
転・行方不明のサラの秘密を知ったナイルズ
何度11月9日を繰り返しても、ナイルズはサラを見つけることができません。
サラたち家族が宿泊しているアパートに行っても、サラは自分の部屋にいないのです。
サラに会いたい一心で思い当たる場所全てをめぐっても、見つけることができないナイルズは、自分にとってサラがどれほど大切な存在なのかを思い知ることになるのでした。
そんなある時、結婚式パーティーの後、新郎の友人たちとつるむことになったナイルズは、友人全員が繰り広げる新郎の部屋でどんちゃん騒ぎに付き合っていました。
が、新郎のベッドに備え付けられてある枕からサラが付けている香水の匂いを嗅ぎつけたことから、式の前日、二人が関係を持ったことを知る事となったのです。
そのことで、式の最中、エイブが新婦タラをうらぎったことを皆の前で、暴露し、うっぷんを晴らそうとしますが、その場ではエイブと取っ組み合いのけんかをし、大騒ぎを起こしたとしても、次の日はやってこず、また11月9日が始まってしまうのでした。
むなしさとともにナイルズはロイの家を訪れます。
ロイは、サラが車で轢いてから、ナイルズのもとに来なくなっていたのでした。
実はサラに轢かれたことで即死はせず、集中治療室に送られ、眠ると意識が無くなって植物人間になる可能性があるということで、しばらく寝させてもらえない日が続いていたのでした。
その間、今の自分に置かれた状況を見つめなおし、復讐する無意味を悟って、やめてしまったのです。
式で会った時に言っていた平凡な日々というものに、心の底から嫌がっていたわけではなく、むしろそのありがたさに気が付いていなかっただけであり、何事もなく生活が続いていくことの大切さを、ロイは実感していました。
大切な子供たちとの時間を楽しんでいるものの、今後成長した姿を見ることができないのは、悔しい思いだと、正直に語っています。
そしてそんなエンドレスな時間をサラという女性と過ごせるチャンスがあるナイルズに、サラを探すように、勧めるのでした。
そのサラですが、ナイルズと口論をして11月9日の朝に戻って以来、朝一でリゾート地を抜け出し、近くの食堂でタイムループから抜け出すために量子力学や一般相対性理論を勉強し始めたのでした。
幾日も幾日も勉強し、基礎を理解した後は、大学の教授達にも連絡を取って理論を構築していき、終にはタイムループから抜け出すための方法を思い付きます。
そしてその仮説を実証するために、ヤギを使って実験を繰り返し、終にはそのヤギがタイムループの世界から消えてなくなったことで、抜け出す方法を確立させたのでした。
結・二人はタイムループから抜け出せるのか?
ある11月9日の朝、ナイルズはミスティではなくサラの声で目を覚まします。
そこにはミスティではなく、サラがいました。
彼女はナイルズにタイムループから脱出する方法があることを伝えるのでした。
その方法は、洞窟に入って11月9日に戻って来る前に、C4爆弾による強烈な爆破で彼ら自身を木っ端みじんにすること、だったのです。
ナイルズは、サラに愛していると告白し、タイムループから抜け出して、明日をも知れない世界に戻るよりも、タイムループの中で永遠に二人で生きていきたいと伝えます。
サラはそんな生き方に意味を見出せず、一人でも決行する、と宣言して別れを告げるのでした。
サラにフラれたナイルズは、腹いせにミスティを不倫していることを理由にフリ、失意のままリゾート地を離れます。
サラはタラの結婚式に参加し、タラのために心のこもったスピーチをします。
その後、どこかに電話してメッセージを残し、C4爆弾を持って洞窟に向かうのでした。
失意のナイルズは酔っぱらってよくサラと来ていたバーにいました。
ふとそこでサラと過ごした楽しい時間を思い出します。そのことでサラ無しで生きていくよりも、たとえ死んだとしてもサラと一緒に行動したほうが幸せなのだ、ということに気が付き、洞窟へと向かうのでした。
洞窟で落ち合った二人は、互いにお互いの気持ちを伝えます。
もし計画が上手くいかず、タイムループを抜けだした先の世界で、出会うことができなかった時のために。
そして二人は洞窟に入り、キスを交わしながら起爆スイッチを押すのでした。
二人は、よく時間をつぶしていたとある家のプールにいました。
そこに、家の持ち主の家族が帰ってきて、二人に何をしているのか、と問いかけます。
そこで二人は、今いる世界が11月10日であることを確信するのでした。
エンドクレジットの途中、結婚式のシーンが映ります。
ロイがナイルズを見つけて、サラがメッセージに残したタイムループからの脱出方法について、詳細を聞こうと話しかけますが、ナイルズはロイのことを知らず、誰かと間違えていないか、と自己紹介をします。
それを見てロイは、サラの計画は成功し、少なくともナイルズはタイムループから抜け出したことを理解して、祝杯を挙げようと、バーテンダーに酒を注文するのでした。
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