映画「猿の惑星: 聖戦記」でついに地球が猿の惑星になったお話の3部作が終わりとなります。
とはいえ、このシリーズ、見ていてずっと気になったんですよね。
北米に猿が生息しないのに、知性を持つ猿の発祥地が北米で、よく地球が猿の惑星に
なったな~って。
ですので、北米に猿がいない理由や、そこから地球が猿の惑星になった理由を考察して
みました。
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北米に猿がいない理由
日本ではニホンザルが有名で、冬に猿達が温泉に入っているシーンなどがテレビや写真で
見ることができます。
中国でもキンシコウだとか、お話の登場人物ですが、西遊記の孫悟空とかサルに関する
歴史を見ることができます。
それに比べると欧米では猿のことを聞かないなぁと改めて気が付きました。
例えば農作物が被害にある猿害とか、聞いたことがありません。
それで、少し調べてみると面白いことがわかりました。
猿の分布を見てみると基本的に南半球に生息しており、北半球は熱帯エリアで北限が
ニホンザルが生息する地域になるんです。
(引用:ウィキペディアより)
ヨーロッパにはジブラルタル海峡を挟んでスペインの南の一部に1種類の猿がいるだけで、
北アメリカに至っては全く猿が生息しません。
この理由ですが、元々猿は全世界にいたそうです。しかし、急の気温変動によって
それまで暖かかったヨーロッパや北米が急に寒くなり、それによってそれらの地域の猿達が
絶滅した、と言われています。
また別の説によると食べ物が少なかった為、と言うものもあり、猿達は基本的に雑食です
が、主に果物を食べます。北米には果物が少なく、そのために結果的に絶滅した、という
ものですが、実際に北米原産の果物を考えてみると、クランベリーやブルーベリーなど、
果物として個々にあまり大きなフルーツではありません。
実際の理由は確定していないようですが、「寒さ」というのが理由のキーワードになりそう
です。
シリーズ中の猿達はどこから来たのか?
北米には野生の猿は存在しません。
ということで、シリーズ中に集まった猿達は動物園や実験用として飼われていたもの、
少数でしょうが、サーカス所有だとか、ペットとして飼われていた、という猿である以外、
考えられません。
ところで個人としてペットとして猿を飼うことは、種類によりますが、非常に難しいそうです。
特に、通常の状態で持ち性の高いチンパンジーは、大人になると気性が荒くなってくる
傾向があり、しかも賢いために極めて高度ないたずらをしたりします。
部屋中を破壊することも珍しくなく、しかも上下関係が厳しいので、猿に下に見られたが
最後、決して言うことを効かなくなるそうです。
また、力も非常に強く、大人のオスだと腕で車のフロントガラスを割ることができるほど
で、その他に噛みつきも危険で、襲われた過去の事故では指の切断などは珍しくないそう
です。
となると、どう考えても動物園などの大量に飼育されていた猿達が集まったことになり
ますが、たとえ、ロスアンゼルス近辺の動物園から全て猿を集めたとして、映画のように
なるのかな、と思ってしまいます。
ちなみに日本の動物園での猿の飼育数を調べてみると2009年の上野動物園のサル山の資料
に行き当たり、「36匹が飼育されている」ことがわかりました。
規模次第でしょうが、動物園で猿を1000匹も飼育しているようなところはないと思います。
ですから、いくら猿が高い知能を持つことで反乱を起こすと言っても、映画のような
パニックにはならないのではないでしょうか。
地球が猿の惑星になる可能性は?
一番最初の「猿の惑星」では宇宙船は西暦2673年ごろに地球に帰還する計算でした。
映画内では実際に何年に主人公たちが地球に戻ってきたかは明確にされていません。
計算があっているとして2670年前後とした場合、最初の3部作「悪の惑星: 創世記」は
2011年の作品。舞台が2010年としておおよそ660年が経っているとします。
チンパンジーの生態を調べると生後14年~15年。単純に計算すると44世代が生まれている
事になります。
これくらいの世代があれば、気候に適応するだけの進化はできると思いますが、一方で
チンパンジーの出産は1回に1匹が普通ですので、個体数が劇的に増えるという結果は
あるでしょうか?
ニホンザルで妊娠期間が160日から180日程度という資料がありますので、チンパンジーの
それも200日以内だと仮定します。
そこから子育てなどを数年必要と考えると2年に1度の繁殖が適当でしょうか。
チンパンジーの寿命は50年程度で、出産が30歳までできるとした場合、8匹の子供を産む
事ができる計算になります。
仮に2匹のチンパンジーがいて15歳以降、2年おきに子供を産んだとして計算すると、
出産ができなくなる30歳までに8匹の子供ができ、その子供が15歳に到達してから30歳に
なるまで同じように2年おきに子供を産んだとすると、単純計算で2匹のチンパンジーが
27匹になります。
ただしこの計算では子供が必ず成人して出産をするという仮定のもとでしており、また、
生まれた8匹の性別がどういう割合になっているか(例えばオス1メス7とかの比率)などは
詳しく考慮に入れていません。
単純な計算でこの程度ですが、660年という年月と最初のグループの数が大きければ
大きいほど、たくさんの知的チンパンジーが生まれることにはなります。が、地球を
覆い尽くすほどの数の知的チンパンジーが生まれるにはちょっと時間的余裕が足りない
ような気がします。
知能が発達した猿は習性も変わるのか?
チンパンジーについて調べていて面白いことがわかりました。
なんと、チンパンジーは群れの子供を殺すことがあるそうです。
オス達が他の集団の赤ん坊を襲うといったケース。オスが同じ集団の赤ん坊を殺すと
いったケース。さらにはメスが同じ集団の赤ん坊を殺すといったケースなど様々な
パターンが観察されているそうです。
オスの幼獣が殺されることが多く、殺した幼獣は同じ群れのメンバーによって食べられて
しまうのですが、その理由ははっきりと分かっていません。
もし、映画のように素晴らしい知能を得られたチンパンジーが現れたとしたら、その
チンパンジーは子殺しの理由を説明してくれるのでしょうか?
それとも子殺しという行為自体をしなくなるのでしょうか?
非常に興味があります。
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