ネタバレ感想 1 死霊の人形の誕生と言うよりは悪魔となったアナベルの誕生秘話
「死霊の人形」と銘打っての映画ですが、人形に憑依していた悪魔がどうやってジャニス
にとりつき、やがてアナベルになるか、という「死霊館の人形」につながる話となっています。
とはいえ、「死霊館の人形」を見ていなくても全然問題なく、死霊館シリーズを全く見て
いなくても、楽しめる映画でした。
ホラー映画としては王道の怖がらせ方で、最初の方はキャラクターも気が付かない、
視聴者だけが気がつく心霊現象を見せておき、やがてキャラクターも何かがおかしいと
不安になるような出来事で更に盛り上げ、ついには絶対に何か驚かせるような展開に違い
ないとバレバレながらも、怖いもの見たさで続きをみてしまう恐怖体験を連発してくれます。
エッシャーによるネタバレのあとは、脱出劇とそれを阻止すべくあの手この手で心霊
現象を展開させ、一体誰が助かって誰が犠牲になるのか、ハラハラしながら楽しめました。
「死霊館の人形」同様、人形が動いて襲い掛かってくるというような怖さでなく、
あるはずのない人形があったり、捨てたはずの人形が戻ってきていたりといった、
超自然現象での怖さですので、腹の底から怖さが湧き上がってくる感じです。
それでも、悪魔の姿として光る眼に黒い獣のような姿をあまりに出しすぎているのは、
怖さを半減させる気がします。
そこら辺は東洋と西洋の大きな違いなのかもしれませんが、悪魔も姿をあらわすと、
モンスターになってしまい、悪霊という怖さを感じなくなってしまいます。
とくに死んだアナベルの姿でジェニスの前に現れ、振り向きざまに黒い顔に変わって
悪魔のようになっていくシーンは、実際にそんなことが目の前で起これば怖いでしょうが、
ホラー映画として見ている分には、実態のあるものを見ることで、怖さは減ってしまう
ように思います。
ネタバレ感想 2 悪魔といってもいろいろいると思いますが、
悪魔と一口にいってもいろいろいると思いますが、ボク個人の悪魔のランク付けでいうと
この「死霊人形の誕生」の悪魔は下っ端ぽい気がします。
名前で言うとガーゴイル レベルでしょうか。
高等な悪魔という、僕の中のイメージは知っている人がどれほどいるかわかりませんが、
ニャルラトテップのような意地の悪い悪魔ですね。
ご存じない方のために簡単に説明しますと、ニャルラトテップとはクトゥルー神話にでて
くる上位悪魔のひとりで、狂気と混乱をもたらす存在。人間の前に現れて手助けをする
のですが、関わった人間は自滅する結果に終わります。
例えば最愛の人を失った哀しみから禁断の生き返りの法を教えてもらったものの、生き
返ったその人によってころされてしまう、と言った具合です。
他の例で言えば、「笑うセールスマン」の喪黒福造をもっと悪意を持って人間に甘言を
用いて罠にかけるような存在、でしょうか。
そういうイメージを持っている僕からすれば、「死霊人形の誕生」の悪魔はただただ命を
奪おうとしているような小物っぽさを感じずにはいられません。
あんだけ騒いで結局手に入れたのはジェニス一人だし。ムリンス夫妻は手にかけたけど。
ムリンス夫妻をああやって手に掛けることができたのなら、もっと前から始末することも
できたと思うのですが、なぜ12年も待ったのでしょう?
12年前はその力がなく、今回はその力を蓄えたのでできた、とも考えましたが、力を蓄え
ていた12年は、実は封印されていたのですから、蓄えれたと考えるのはスッキリしません。
ネタバレ感想 3 いろいろな矛盾点と次回作について
映画の話ですので、細かいことをつついて合理性がない、というのはどうかと思いますが、
ムリンス夫妻のついて言及したので、他のことについても取り上げてみたいと思います。
まず、ムリンス夫妻をいとも簡単に殺すことができたのに、12年前はいとも簡単に封印
されてしまったのはどうしてでしょう。
唯一考えられるのが、ムリンス夫妻を殺す前に悪魔はジェニスを手に入れています。
それによって力を増すことができたので、という説明には説得力があるように思われます。
では次に、封印されていたにも関わらず、結講いろんな超自然現象を引き起こせていた
のはなぜでしょう?
ムリンス夫妻の会話では封印をしてから12年の間、全く静かだったと言っています。
それが少女たちが到着した途端、些細な事ですが、物音を立てたり、鍵を外したり、超常
現象がおこっています。
確かにムリンス夫妻しかいなかったときでも、あの程度の封印ならそれくらいのことは
できたが、行動に移したとしてムリンス夫妻がクローゼットの扉を開けるわけがないから
しても無駄、ということでしなかった、という説明はできるかと思います。
ジェニスに乗り移った後も人形を必要としていたが、最後は人形を置いて行方不明に
なったのはなぜでしょうか?
「死霊人形の誕生」としているくらいだから人形を持って行っても良かったように思うし、
悪魔がいなくなったら人形は無害になる、というものちょっと題名にそってないように
かんじます。
とまぁ、思いつくまま、上げてみましたが、ある意味、そんなストーリーの穴について
ああでもない、こうでもないと納得できる答えを探そうとするのも映画の楽しみの一つ
ですよね。
最後にシリーズの第5作目について2018年7月公開予定で、悪魔の尼僧ヴィラクの映画
が公開されます。
映画の中でもシャーロットが持っていた写真の隅に写っていましたし、エンドロール
の最後にわずか数秒ですが、登場するシーンも含まれています。
日本公開の予定はまだ明らかにされていませんが、今から楽しみです。
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