映画メッセージのネタバレ感想とあらすじ!ラスト結末はハッピーエンド?

映画

アカデミー賞の音響編集賞を受賞し、作品賞や監督賞など7部門にノミネートされた映画
「メッセージ」のネタバレ感想とあらすじを紹介します。

映画の元ネタはアメリカの作家デッド・チャンの短編SF小説なのですが、映画の最後の方で
明かされる事実にかなり驚いたものの、小説を映画化したと聞いてなんとなく個人的には
納得してしまいました。

しかし短編小説だったとは。映画の内容から察するに原作はとても面白そうだと感じました。






予告動画はこちら

キャストの紹介

ルイーズ・バンクス: エイミー・アダムス
軍よりエイリアンとの意思疎通を図る役目を与えられた言語学者。
イアン・ドネリー: ジェレミー・レナー
ルイーズとともにエイリアンとの意思疎通を図る物理学者。
G. T. ウェバー大佐: フォレスト・ウィテカー
突如現れた巨大宇宙船の現地対策軍の責任者。ルイーズとイアンに意思疎通を図らせる。

見終わった最初の感想は「うーん」というものでした (注)ネタバレあり

ストーリー全体を通して大きなサプライズになっている設定が最後の方で明かされるのですが、
その設定自体は、面白い試みだったと思います。

が、その設定を活かしきれていないような、もったいなさがありました。

とくに、全体的に映像が暗く、しかも映画のオープニングがルイーズの娘の一生を映し出す
のですが、十代と思われる若さでガンで亡くなる描写に得も言われる重苦しさを感じました。

それから大学での講義のために構内を歩いているのですが、暗めの画面も相まって、我が子を
失った悲しい雰囲気を出しながら歩いているように見えてしまうのです。

突然の12機の宇宙船によるエイリアンの訪問に大混乱を起こす世界ですが、エイリアンの
宇宙船が現れたのは世界に広がる12箇所。米国モンタナ、ベネズエラ、グリーンランド、
英国、アフリカ西部のシエラレオネ、スダーン、ロシア黒海、パキスタン、シベリア、
北海道、上海沖、オーストラリア西のインド洋上でした。

宇宙のどこから来たかもわからず、宇宙船の材質も不明。動力に何を使っているかも
わからず、排気ガスや電磁波、放射能などの廃棄物も出していないため、燃料すらわからない。
しかも宇宙船は地上より数メートル上空に浮いているような始末。

これだけでも全く科学力で太刀打ちできそうもありませんが、なぜか宇宙船から人類に
向けて何ら発信される情報がありません。
ちょっとそこは矛盾していないか?と思いますが、とりあえずスルーして映画を見ていきます。

主人公のルイーズは言語学者で軍よりエイリアンとの通訳を依頼されます。物理学者の
イアンも同じく軍に依頼されてコミュニケーションを取るための手助けをしています。

はじめは12箇所のサイトが通信網でつながれて、新たにわかった事実を共有していました。
しかし、エイリアンの地球訪問の目的が武器の提供とわかった途端、中国はエイリアンとの
交渉を止め、期限を区切って中国領内からの撤退を伝えます。
同じくロシアも武器に関して情報がわかった途端、通訳に携わっていた専門家を殺害して
しまうのです。

ルイーズは「武器」は「道具」の可能性があるとしてより詳しいエイリアンとの交渉を
主張しますが、アメリカを含め世界はエイリアンと彼らが発した情報に過剰反応をして
いきます。

が、確かに「武器」は「道具」の一部ですので、このようなやり取りは考えられますが、
逆じゃないでしょうか?「道具」のなかに武器というカテゴリーに分けられるものがある
以上、大まかに「道具」として意味を掴み、現物を見て、ああ、道具でも武器に分別される
ものなのね、というのが普通ではないでしょうか?

あえて武器、と言う言葉を出すことで世界のパニックをより煽りたかったのかもしれませんが、
ちょっとした言葉のニュアンスでさえ、引き金を引きかねない状況ですので、もっと慎重に
通訳した方がいいのではないのかな、と思ってしまいました。

さて、ここまで状況が悪い方に転がっていったにも関わらず、主人公のルイーズはまだ
平和的な接触を試みようとします。
それはそれで、ヒューマニティーを追求する美しい主人公として好印象を与えますが、
正直、状況は一介の言語学者という存在でなんとかなるレベルを超えていると思います。

なにより、エイリアンがそんな状況になっても地球に居続ける理由が今ひとつ納得できません。
というより、最初から地球にやってきた理由がはっきりしないまま映画は続きます。

ルイーズとの接触するためなら巨大な宇宙船を利用するのは不適切ですし、12機も一度に
地球に送る必要はありません。
世界規模に話をしたい割に、メインストーリーはルイーズ個人に集中しているので、その
バランスが釣り合っていないと感じました。

ところで前線基地でもある対策本部に詰めている下級兵士がネットで巷の情報を自由に接して
いるシーンで、それでいいのと疑問を持ってしまいました。

戦時中に重要な情報を一般兵士や国民に伝えないことは重要なことで、例えば戦地からの
家族への手紙は検閲が入って、問題と思われる部分はすべて黒塗りにされていました。

ボクの義理の兄が海軍に所属していますが、作戦で船に乗っている場合、特に中東地域で
の作戦では船内は船外との情報を遮断し、情報が漏れることを避けているそうです。

この映画では陸軍で、船の中に比べて情報遮断が難しいでしょうが、一般兵士が上司からの
命令なしに宇宙船内に爆発物を仕掛けるような行為をしでかすのは、軍隊規律があまりに
緩んでいるとしか思えませんし、そうしたいと思うような偏った情報に接することができる
というのは、現実的なのかと、思ってしまいました。

作品最大のサプライズは?

作品最大のサプライズはルイーズの娘の記憶です。
この宇宙人との遭遇の前に子供を産んで夫と離婚し、子供を病気でなくしたという過去が
あるかのように、所々に散りばめられている娘との記憶がフラッシュバックのように蘇る
のですが、じつはこれ、未来に起こることをフラッシュバックで思い出しているように
見せている、予知映像だったのです。

エイリアンの言語を学ぶことによって未来を見る能力を身につけたという設定なのですが、
中国がエイリアンの船に総攻撃をかける寸前に、その能力を使って人民解放軍の最高司令官
シャオ将軍の個人携帯に電話をして攻撃をやめさせるわけです。

これによって世界は破壊されずにハッピーエンドとなりますが、ちょっと設定が甘くない
でしょうか?

一応ストーリー的に中国が攻撃をすることでロシアとスダーンもそれに続いて攻撃をする、
ということになっていましたが、中国が土壇場攻撃しなかったからロシアもスダーンも
攻撃をやめるというほど、主体性がないの?と。

というより、とんでもない科学力を持つであろう宇宙船に対して手を出しても大丈夫と
思う根拠のほうが知りたいし、中国が攻撃すると決定したからロシアもするっていう思考に
なるのかな、というところが説得力にかけると思うわけです。

あと、中国の軍事組織のシステムに詳しくはないですが、アメリカの大統領並みに軍の
トップにあると思われる将軍の一存で攻撃だ、中止だ、となるようなシステムではないと
思うのですが。
まあ、これに関しては詳しく知りませんので、これ以上突っ込むことは止めにしておきます。

大国の中国、ロシア、アメリカは一当てやってもいいかもしれませんが、ベネズエラや
アフリカの国、シエラレオネなどは戦いたくても戦力があるのか、と思ってしまいます。
相手は空飛ぶ宇宙船。航空機戦力がないと、あまりに不利です。

とりあえずWikiで調べてみたところ、ベネズエラには空軍は存在し、戦闘機も100機未満では
ありますが、存在しているようです。
一方でシエラレオネには空軍は存在しないとの情報がありました。(軍航空部隊は存在して
いるようです。)

とまぁ、そんな国はできれば穏便に済ませたいと思うと思います。

最後にツッコミとして上海沖の宇宙船周辺に展開する中国軍の映像ですが、あんな近海に
空母を持ってきて大丈夫なのでしょうか?空母は艦載させている航空機の攻撃能力は高い
ですが、船事態の攻撃能力および防護能力は大したことないはずです。

攻撃能力が高いという航空機も空に飛んでいて初めてその効力を十二分に発揮させられる
のですが、離着艦時や甲板上にある場合、なんの攻撃能力を持ちません。

つまり、敵の砲などの射程外にいて航空機を飛ばすことが最大の存在価値なのに、あんなに
目と鼻の先に空母を持ってきてどうするつもりなのでしょうか?

映画での映像として大兵力が集結しているという絵を見せたかったというのはわかりますが。

未来を見ることができても未来を変えることはできないの?

ルイーズの能力がはっきりした時点で、旦那にだれがなるのかは簡単に想像がつくと思い
ます。

問題はその後出産し、離婚し、娘と死別するという未来。
これがわかっている今、その未来を変える事はできるのでしょうか?

離婚に関しては映画内でルイーズがイアンが彼女の元を去った理由を理解した、と発言して
いるので、問題をクリアにする方法も理解したようだと、勝手に思いました。
次から(という言い方が適当なのかどうか、未来を題材にした話だと言い方が難しいですが)
はうまくやれそうな雰囲気です。

ですが、娘の方は生まれながらにしての疾患のような台詞もありましたし、若くして亡く
なる運命は変えられないのでは、と心配してしまいます。
しかし、最後にイアンと一緒に幸せそうに暮らしながら、子供をもうけようという提案に
心から賛成しているルイーズの姿から、必ず子供が若くして亡くなるわけではないのでは、
と思えてくるのでした。

映画ですので、「The End」のあとの展開まで心配する必要はないのでしょうが、未来を
予知することができるようになったルイーズは果たして幸せな生活を送ることができるのか、
疑問に思ってしまいます。

旦那との離婚は避けられるかもしれませんが、彼がいつ死ぬとか、自分がいつ死ぬとか、
知りたくないことまで見えてしまうかもしれません。それは結構辛いものがあるのでは
と心配してしまいます。

感想のまとめ

小説自体は4つの賞にノミネートし、そのうちの2つ受賞もしています。
原作を読んだ人の中にはルイーズが言語を学んでいく過程で予知を可能にしていく理論が
素晴らしいというものもありました。
そういう意味では小説自体は読んでみたいと思います。

映画も数多くの賞にノミネートし、受賞もしています。それにかかわらず、実際に見てみる
とイマイチtいう感想を持たざるを得ません。

原作を読んでみたいと思いましたが、読んだら更に映画に対して失望するようになってしまう
のでしょうか?










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