映画トイ・ストーリー4でフォーキーがおもちゃとして動き出した理由と背景を考察!

映画

「トイ・ストーリー4」のニューキャラクター「フォーキー

ウッディたちの新しい持ち主であるボニーが小学校でプラスチック製の先割れスプーンから作った人形です。

ボニーは自分が作ったこともあって、大のお気に入りにするのですが、そのフォーキーがおもちゃとして動き出し、しかも自分はゴミだと信じてゴミ箱に入りたがって仕方ありません。

トイ・ストーリー4の物語はこのフォーキーの行動から端を発することになるのですが、ここで一つ、素朴な疑問が生まれませんか?

それは、「なぜフォーキーはおもちゃとして動き出すことができたのか?」です。

それを考え始めると、フォーキーだけではなく、

    ・なぜトイ・ストーリーシリーズのおもちゃが動くのか?
    ・どういう基準で動いているのか?

という問題にも答えないといけないでしょう。


今回は、この点について考察していきたいと思います!







フォーキーが動き出したのはなぜ?

トイ・ストーリー4でフォーキーが動き出した理由。

それはなぜトイ・ストーリーシリーズでおもちゃが動く事ができるのか?、という問いとおなじです。

が、シリーズ内でその理由は、はっきりとは明かされていません。
というより、おもちゃが動き出さなければ、トイ・ストーリーシリーズのお話自体が始まらない、という問題があります。

ですので基本的に、おもちゃであれば、トイ・ストーリーシリーズの世界では動くことができる、ということになるのでしょう。

では、動き出したらおもちゃという存在であるというルールがあるトイ・ストーリーの世界で、なぜ動き始めたフォーキーが自分のことをおもちゃではなく、ゴミだと信じて疑わなかったのでしょうか?

それは、おもちゃとして作られた背景が大きく関係しているようです。

おもちゃの行動パターンに影響するもの背景?

トイ・ストーリーシリーズ、特に最初の作品「トイ・ストーリー」を見てみるとわかりますが、バズ・ライトイヤーもはじめは自分のことをおもちゃではなく、本物のバズ・ライトイヤーだと信じていました。

これはちょうど、トイ・ストーリー4におけるフォーキーと同じ状態です。

バズ・ライトイヤーはアニメとして実在するバズ・ライトイヤーというキャラクターのおもちゃとして作られました。

ですので、バズ・ライトイヤーのおもちゃがバズ・ライトイヤーというキャラクターと同じ行動をするのは、おかしなことではありません。

というのも、他のおもちゃも大なり小なり、同じ性質で、いつもの行動をしているからです。

    スリンキードッグは本物の犬のように、気持ちがいいとしっぽを振って応えいます。

    ジェシーはカウガールとしていつも陽気でアクティブに活動していますし、ブルズアイも基本、馬としての行動をとっています。

    またレックスも性格的には多少、見た目と違うところもありますが、恐竜としての行動を取る場面が描写されていました。

このように、自分たちがおもちゃだ、と認識していたとしても、おもちゃとして作られたモデルの行動パターンに沿う形で動いていることがわかります。

実際、バズ・ライトイヤーも自分がおもちゃだと認識したあとも、スペースレンジャーというアイデンティティから逸れることのない言動を続けていました。

で、フォーキーですが、映画をみてご存知のとおり、ウッディによってゴミ箱から拾い出されたもので作られたおもちゃです。そう、つまりゴミだったわけです。

ですから、おもちゃとして動けるようになっても、ゴミであったそのアイデンティティから抜け出せず、つねにゴミ箱を探しているような存在になってしまったのでした。

ファーキーはゴミ?おもちゃ?

ではフォーキーはゴミなのでしょうか?おもちゃなのでしょうか?

それを分ける境目は、

    子供たちがその玩具に寄せる好奇心とおもちゃとしての愛情

そして、ピクサー作品の世界で、外でも見られた、

    人間が覚えている思い出

というエネルギーになります。


「インサイド・ヘッド」ではライリーの心の中でビンボンが、ライリーによって完全に忘れ去られてしまったために、存在が消滅してしまう、悲しいシーンが有りました。

また「リメンバー・ミー」でも死者の国で死者が2度めの死を迎えるのは、その死者の思い出を持つ生きている人がいなくなったとき、として描かれています。


この「持ち主との思い出」という、強力なエネルギーがトイ・ストーリーの世界の中で、おもちゃたちにとても強い影響力を与えることになるのです。

思い出が強ければ強いほど、おもちゃとして力強く動くことができる様に描かれていますし、逆に忘れ去られているおもちゃ、例えば「トイ・ストーリー2」のウィージーは、壊れたまま忘れ去られていたためか、病に冒されていました。

このように持ち主がその玩具に持つ思い出の強弱がそのまま、おもちゃのエネルギーになっているようです。

ウッディがウッディであることの理由

トイ・ストーリー4では、ウッディはまったくそれまでと違う立場になっていました。

アンディのおもちゃだったときは、アンディの一番のお気に入りでしたが、ボニーのお気に入りはジェシーとなっており、ウッディは一緒に遊んでもらえない日が続いていました。

そんな中でウッディがボニーのおもちゃとして彼女のためになにかできることは、と考えた末、彼女の一番のお気に入りであるフォーキーに何も起こらないように見守るという存在意義を見出します。

実はこの存在意義も、「持ち主の思い出」が強く影響したことによる結果でした。

ウッディに一番大きな影響力を与えた持ち主はアンディであることは疑う余地はないでしょう。

アンディがおもちゃを大切に、いつも愛情を注いで一緒に遊んでいたことは1~3の作品を見れば、容易に感じることができると思います。

そして「トイ・ストーリー3」のラストでは、アンディは彼のおもちゃをボニーにあげています。

特にウッディを譲る際には、一度無意識的に拒否してしまいそうになったほど、愛着が強いことが描写されていました。

しかしアンディは、おもちゃにとっていちばん大切なことは、子供と一緒に遊ぶことだと理解していたこともあり、ウッディをボニーに譲る決断をします。

つまり、

    おもちゃは子供のためのもの

というアンディの思いをウッディもつよく受け継いでおり、その理由は「アンディが持つウッディとの思い出」に帰依しているわけです。

さらに成長したウッディ

トイ・ストーリー4では「心の声に従う」というシーンが出てきました。

ウッディがバズにしたアドバイスで、困ったときには「心の声を聞いて、それに従って行動したらいい」というものです。

実際にはバズは内蔵されたレコードが発する言葉に沿って行動をし、幸運にも全てうまくいく形でハッピーエンドを迎える、というジョークなのですが、ここでとても興味深い対比が出てきたことに気が付きました。

というのも、ウッディは自分のレコードをギャビーギャビーに譲るために諦めてしまうのです。

レコードはつまり事前にプログラムされたもので、録音されている以上のことは発しません。

つまり、「レコードを持っている」ということは、「自分で自分の限界を決めつけている」という暗示にも取れるわけです。

そしてウッディはギャビーギャビーに譲る形で、レコードを自ら放棄した。

つまり自分で決めた限界を自分の手で放棄した、と取れなくもないのです。

だからこそ、エンディングでボー・ピープとともにまったく想像もつかない、未知の世界へ旅立つ決心をし、それまでの仲間と別れることができたのかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

    なぜフォーキーが動き出せるようになったのか?

の問いからおもちゃとしての行動パターンの背景、そしてウッディがとったラストの行動の理由まで話が広がっていってしまいました。

トイ・ストーリー4はこれまでのトイ・ストーリー1~3とはかなり毛色の違った映画となっています。

これまでのシリーズの続編、というよりは全く新しいシリーズのオープニングとした方がいいような、そんな話になっていました。

これでおしまい、となっているそうですが、それでは尻切れトンボのような、そんな気がします。

続編を期待している自分がいますが、いっその事タイトルを変更したほうがいいのでは、そんな気にもなっているのでした。


最後に、ピクサー作品の世界は実は全てつながっており、まったく同じ世界で起こっている出来事、という都市伝説があります。

思い出がおもちゃにとってとても強いエネルギーになっていることも、この都市伝説を証明するものの一つだとみることもできますね。

ほかにもトイ・ストーリーシリーズが他の作品とつながりがあるのでは、と思わずにはいられない描写が発見されています。特に「カールじいさんの空飛ぶ家」とは強いつながりがあるように思われます。

そのことを詳しく紹介している記事もありますので、よかったら見てみてください。


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