映画バーニングオーシャンのネタバレ感想とあらすじ!事故の被害はまだ続いている?

映画

ネタバレ感想 1 北米最大のオイル関連事故

北米最大の石油事故であるディープウォーターホライゾン爆発事故は、ほかの大事故が
そうであるように幾つもの人為的事故が重なっておきた大惨事でした。

事故が起きる時点でプラットフォームには390のもおよぶ大小の故障が起こっており、
通信システムが作動せずに、電話でのコミュニケーションが取れないというものまであった
事がわかっています。

当初の計画より43日間遅れており、その遅れに比例するように予算超過も膨らんでいました。
それに焦ったBP社員が正規の作業員によるしなくてはならないテストを実行せず、代わりに
行った簡易テストで出ていた疑問に思うべき結果にも、計器の故障による間違った結果の
表示であるという、自信に都合の良い解釈をして作業を強行。結果、取り返しのつかない
ところまで事態は進み、プラットフォームの爆発炎上の上、沈没という最悪の結末を迎えた
のでした。

事故当時プラットフォームで働いていた作業員は126名、その内無事に生還したのは115名で
犠牲者は11名。事故の規模からいって犠牲者がそれだけで済んだ、と言っていいのか、11名も
の尊い命が犠牲になったと言ったほうがいいのかはわかりません。

人的損害もそうですが、その後の環境に影響を与える損害のほうがひどかったことでも有名で、
海中のパイプから勢いよく噴出している原油の映像は見られた方も多いと思います。

環境問題についてアメリカ連邦政府や5つの州政府、そして400を超える地方自治体との間
2.3兆円の支払いで和解したとことが2015年の7月に報じられていますが、これによって
BPに対するダメージも大きく、原油生産量は半分以下に落ち込んだそうです。

いくら計画の遅れで赤字が出るからといって無理させた結果が、この支払いではまったく
もって割に合わないですね。

映画で無茶をさせたBP社員として描かれているドナルドとロバートは殺人罪の起訴は取り
下げられましたが、BPに対してこれほどの支出を強いる結果を生み出してしまったわけですし、
11名の犠牲者まで出ていますので、これまでの生活を送っているとは到底思えません。

一応パイプからの原油の流出は止めることができたとなっていますが、今後、環境に
影響を及ぼす問題がまだまだ出てくる可能性もあり、BPの責任はまだ終わっていな
という恐ろしい事態となっています。




ネタバレ感想 2 撮影とは思えないほどの迫力が伝わる映像

映画ですので、撮影はその時に起こったことを再現させています。その際に俳優はもちろん、
スタッフの安全は絶対で、それをキチンと守った上で、映像はまるで本物のような出来上がり
になっている必要があるのですが、その期待に見事に応えた素晴らしい映画でした。

この時代、CGの発達でほぼなんでもできると言っても過言ではない程ですが、この撮影に
際し、監督はプラットフォームを1基作り上げて撮影に望んでいます。
もちろんサイズはミニチュア版で、全部を作り上げたわけではありませんが、それでも
撮影に156億ものお金がかかっています。

流石にアカデミーの視覚効果賞にノミネートされただけの作品だと関心しました。

ネタバレ感想 3 人はどこまで愚かになれるのか?

実話を元にした映画でストーリーには驚くべき仕掛けもなく、進んでいきます。
しかしこの手の大事故は起こる前には予想にもしないくらい平和な時間が流れていて、
そこにいる人達もなんらいつもと変わらない日常だけを予想しています。

それが、一度線を超えてしまうと、どんなに頑張ってももう取り返しのつかない事態
なってしまいます。
それは普段からの当たり前の安全基準を守っていれば起きることのない惨事ですが、
こういった事故が起きるときは気が付かないような、または気がついても無視して
なんとかなる程度の小さなズレが重なりに重なっておこってしまうものなのですね。

映画の中では詳しく描かれず、会話だけで済まされいましたが、本当ならやってないと
いけないテストをせずに、簡易テストで済ませてしまう。その結果として示された計器
の数値を都合の良い用に解釈してすすめる。そこかしこに壊れたままのシステムがある
ため、都合の悪い結果は、故障によって引き起こされたと考えるのも、まさに自分の
都合しか考えていない証拠にほかありません。

マイクが自宅でコーラ缶で実験した結果に起こった噴射が、油田とプラットホーム規模で
おきただけの話です。
しかし実際はコーラが吹きこぼれただけではすみません。爆発、炎上、沈没、原油の流出と
長期に渡って被害を出していくのですが、おそらくそれが起こる前はだれもそんなことが
起こるとは想像もしていなかったのでしょう。

便利だからという理由でなんでもおこなることができるようにはなっていますが、常に
そこに潜むリスクを考えておかないといけない、そのためにはたとえ小さいものでも、
いえ、小さいからこそ、発見したらすぐに目を摘んでおかなくてはリスクはどんどんと
大きくなっていくのだ、ということを再認識させてくれた映画でした。










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