映画アイムノットシリアルキラーのネタバレ感想とあらすじ!ラスト結末の怪物は?

映画

ネタバレ感想 1 ミステリー風で始まるが、犯人探しの映画ではない

「アメリカの中西部にある小さな町で猟奇遺体が見つかり、遺体が主人公ジョンの葬儀屋へ
運ばれてくる。その遺体は激しく毀損され、腎臓と左腕がなくなっていた…。」

そんな始まりをするストーリーに思わず、ミステリー的な作品を期待してしまいましたが、
実際はミステリーではなかったので、少しがっかりしました。

精神病質者と診断されて死体や殺人、シリアルキラーに興味のある青年のジョンが実際に
シリアルキラーと対峙してしまったとき、どういう心理状態になり、どう行動するのか
にも多少興味を持ちましたが、思いの外、普通の行動を取ったように思います。

それだけ、ジョンは精神病質者ではあっても、異常者ではなかったのかもしれません。

しかし、ジョンがビルの最愛の妻、ケイを、寝室で寝ている間にしたかったことが何なのか、
映画を見ているだけではわかりませんでした。

映画の視聴後に調べてみたところ、ケイをいつでも襲えるという脅迫でもってビルの凶行を
止めようとしたのでは、という解説がありましたが、それにしては、あまり深く考えての
行動ではないような、気がします。

実際にケイを起こしてしまい、パニックで殴って殺してしまったと思うところがまさに
そうで、効果的な偽装写真を撮るだけであれば、具体的にどのような絵にして撮るかを
考え、それができるように小道具を用意して来るべきでしょう。

なにはともあれ、シリアルキラーが殺人を犯した現場に居合わせながら、それを止めようと
行動するのは良いのですが、精神病質者と診断された青年が取る行動としては普通すぎる
ような気がしないでもありません。

また、自分のセラピストまでも殺されたことで復讐心が芽生えるところなども普通の
リアクションで、精神病質者という設定はどうなった?と思わなくもありませんでした。

特に、友達の父親が犠牲者になった場面で、何も感じない(と言いながらかなりフラスト
レーション貯めた風で母親に刃物を向けるとこなど、何も感じないとは思えないながらも)
と言っていたにも関わらず、です。

死体や殺人、シリアルキラーに興味があると言われながらも、死体を物としてみることが
できず、人として見ることができるようになっていったことは、映画が進むに連れての
ジョンの心の中の変化ということで、見とることができた様な気がします。

だからこそ、題名が「アイム・ノット・シリアルキラー」なのかもしれません。




ネタバレ感想 2 犯人のシリアルキラーは人間ではない?!

犯人のビル・クローリーは殺人を犯し続けてきていますが、人間ではなく、モンスターか
デーモンということで、人間の姿をとどめておくために殺人を犯して内臓器官を死体から
奪っている、という設定になっています。

それも最愛の妻、ケイと一緒にいるためなのですが、果たしてこの存在がシリアルキラーと
言えるのか、ということにちょっと疑問を持ちました。

人間でない以上、シリアルキラーにあたるのか、という疑問が出てきてしまうのです。

シリアルキラーであるための定義は「殺人をしたいために人を殺す」ということらしい
のですが、ビルが人を殺すのは、人としても姿を保つために必要な体の一部を奪うため、
のようですので、「殺人をしたいから」という理由ではないように思えるのです。

それは、動物が生きていくために他の動物を捕まえて食べる、という行動にもつながる
ものだと思われ、となれば、シリアルキラーであるとは言えないのではないでしょうか。

にしても、泥の怪物のような姿を最後に表しますが、それが一体何を象徴しているのか、
今ひとつ解りかねています。

また、作中でも今まで数え切れないほどの凶行を重ねてきた、というビルのセリフから、
人間の姿をとどめておくためにかなりの頻度で臓器や肢体の取替をしなくてはならない
のであろうと思われますが、今までは殺人が表に出ることは少なかったようです。

遠出をして済ませてきたかもしれませんが、少なくとも、同じ街の中で殺人を繰り返し
行なってきたようではありません。

それが、ここに来て連続で4人、しかも死体をそのままに放置しておく無造作は一体
どうしてしまったのだろうと、思わず突っ込みたくなってしまいます。

ネタバレ感想 3 死体を人として見ることができるか

シリアルキラーであるための要素の一つに人を人と思っていない、というものがあるそう
です。
つまり、人を物とみて自分の欲求や必要とすることの対象として使用する、と。

ジョンは精神病質者と診察され、人を人と思わない部分がありました。ですから、ジョンに
絡むロブに対して体を切り開いて中を見てみることを想像している、といって脅しますが、
多分に本気も少しは混じっていると思います。

それがセラピストのグラント・ネブリンが、ジョンのことを心配して早朝暗いうちに
寝間着の上にナイトガウンを羽織っただけの姿で、ジョンを探している最中にビルの犠牲に
なってしまったことに強い憤りを感じていました。

その瞬間にはジョンは普通の人のように人の死を悲しいものと感じる事ができていました。
ある意味、グラントは自分の命と引き換えにジョンを正常な道に戻すことに成功した
のではと思える瞬間でもありました。










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