映画素敵な遺産相続のネタバレ感想とあらすじ!現実を感じさせる終活と作り話感満載のリゾートハプニング

映画

ネタバレ感想 1 旦那と突然死に別れ、途方に暮れるエヴァ

映画の始まりはお葬式のシーンからです。
主人公のエヴァの夫が病気で急死してしまいますが、僕にも年老いた両親がいるので、
ちょっと他人事ではないな、と思いながら見ていました。

特に年を取ってから、元気にしていた人が風邪を引いたと思っていたら、数日後には肺炎で
入院。そのまま帰らぬ人になるというニュースも珍しくありません。

実際、知り合いにもそうして亡くなった方がいらっしゃるので他人事ではありませんし、
いつその時が来ても良いような心構えは必要なのかな、と思える瞬間でした。

次いで面白かったのが、葬式での挨拶に対して愚痴を言うエヴァ。

直訳すれば、「よりよい場所に行ったのでしょう」という英語で日本語訳すると「安らかに
眠っている」というところでしょうか。

夫が今どこでどうしていて何を感じているか、知りようもないのに、ただ気休めの決まり
文句を繰り返す、過去に何処かであったことのあるけど、名前も覚えていない客に対して
うんざりしているのが、おもしろいなぁと。

親友のマディーが言うように適当に相槌をうっていれば、その場は丸く収まるのでしょうが、
逆に真剣に対応していない、そっちのほうが失礼だと言えると思います。

更に踏み込んで考えると、決まり文句を言い続ける弔問客も実際はそこまで感情をいれての
発言ではないのでしょうね。

もう一つは直訳すれば、「とても勇気がある」ですが、日本語訳では「しっかりと式を
執り行っている」とでも言えばいいかと思います。

しかしエヴァの本心としてはその後の生活がどうなってしまうのか、急な変化に対して
用意ができているようには見えません。

夫の急死に式の手配など、やらなくてはならないことに追い掛け回されて哀しみにくれる
暇がないだけ、という気もしないでもありません。

それを象徴するのが、式が全て終わって、夜に一人自宅にいるシーン。それまでの騒がしさ
が遠い昔のように、静けさの中で一人ぼっち。

いつもは夫と一緒に寝ていたベッドがやけに大きく見えるのも哀しみを誘います。




ネタバレ感想 2 アメリカにも老後問題が。一人になった年老いた親への接し方は?

心配する娘とのやり取りも、面白おかしく描かれていますが、実際問題として良い解決策の
ない事が多い、大きなものでしょう。

葬式の最中、埋葬も終わっていない時点で、今後のことを心配する娘のクリステル。
年老いた母を一人で住まわせておくのは心配だけど、住み込むわけにもいかず、引き取る
わけにもいきません。

日本でも一人残された老人が孤独死で、死後数日とか数週間で発見されるというニュースが
あります。

そうでなくても田舎に残された老人は今更都会で暮らせず、子供達も自身の生活が都会の
ペースで既に確立しており、なかなかそれを捨てて田舎に引っ込むわけにもいきません。
第一、田舎では仕事が無いという問題もあります。

それだからこそ、葬式の最中でも話題として上がってこざるをえないのでしょう。

こちらは式の後に通夜のような皆で集まる時間がありますが、映画ではそこに不動産業者
を連れ込んで、自宅を売却し、その利益で老後を暮らしていくようにすれば、なんて話を
娘がしています。

こんな場所に連れてくるのは映画内だけの笑い話である部分が大きいですが、あながち
非現実的な話ではありません。

その後にかつての教え子がやってきて、やはり妻に先立たれた父親とエヴァの中を取り
持とうとします。

これまたコメディ映画なので面白おかしく演出していますが、実際問題、残された老人が
その後の人生を楽しく生きていくことはとても重要
ですし、その為に第二の恋愛をする
こともなんら、悪いことではない
と思います。

昔のように家族の絆が強ければ、一人残された親も寂しい思いをすることは少なかった
のかもしれませんが、家族の付き合い方が劇的に変わってきた今日、老人同士の交流の
場がもっと必要になるのでしょう。

ネタバレ感想 3 アメリカのお客様対応を風刺。

5百万の生命保険金の受取のはずが、保険会社の手違いで5億の小切手が送られてきて
しまいます。

ここで少しツッコむとすると、映画のタイトルは「素敵な遺産相続」ですが、実際は
「素敵な生命保険金」であるはずです。保険金は遺産ではなく、エヴァが受取人として
登録されているはずですから。

そんなツッコミはさておき、アメリカだけでなく、カナダを含めた北米は住んでいる場所に
会社のオフィスがあるとは限りません。特に都会ならまだしも、隣近所まで数キロみたいな
田舎ではまず、ありえません。

しかも近年、経費節約のため、オフィスの統合が進み、問い合わせは全て電話になっています。
そこでも経費節約のため、コンピューターによるダイヤル入力方式を採用して、的確に
担当者につなげるようにしていますが、やはりコンピューターですので融通がきかない
場合が多くあります。

また、問い合わせボリュームに対して対応担当者の数が少ないと、延々と待たされることも
珍しくなく、待ち時間が1時間を超えることも驚くほどでもありません。

それを逆手に取って、保険会社の手違いを直すために連絡しているエヴァとマディーが、
見ている方でさえイライラするほど、あれだけ待たされた挙句に電話を切られたら、
ネコババしてやろうとか、向こうから問い合わせが来てから返そう、とか思っても人情と
して理解してしまいます。

でも、そこまで人の悪い二人ではないので、誰から見ても明らかに挙動不審な振る舞い
銀行内で繰り広げてしまいますが、それがとてもおもしろおかしかったです。

ネタバレ感想 4 リゾート地に行ってからはそれほどおかしく感じなかった

後半は北アフリカのリゾート地、スペイン領のカナリア諸島へバカンスにいくのですが、
二人のロマンスを見てもそれほど面白いと思いませんでした。

エヴァの相手は明らかに怪しげな老紳士。マディーは若いツバメをゲット。
展開がお決まりという感じがして、しかも普段持ち慣れていない大金を持った人が犯す
過ちを地で行っているのが、不快に感じる
ほど。

やはり騙されてお金を巻き上げられますが、それを取り戻すとなんの計画もなく乗り込んで
いくところが無謀すぎますし、問題が解決する理由も「そんなオチ?」とあまり納得
できませんでした。

そんな中で二人を追いかける保険会社社員アルバン扮するハワード・ヘスマンのキャラが
立っていて唯一面白かった
かなと。

重要な任務を与えられた、と言うより無理やり押し付けられたのですが、威厳も厳しさも
全く感じず、すぐに話がそれる会話も良かったです。

ただ、最後にアルバンとエヴァが付き合う事になっていましたが、映画内でそうなる理由も
伏線も張られていないのがちょっとな、と思いました。










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