映画「ハクソーリッジ」は第二次世界大戦の沖縄戦での実話を元にしたお話です。
主人公のデズモンドは戦争で誰一人殺すことなく、多くの負傷兵を助けた功績で良心的
兵役拒否者としてはじめて名誉勲章を与えられました。
映画は、激戦の壮絶さ、悲惨さを十分に伝える迫力ある映像と、デズモンドの人間味
あふれる行動が素晴らしいコントラストで描かれていました。
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キャストの紹介
デズモンド・ドス: アンドリュー・ガーッフィールド
信仰するキリスト教の一派、セブンスデー・アドベンチストの教えを守り、兵士に
志願しながら武器を携帯することを拒否し、衛生兵として前線に従軍する。
グローバー大尉: サム・ワーシントン
デズモンドの上官。訓練時はデズモンドの考えを否定していた。
スミティ・ブレイシー: ルーク・ブレイシー
デズモンドと同じ隊の志願兵。デズモンドと訓練で張り合う。
ドロシー・シュッテ: テリーサ・パーマー
デズモンドの恋人で看護婦。後に二人は結婚する。
トム・ドス: ヒューゴ・ウィービング
デズモンドの父親。第一次世界大戦の帰還兵で心に傷を負い、村で変わり者扱いされている。
ネタバレあらすじ
アメリカのバージニア州で両親と弟のハロルドの4人家族で育ったデズモンドは、どこに
でもいる元気な少年でしたが、父親のトムは第一次世界大戦でフランスに従軍した元兵士で、
心に傷を負い、酒びたりで町の人達から変わり者と後ろ指をさされていました。
ある日デズモンドとハロルドが取っ組み合いの喧嘩をしていましたが、父親のトムはとめる
どころか、喧嘩の仕方を兄弟にアドバイスする始末。
しかし喧嘩はエスカレートし、デズモンドは落ちていたレンガでハロルドを強打して
しまいます。
運良く、大事には至りませんでしたが、この出来事がデズモンドの信仰に対する強い信念
の源となります。
大人になったデズモンドはふとしたきっかけで病院で看護婦として働くドロシーと知り合い
ます。二人は恋に落ち、楽しい毎日を過ごしますが、第二次世界大戦の状況は激しさを増し、
ハロルドを始め、若者は兵士として次々と戦地へ志願していくのでした。
元々医者になりたかったデズモンドは信仰の教え、「汝、殺すなかれ」から、衛生兵として
国のために尽くすことができると考え、陸軍に志願します。
軍に入る前に、ドロシーと結婚の約束をしてから。
部隊に配属され、ハウエル軍曹の元、厳しい訓練が始まりますが、デズモンドは体力では
好成績を残します。
しかし狙撃訓練に入ると、信仰を理由に銃を手に取ろうとしません。ハウエル軍曹は
もちろん、上官のグローヴァー大尉からも命令に従えないのであれば、除隊するように
言われますが、断固として軍から去ろうとはしません。
仲間の兵士から嫌がらせやいじめ、暴行を加えられますが、デズモンドは頑なに彼の方法で
国に尽くす決意をひるがえすことはありませんでした。
訓練が終わり、正式な階級として陸軍に従軍できる日、デズモンドは重火器の扱いについて
の過程が終わっていないことを理由に、訓練終了の認定がされません。それどころか上官の
命令に違反した罪で軍法会議にかけられることとなり、牢屋に入れられるのでした。
教会で花嫁として待つドロシーはそんなことになっているとは全く知らず、ただ、待ち
続けていました。
ドロシーは基地に出向き、デズモンドと面会を果たします。
現状の打開策としてドロシーはデズモンドに、牢屋から出るために銃を手にして必要な
訓練を受け、戦場で人を殺めなければ良いのでは、と進言しますが、デズモンドは、自分を
偽って生きるより、信念を貫き通す生き方をしたい、と返事します。
デズモンドの覚悟に、何があっても愛し続ける、とドロシーは心打たれるのでした。
軍法会議でデズモンドは自分の主張をはっきりと言い切ります。「人を助けることで、
国に尽くす方法があるはずだ」と。
息子の窮地にトムはかつての上官に掛け合い、その口添えをもらうことに成功します。
デズモンドの確固たる信念と、トムの尽力による助けでデズモンドは衛生兵として武器を
一切携帯せずに、前線に出ることが許されるのでした。
1945年5月に沖縄に派遣されたデズモンドが所属する第77師団。そこには先発部隊が6回
攻撃を掛け、6回とも撃退された激戦地、「ハクソー・リッジ」でした。
150メートルの絶壁を登った先に陣取る日本軍陣地を占拠・突破することが任務となるの
ですが、支援海軍に艦砲射撃が終わったあと、絶壁をよじ登った部隊は、砂塵のために
視界の悪い中、ゆっくりと前進を始めます。
次の瞬間、敵の攻撃が雨のように繰り出され、防戦一方になるアメリカ軍。
瞬く間にそこかしこに負傷兵が横たわりますが、彼らを救うべ降り注ぐ銃弾の中をデズ
モンドは駆け回ります。
負傷した兵士一人を後方に下げては、前線に戻り、別の兵士を助けるデズモンド。時には
手がつけられないほどの重傷をおって、他の衛生兵が尻込みするような兵士も助けます。
なんとか昼の戦闘は持ちこたえ、夜は丘の上で休息をする第77師団でしたが、早朝から
日本軍の反撃が開始され、その激しさにてったいをよぎなくされます。
命ある兵士は我先に崖下へと逃げ出し、負傷兵のことなどかまっていられる余裕はあり
ませんでした。
しかし、デズモンドは一人前線に残り、負傷して動けない兵士を見つけては崖の下へおろ
していきます。
ときに、見回りの日本兵をやり過ごすために死体のふりをしたりしてやり過ごし、友軍の
兵士だけでなく、息のある敵兵である日本兵も崖下の送り届けるのでした。
夜を徹して救出を続け、翌朝になって足を負傷したハウエル軍曹を見つけます。
運悪く砂煙も落ち着いて視界が晴れ、日本軍兵士がこちらにやってくるのが、目に入り
ました。隠れて崖下へ行くことは不可能になったことに気がついた二人は、一か八かの
賭けに出て、崖下まで走り初めます。
負傷したハウエル軍曹が迫り来る日本兵を倒し、なんとかふたりとも、崖下に無事降りる
事ができたのでした。
後方の前線基地では、一人残ったデズモンドが多くの負傷兵を助けたことに気が付き始め
ます。その頃は誰もがデズモンドを異なった目で見るようになっていました。
上官のクローヴァー大尉も彼を認め、謝罪をします。
デズモンドの勇敢な行動が、生き残った兵士に闘争心を呼び覚まさせることになりました。
翌日8回目の攻撃を行う予定にしていましたが、その日はデズモンドの教義では働いては
いけない安息日でした。
クローヴァー大尉はそのことを理解し、デズモンドに強制の出動命令は出していません。
ただ、デズモンドがいないのであれば、兵士隊の安心感は低いものになるだろうとだけ
付け加えました。
翌日、戦闘開始の時刻になっても8回目の攻撃は開始されていません。
兵士たちは皆、デズモンドの祈りが終わるのを待っていて、その終わりを合図に攻撃を
開始します。
またもや激戦が繰り広げられますが、勇気づけられたアメリカ軍は徐々に日本軍を押し
始め、ついには日本軍は降伏を申し出るのでした。
ただし、降伏を偽装した一部の兵士が、自爆テロを敢行、手榴弾のピンを外して投げつけ
てきます。
デズモンドがとっさに反応し、それらの爆弾を手足で遠くへはじき飛ばしますが、足で
蹴った手榴弾は至近距離で爆発、デズモンドは足に大怪我を負います。
仲間の信頼を勝ち取っていたデズモンドは心配する仲間によって後方に運ばれ、一命を
とりとめたのでした。
映画の最後に、戦争後のデズモンドについて説明が入ります。
ハクソーリッジの戦いで75名の負傷兵を救出したことで、良心的兵役拒否者としてはじめて
名誉勲章を与えられました。
アメリカに戻ってドロシーと幸せに暮らし、ドロシーは1991年になくなります。
デズモンド自身も2006年になくなっていますが、一緒にたたかった戦友たちへのインタ
ビューも交え、彼の功績をたたえて、映画は終了するのでした。
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