映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」では、過去のスパイダーマン・シリーズからスパイダーマンと死闘を繰り広げたヴィレンズ達5名が登場し、スパイダーマンと決戦を繰り広げます。
そんなヴィレンズ達が召喚された理由を見てみると、ドクターストレンジの魔法によって、なのですが、
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「スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであること」
を知っていないといけないことが映画内でドクターストレンジの口から語られていました。
ところがこれが召喚の条件であった場合、一人だけおかしいのでは、と思われるヴィレンがいます。
それはエレクトロ。
「アメイジング・スパイダーマン2」に登場するのですが、よくよく視聴してみるとエレクトロがスパイダーマンの正体に気が付いた描写はありません。
では一体、どうやって召喚されたのでしょうか?
今回はこの謎について、考察していきたいと思います。
映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でマルチバース間移動したキャラの条件
映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」では、マルチバースという設定を利用し、過去に制作された「ソニー・スパイダーマン」シリーズの登場人物たちを一つの作品に集める、という画期的な試みがなされました。
日本でもウルトラマンや仮面ライダーなど、ヒ-ローのもので以前のシリーズの主人公が今のシリーズに特別ゲストとして現れて助ける、など、よく使われる手法ではあります。
が、視聴者としてその瞬間に立ち会えると、子供心にかなり興奮度は上がったことを覚えていました。
というわけで、スパイダーマンでも同じような試みで映画が作られたわけですが、ストーリー上、過去作から登場したヴィレンズが、なぜやってこれたのかを説得力のある方法で説明しないといけません。
今回の映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」では、
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ドクターストレンジの魔法の副産物
、という方法が取られました。
魔法発動中にいろいろと注文を付け加えるピーターのせいで、ドクターストレンジが魔法発動に失敗した結果、ということになっています。
そして、その失敗の結果、
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・スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることを知っている
・恋人、親友、叔母以外の人物
という条件を満たすキャラクター達がマルチバースの時空を超えて召喚されることになったのです。
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ただし、今回の映画で登場した5名のヴィレンズのことを、実際に登場した過去作で確認すると疑問が生まれてしまうのでした。
というのも、エレクトロはスパイダーマンの正体を知らないままではないのか、という疑惑が表れてしまうからです。
エレクトロはスパイダーマンの正体を知っていたのか?
エレクトロはスパイダーマンの正体を知っていたのでしょうか?
「アメイジング・スパイダーマン2」を視聴していれば、この疑問に気が付くと思います。
もし見ていなかったとしても、今回の映画内で「おかしい」と気づくエレクトロのセリフがあるのでした。
それは、
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お前がピーターか?黒人だと思っていた。
というもの。
エレクトロがスパイダーマンの正体を知っていれば、発言されることのないセリフのはずです。
一体、このセリフはどうして発せられたのでしょうか?
「アメイジング・スパイダーマン2」の展開では
「アメイジング・スパイダーマン2」での展開を簡単にお話ししましょう。
エレクトロであるマックス・ディレンはスパイダーマンに対して強い執着心を示していますが、一貫してスパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることを知る機会はありません。
内気で友達のいないマックスはスパイダーマンに命を助けてもらったことで、スパイダーマンのことが気になって仕方がなくなります。
が、電気事故のため、エレクトロとなった後、再開したスパイダーマンが自分のことを覚えていなかったことに腹を立て、さらにはスパイダーマンがヒーローとして世間から認められるための自分を利用した、と逆恨みをします。
こうしてエレクトロはスパイダーマンのヴィレンとなるわけです。
アメイジング・スパイダーマンシリーズではピーターの父親がオズコープの科学者で、マックスもオズコープの電気技師であったということから、両者には薄い接点はありました。
が、マックスがスパイダーマンの正体がピーター・パーカーであると気が付くことになる出来事は、全くなかったのです。
ピーター・パーカー=スパイダーマンは知っていた
では、エレクトロはスパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることをずっと知らなかったのでしょうか?
もし、知らないままだとしたら、今回、エレクトロが「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」に登場したことは矛盾してしまいます。
そこで、よくよく「アメイジング・スパイダーマン2」を見返してみると、とあることに気が付きました。
それは、
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スパイダーマンの名前がピーターであること
を知っていたという事実です。
エレクトロとの最後の決戦の最中、グウェンがパトカーに乗って現れ、エレクトロに車をぶつけてスパイダーマンを助けます。
この衝撃でエレクトロは気絶し、スパイダーマンとグウェンは対エレクトロの作戦を相談する時間を得るのですが、その際の会話で、グウェンはスパイダーマンに対し、「ピーター」と叫ぶシーンがありました。
そしてその叫び声を合図とするかのように、エレクトロは正気を取り戻します。
つまり、エレクトロはスパイダーマンの名前がピーターであることを知った可能性がある、ということなのでした。
ピーター・パーカーは知らなかった
では「ピーター」を「ピーター・パーカー」と結びつけることができたのは、どうしてでしょうか?
その鍵は、「アメイジング・スパイダーマン2」で登場するハリー・オズボーンです。
「アメイジング・スパイダーマン」ではピーターの旧友であるハリーが、不治の病を克服するために蜘蛛の毒素を使って治療しようとします。
が、毒素の影響で精神が蝕まれ、グリーンゴブリンとして自分の欲望のみを満たす狂気のヴィレンとなってしまうのでした。
蜘蛛の毒素を手に入れる過程でスパイダーマンに恨みを持っていたことから、エレクトロをそそのかし、二人でスパイダーマンを倒そうとします。
その際、映画では描写はありませんでしたが、エレクトロに対し、ハリーがその時点で知っているスパイダーマンの情報を渡した可能性は高いといえるでしょう。
そして、この時点でスパイダーマンとピーター・パーカーに関する、ハリーが知っている情報というのは、スパイダーマンの写真をピーターが撮影して新聞社に提供しているということでした。
この件をエレクトロに伝えていれば、ピーター・パーカーという名前をエレクトロが知っていることになり、その後のスパイダーマンとの戦闘の最中、グウェンがスパイダーマンに対し、ピーターと呼びかけるのを聞きつけたことで、スパイダーマンの正体がピーター・パーカーでは、と結びつけたと考えられます。
しかし一方で、エレクトロはピーター・パーカーと面識はなく、どういった外見をしているのかは知らない、という状況が生まれることになりました。
このため、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で初めてスパイダーマンの素顔を見る機会を得、「黒人だと思っていた」というセリフを吐くことが可能になるわけです。
一方でこの一言はスパイダーマン・シリーズの中で唯一アニメーション作品として公開されている「スパイダーマン:スパイダーバース」を意識したパロディ、ととらえることもできるとおもいました。
エレクトロが登場できた理由のまとめ
映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で登場した5人のヴィレンズの中で、エレクトロのみ、初登場となったオリジナル映画「アメイジング・スパイダーマン2」でスパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることを知らなかったのでは、という疑惑があることを説明しました。
ドクターストレンジの魔法によって召喚されたヴィレンズは、
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「スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであること」
を知らないと召喚されません。
しかし知らないはずのエレクトロが召喚されて登場している以上、知っていないといけないことになります。
そこで「アメイジング・スパイダーマン2」でどのように描かれているか、を詳細に調べた結果、映画では直接語られていないものの、スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることに気が付く一本の細い線を見つけ出すことに成功しました。
しかもこの通りであれば、エレクトロが「スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであること」に気が付きつつ、素顔を見た時に吐いたセリフ、「黒人だと思っていた」が不自然でないことも納得がいきます。
もしよろしければ、「アメイジング・スパイダーマン2」を視聴して、確認いただくと面白いかもしれませんね。
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