映画パワーオブザドッグのあらすじをネタバレ有で分かりやすく解説!

あらすじ

映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」は1967年に発表された同名の小説を映画化したアメリカ西部劇を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマです

今ほど世界が広くなく、限られた小さな世界が星の数ほど、そこかしこにあった時代。

そんな時代でも新しい価値というものが緩やかに流れ込もうとし、今までの価値とぶつかって人知れず激しく格闘しているのは、西部劇の世界でも同じでした。

典型的な西部の男フィルを中心に、そんな出来事を具体的に映像化した映画と言えるのではないでしょうか。


今回はこの映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の基本情報や予告動画や登場人物情報、そして映画のあらすじを分かりやすく紹介していきます。










映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の基本情報

それでは映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の詳細あらすじを紹介する前に、映画の基本情報と予告動画、そして登場人物の紹介をしておきます。


映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の基本情報と予告動画

「ピアノ・レッスン」で女性監督として初のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したニュージーランド出身の名匠ジェーン・カンピオンが、ベネディクト・カンバーバッチを主演に迎え、1920年代のアメリカ・モンタナ州を舞台に、無慈悲な牧場主と彼を取り巻く人々との緊迫した関係を描いた人間ドラマ。


大牧場主のフィル・バーバンクと弟ジョージの兄弟は、地元の未亡人ローズとその息子ピーターと出会う。

ジョージはローズの心を慰め、やがて彼女と結婚して家に迎え入れることになる。

そのことをよく思わないフィルは、2人に対して残酷で執拗な攻撃を仕かけていく。

しかし、とある事件をきっかけに、残忍な性格のフィルの中にも、人を愛することへの可能性が芽生えていく。


フィル役をカンバーバッチが演じ、ローズ役で「メランコリア」「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」のキルステン・ダンスト、ジョージ役で「アイリッシュマン」「もう終わりにしよう。」のジェシー・プレモンスが共演。

2021年・第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。
引用:映画ドットコム





映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の登場人物紹介

続いて登場人物紹介です。

フィル・バーバンク

弟のジョージとともに大牧場を経営する牧場主。

典型的ななんでもできる西部の男が、彼が認めない異物が家族に入り込んできたことで翻弄されることになる。


演じるのはベネディクト・カンバーバッチ

ローズ・ゴードン

10代の息子を持つ未亡人。

フィルの弟ジョージに見初められて結婚し、バーバンク牧場に住むようになったことでフィルのいじめにあってしまう。


演じるのはキルスティン・ダンスト

ジョージ・バーバンク

フィルの弟。

兄に似ず、不器用ではあるが誠実で正直な男性。


演じるのはジェシー・プレモンス

ピーター・ゴードン

ローズと前夫との息子。

女性的な趣向を持ち、そのことでフィルに馬鹿にされるが、やがてフィルと親密になっていく。


演じるのはコディ・スミット=マクフィー







映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」ネタバレあらすじを分かりやすく解説

それでは映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のネタバレ有のあらすじを分かりやすくお届けします。

起・フィルとジョージのバーバンク兄弟とローズと息子のピーター

1925年、モンタナ州。

この地で経営しているフィルとジョージのバーバンク兄弟が経営している牧場がありました。

兄のフィルはイェール大学を出たエリートでラテン語に精通し、楽器を弾き、新聞に目を通して読書もする超インテリ

しかし一方で、口は悪く先住民族や移民を差別し、そして激しい女性蔑視の行動も目立ちます。

一方で弟のジョージはまじめで誠実でしたが、不器用でどちらかといえばフィルの足手まといという存在でした。


そんな彼らが、雇っているカーボーイとともに牛を出荷するために町にまで出向くことになりました。

そこで夕食を取るために訪れたレストランで、未亡人でオーナーであるローズ・ゴードンが対応します。

心の優しいジョージはすぐにローズに惹かれてしまうのでした。


一方、男性至上主義、それも有能な男性しか認めないフィルは、母親を手伝っているローズの息子ピーターをみて、彼のなよっとした外観や女性的な行動を仲間とともに嘲笑します。

彼にとってみれば、ピーターのような若者は立派な男性とは認められないのでした。

承・ジョージとローズの結婚に対するフィルの反応

ところがフィルに取って驚いたことに、ジョージがローズと結婚すると言い出しました。

フィルとジョージ達が食事をした夜、フィルがピーターをからかって笑いものにした結果、ピーターが起こって店の手伝いを止め、外に出て行ってしまいました。

そのことでローズが傷付いて泣いていたのをジョージが慰め、それ以来、ジョージはローズのもとに通うことになるのですが、その結果、二人は結ばれることになったのです


そして本当に二人は結婚し、バーバンク牧場に引っ越してきて一緒に生活をし始めてしまいます。

ピーターは、というとジョージのお金で大学に進学することになり、学校の寮に入ることになります。
大学では医学、それも外科を専攻することになったのでした。


そんな様子を見て、フィルはローズにジョージが騙されて、お金目当てで結婚しただけだと思い込みます。

フィルに対して義兄さんとあいさつするローズに、はっきりと「兄と呼ぶな」と言い放つのでした。


フィルはジョージとローズが夫婦生活を始めたことでストレスを貯めていきます。

そんなフィルを見て、ローズはそのことを敏感に察知し、ビクビクとした生活を送るようになるのでした。


そんな折、ジョージが知事と彼の両親を招いての食事会をすることにします。

そして彼はかつて公共の場でピアノを弾いていた経験のあるローズに曲を披露するようにお願いするのでした。


しかしローズは自身のピアノの腕を全く信用しておらず、いやいやながら引き受けることになります。

ローズは食事会に間に合うように、ピアノの練習をするのですがなかなかうまく弾くことができません。

が、そんな時、いつの間にか帰ってきて二階の部屋に戻ったフィルが、ローズと同じ曲をバンジョーで完璧に演奏していることに気が付きます。

ローズはこのフィルの当てつけに、練習を切り上げて逃げ出すことしかできませんでした。


知事と両親との夕食会の日になります。

ローズは終始、緊張で硬い表情のままでした。

ジョージはフィルが現れないことをいぶかしがります。

そして様子を見に行くとフィルは納屋におり、前日ジョージがフィルにきちんと風呂に入って汗を流し、さっぱりとした恰好で食事会に参加してほしいと言ったことを根に持っていたことが分かりました。

結局フィルは食事会には頑として参加しません。


フィル無しで食事会は進み、食後に皆がローズのピアノを聞きたいと言い出します。

自信がないと気の進まないローズでしたが、ピアノの前に座ることになってしまいます。

しかし極度の緊張と不安で指が震えてしまい、全く弾くことができない結果となってしまいました。


そんなローズに気にしないようにと言って知事は帰り支度を始めます。

そこにカーボーイ姿の汚いままのフィルが現れました。

母親がなぜ参加しなかったのかを訪ねると、体が汚いままだからだ、と当てつけのように答えます。

そしてローズがピアノを演奏できなかったことを知ると、さらにローズを皆の前で辱めるのでした。

このようなフィルの様々な精神的な嫌がらせのため、ローズは飲酒に逃げてしまうようになってしまいます。

転・フィルがピーターと心通わせる理由の秘密

その後、大学から夏休みのために帰宅したピーターは母親のローズがアルコール依存症になっていることに気が付きます。

しかし義父であるジョージには、ローズは自身が深刻な問題を抱えていることを隠しているようでした。


フィルと彼のカーボーイ達はピーターをもいじめの対象としてを大小の嫌がらせをするようになりました。

ピーターは彼の研究にのめり込むことで逃げ場をつくり、ウサギを解剖し、病気について勉強に没頭するのでした。


一方でフィルには家族の知らない一面がありました。

森の中で、フィルはブロンコ・ヘンリーのハンカチの匂いを嗅ぎながら自慰行為をしたり、裸の男性を描いた雑誌を隠し持っていたりしたのです。

その雑誌はピーターによって見つけられてしまいました。


ある時ピーターは首にカーチフを巻いて湖で水浴びをしているフィルに出くわします。
フィルはピーターに気がつき、追い払うのですが、その時から何か二人の間で変化が生まれたのでした。


フィルは突然ピーターを一人前の男性として扱い始めます

ピーターに専用の投げ縄を作って与えると言い、さらに彼に馬の乗り方を教え始めるのでした。


ローズは、ピーターとフィルが一緒に過ごす時間が長くなっていることに気が付きます。
そのことが、さらにアルコール依存症を悪化させるのでした。

ある時、二人は一緒に柵を作っていた際、ピーターはフィルに、首つり自殺した父親の遺体を見つけたことを話しました。

その後、ウサギが積みあがった丸太の下に隠れていることに気が付きます。

捕まえようとマルタをどかしているとき、フィルは誤って丸太を落とし、右手に深い傷を負ってしまいます。

ウサギは丸太の下敷きになって足を怪我してしまい、ピーターが何のためらいもなく首の骨を折って安楽死させたことに、フィルは驚くのでした。


ローズは飲酒で酔っぱらった状態で、先住民が牧場に訪れていることに気が付きます。

牛の皮を分けてほしいと、やってきていたのでした。


フィルは先住民たちを差別し、どんなに余っていて牛の皮を分けることなく、余った皮は焼いて捨ててしまうことにしていたのですが、ローズは一打は追い返された先住民の親子を呼び止め、すべての皮を持っていくようにと挙げてしまいます。

お返しに皮で作られた手袋を受け取り、ローズはその柔らかさに感動していましたが、飲み過ぎがたたって、急性アルコール中毒で倒れてしまうのでした。

結・ピーターは母親を守りたかった

フィルは牧場に戻ってくると川がすべてなくなっていることに気が付きます。

ピーターの投げ縄を完成させるための皮がなくなったことで、彼は信じられないほど取り乱してしまいます。

そんなフィルにピーターが死んだ牛から切り取った皮を彼に提供するのでした。
フィルにあこがれ、フィルのようになりたいと思って皮を自分で採取したといって。

それに感動したフィルは今晩、ロープを完成させるので、ピーターにその様子を見るように言います。


夜になり、納屋で二人きりになるフィルとピーター。

ピーターから提供された皮を使い、ロープを作りながらフィルはピーターに昔話をします。

それは狩りの最中に嵐に襲われ、身動きが取れなくなった際に、暖を取るためにブロンコ・ヘンリーと一緒に寝たという話でした。

ピーターはその時、彼らが裸であったかどうか尋ねますが、フィルは答えませんでした。


翌朝、フィルの手の傷は驚くほど悪化していました。

ジョージは彼を病院に連れて行こうとします。

フィルはピーターに完成した投げ縄を渡したくてピーターを呼んでいましたが、ピーターは現れず、ジョージはフィルを連れ去るのでした。

がその甲斐もなく、フィルはその後まもなく死んでしまいます


フィルの葬式で、医者はジョージにフィルが炭疽菌で死んだと伝えてことで、とても驚いていました。

フィルは病気の感染の危険を知っていたので、病気の牛の皮を決して扱わないように注意したからでした。


葬式に行かなかったピーターは、死者を休ませることについての聖書の一節を読みます。

その一文とは、

    「私の魂を剣から、私の最愛の人を犬の力から救い出してください。」

というものでした。


ピーターはフィルが彼のために完成させた投げ縄をベッドの下に置きます。

そして視線をあげると、葬式から戻ってきたジョージとローズが家の外で抱きしあっているのが見えます。

ピーターは安堵した表情を浮かべるのでした。

手に傷を負ったフィルにわざと病気の牛から取った皮を与え、そのことが最終的に母親の命を救ったのですから












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