映画21ブリッジがつまらない理由を考察!設定が非現実的でスリルなく面白くない内容

アクション

映画「21ブリッジ」はチャドウィック・ボーズマン主演のクライムミステリー。

警官殺しの犯人を追いかけていて壮大な犯罪を暴き出すことになるというストーリーでした。

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ところが、実際に映画を見てみると、今一つ面白くありません。

マンハッタン島を封鎖するという大掛かりな設定に、タイムリミットが刻々と迫るという手に汗握る展開ながら、見ていてスリルを少しも感じませんでした。

映画「21ブリッジ」がなぜこうもつまらないのか、その理由を考察していきたいと思います。









映画「21ブリッジ」がつまらない理由を考察



映画「21ブリッジ」を視聴しましたが、期待したほど面白かったという感想は持ちませんでした。

かなり大掛かりなストーリーに主人公を演じたチャドウィック・ボーズマンの熱量のある演技と期待できる部分が大きかっただけに、なぜこうなってしまったのか、その理由を挙げて考察していきたいと思います。

マンハッタン島封鎖が大したことない内容



タイトルでもある「21ブリッジ」

これはマンハッタン島にかかっている21の橋を封鎖して、島の中にいる犯人を閉じ込める、という作戦から名づけられたものです。

「ニューヨークといえばマンハッタン」というくらいの有名な地名ですが、では日本人の大半が、マンハッタンとはいったいどういうエリアなのか?と質問されたとして果たしてこたえられるのか、程度の知識でしょう。


僕自身もそうでしたので、調べてみると、

マンハッタン島は、西をハドソン川、東をイースト川とハーレム川、北をスパイテン・ダイヴィル川(およびハーレム川運河)、南をアッパー・ニューヨーク湾によって囲まれている、幅は約4 km、長さ約20 kmの、ほぼ南北方向に細長い形状をしている島。面積は58.8 km2で、東京の山手線の内側(約64 km2)にほぼ相当する。

(引用:ウィキペディア)

ということが分かりました。


それだけの小さなエリアで、この中に犯人がいることが確実にわかっていれば、確かにとても有効な作戦です。


実際に映画の中では、その作戦が決行されるわけですが、その作戦決行の瞬間は、多くのパトカーを使って、各橋の封鎖、トンネルの出口や地下鉄の運転差し止めなど、緊迫した状況が伝わる映像が流れていました。

が、その後、マンハッタン島を封じ込めて、その中で犯人を追い詰めているという状況を感じる臨場感がなかったのです。


確かに島を封鎖しておかなければ、犯人はどこへでも逃げ出せることになります。

しかしわざわざそのような、「閉じられた空間の中での攻防」というシチュエーションにしたのは、そうすることによってスリルが得られるからではないでしょうか。

その目的を満たすためには、マンハッタン島の封鎖は、エリアとして大きすぎると思います。

犯人が、どこにも逃げ場がない、と焦る雰囲気は、伝わったといえば伝わってきましたが、果たしてそれは、マンハッタン島が封鎖されているから感じ取れたスリルだったのか、といえば、スリルを要素として薄い気がしました。

タイムリミットのスリルを感じない



スリルを感じなかったものとして、もう一つ上げるとすれば、それはタイムリミットでしょう。

ニューヨークの中心地であるマンハッタン島を封鎖するという、前代未聞の行動ですので、朝の5時まで、というタイムリミットが設けられます。

ある意味、理屈の通ったタイムリミットであるとうなずける処置でしょう。


ところがこのタイムリミット、果たして映画のストーリーに影響を及ぼす効果があったのでしょうか?

犯人側からしたら、このタイムリミットを知った描写は特にありませんでした。

おそらく特別な行政処置でしょうから、5時までの封鎖というニュースは明らかにされ、公共の電波で伝えられたと思います。

が、それを犯人たちがきちんと見聞きして、それを踏まえての逃走計画を建てたような描写はありませんでした。


一方、アンドレら警察側も、タイムリミットがあることで、その制限時間内に犯人を逮捕しないと、というような焦りのようなものを見せていません。

犯人の個人情報特定もスムーズに行われ、マネーロンダリングと身分偽装を請け負っているアディの隠れ家も、何の努力もなく見つけてしまいます。

アディの隠れ家の件は、事件の裏側に直結するいわゆる伏線ではありますが、しかしこのため、タイムリミットがあるということで得られるスリルは、無くなって詩まっていたと感じざるを得ません。


犯人を取り逃がし、手がかりも尽きた。

そんなシーンが制限時間間近の時点で起これば、スリルも感じたでしょうし、主人公と喪失感を共有できたかもしれません。

が、そんな状況は一切なく、タイムリミット近くになると、犯人が主人公に、事件の謎を明かすのかどうか、という別の問題のほうに注目がいってしまう展開になってしまっていたのでした。


時間制限という要素が、犯人逮捕に直接関係が無かったので、別にあってもなくてもどちらでもよいものになっていたのは、もったいないと感じたのです。

ストーリー設定が非現実



事件の最大の謎についての設定が、あまりに非現実すぎると感じました。


安月給の警官たちを救うため、麻薬取引で副業収入を得て、それをかかわっている警官全員に配る。


果たしてそのようなことがアメリカの大都市の警察の中で、起こるのでしょうか?


確かに麻薬を取り締まる組織である警察ですから、麻薬に関する情報は手に入りやすく、その手のビジネスを展開するきっかけもあるのでしょう。

ただ、本当にそれを組織だって行うとなれば、いったいどこまでを組織として内部に取り込まないといけないか、を考えるとリスクが大きすぎると思います。

一部の警官だけであれば、関係ない同僚に怪しまれる可能性もありますし、分署一つが丸々、ということになると、他の警察署や本部、FBIや麻薬取締局のような警察以外の捜査組織から怪しまれるという展開になっていくでしょう。

いっそのこと、メキシコや中南米の国のように、麻薬を取り仕切るマフィアと政府がつながって麻薬ビジネスをしている、ということにでもすれば、より安全に麻薬ビジネスができるのでしょうが、アメリカ国内でそのような設定にしては、問題ありすぎでしょう。


少し設定が非現実的すぎて、謎がすべてわかったときの驚愕よりも、そんなバカな、というシラケのほうが大きかったです。

アンドレが担当となった理由を考察



マット・マッケンナ警部によってアンドレは事件の担当となりました。

ここの部分が非常に不明確で、悩んでいますが、アンドレはマッケンナ警部の部下なのでしょうか?

つまり同じ警察署内に所属し、マッケンナ警部の人事命令を聞かなければならない立場なのでしょうか?


もしそうだとしたら、映画のクライマックスで銃撃戦の末、射殺した警官は、全員同僚ということになります。

が、そのような親密感は、犯人2人を追いかけている間、感じることはありませんでした。


また、なぜアンドレが担当に選ばれたのかを考えてみました。

マッケンナ警部としては、自身の犯罪がばれないようにするためには、仲間の刑事を担当にして置いたほうが都合がよかったはずです。

理由として同じく警察幹部であるスペンサーの推薦があったため断れなかった、という感じはしましたが、だとすれば、マッケンナ警部が担当にしようとした仲間の刑事を、スペンサーは反対した、というのでしょうか?


一つ思い付くのは、アンドレが「警官殺し犯殺し」という異名で知られていたことです。

マッケンナ警部は8人もの警官が犠牲となった事件の犯人に対し、「警官殺し犯殺し」のアンドレが、異名の通り、逮捕でなく射殺してくれる、と期待したのではないでしょうか?


ただこの説も、マッケンナ警部が人事権を保有するアンドレの直接の上司であるとすれば、信ぴょう性が薄れてしまいます。

というのもアンドレ自身は「警官殺し犯殺し」という異名で呼ばれることには、不快感を持っているからです。

直属の上司で、普段から接していれば、アンドレのそのような思いは当然知っていないとおかしいことになり、アンドレが犯人2人を射殺する可能性はそれほど高くない、ということもわかるはずでしょう。


とにかく、このようにこっちを立てるとあっちが立たず、という矛盾を感じ取ってしまうと、映画自体に入り込めず、ひいては面白くない、と感じざるを得ないことになってしまうのだと思いました。

面白くないと感じた理由のまとめ



映画「21ブリッジ」ですが、大々的に騒がれているほど、中身は面白くない、というのが正直な感想です。

チャドウィック・ボーズマンの遺作ということもあり、もっと何とかできたのでは、という残念な気持ちもありますが、これまで上げたような理由で、大したエンターテインメント性が発揮できない映画になってしまいました。

マンハッタン島を封鎖するという壮大な計画でしたが、映像として見せ、始めから終わりまでその効果を臨場感もって感じさせることには、失敗してしまっているといえるでしょう。
タイムリミットを設けても、それが視聴者にスリルを感じさせるアイテムになり得ていません。

ストーリー最大の謎ですが、現実問題としてそのようなことが起こるのか、と考えると現実味に乏しく、作り話としてはスケールが小さいとしか言えません。


このような理由から、映画を見終わってもツッコミどころはいくつか思いつくものの、それ以外の感想は、これといって湧いてこない、残念な結果になっているのでした。












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