日本の漫画「銃夢」をハリウッドが映画化した「アリータ バトルエンジェル」が公開されます。
アバターやタイタニックのジェームズ・キャメロン制作、シン・シティのロバート・ロドリゲス監督で二人は脚本も手がけています。
原作との違いなど、気になることろもありますが、残念ながらボクは原作を一切読んだことはありません。
「日本のマンガの映画化」以外は全く情報のない状態で視聴しましたが、結果はとても楽しめる内容でした。
ちょっと詰め込みすぎの感はありましたが。
今回はそんな映画「アリータ バトルエンジェル」のあらすじとボクが気に入ったオススメの見どころを紹介していきます。
あらすじ
目覚めと出会い
2563年の地球。
「フォール」と呼ばれる最終戦争の結果、地上は荒廃していました。
そんな地球には空中に浮かぶ巨大な都市があり、そこから吐き出されるごみの山が地上にできています。
いつしかそこは「くず鉄街」と呼ばれるようになり、今日もそのスクラップの山でサイバネクス医師のダイソン・イドが使用可能なサイボーズパーツを探しているのでした。
そんなダイソンが両腕のない上半身だけの、10代少女のサイボーグパーツを見つけます。
驚いたことにその脳と心臓はまだ生きていました。
ほかのボディパーツを探しますが、見つからず、、ダイソンは持ち帰って残りのパーツを組み合わせ、完全なサイボーグとして蘇らせます。
翌朝、目を覚ました彼女は自分が何者であるかなどの過去の記憶が一切ないことに気が付きます。
助けてもらったお礼をした彼女に、ダイソンは「アリータ」という名前をつけるのでした。
ダイソンとともに街に出たアリータは多くのことを学びます。
今いる町の名前は「くず鉄街」。
空中に浮かぶ都市の名前は「ザレム」。
「フォール」と呼ばれる300年以上昔の大戦で地球は荒れ果て、世界中の人々は唯一生存可能なこのくず鉄街に集まって生活をしている。
街角にあったディスプレイには人気のモータースポーツ、モーターボールが映し出されており、アリータの興味を引きますが、ダイソンはアリータに関わってほしくないらしく、不愉快に会話を終わらせます。
街でダイソンが用事を済ませている間に、アリータはヒューゴという青年と出会います。
お互いにひと目見てなんとなく惹かれ合う二人でした。
記憶が無いため、なんでも知りたいアリータにヒューゴも街の中のことなどを教えてあげることにします。
とくに、アリータが興味を示したモーターボール。
サイボーグ化した選手が生き残りをかけた生きるか死ぬかのサバイバルレースですが、これのヒューゴの仲間と一緒にしているストリートバージョンに参加させます。
はじめは慣れずに戸惑っていたアリータでしたが、すぐにコツを掴み、また脅威の体術で挑戦的なヒューゴの友人タンジを叩きのめしてレースに勝利します。
ヒューゴとの時間を楽しんだアリータでしたが、帰宅が遅れ、ダイソンが心配していました。
街の治安は良くなく、暗くなってからは女性ばかりを狙った殺人も起きていたのです。
ところが、夜遅く、ダイソンがこっそりと大きな荷物を持って街に出かけていき、時には傷を追って帰ってくることに、アリータは気がついたのでした。
ダイソンの過去とハンターウォーリアー
ある晩、アリータはこっそりと街に出かけるダイソンの後をつけてみます。
ダイソンはとある女性の後をつけ、大きな荷物の中に隠してあった、ロケットブースター付き巨大槌でこの女性をまちぶせて殺そうとします。
とっさのところで止めに入ったアリータですが、いきなりその女性を含めた3人のサイボーグに囲まれてしまいました。
彼らは賞金首のかかった犯罪者サイボーグで、くず鉄街で起こった殺人などの犯罪を犯していた張本にでした。
リーダー格のグレウィシュカ、連続女性殺害者のニュシーナ、そしてもうひとりのサイボーグはダイソンを狙って殺そうとします。
突然、アリータがダイソンの危機を救い、あっという間に一人のサイボーグを破壊します。
そしてニュシーナと死闘を繰り広げますが、こちらも破壊し、グレウィシュカも踵落としで右腕を切断してしまうのでした。
思いもよらない反撃を喰らい、グレウィシュカは地下へ逃げ出します。
アリータはグレウィシュカとの戦いで、とある記憶が蘇ったことに気がついたのでした。
それは月面上で繰り広げられる戦争。そこでパンツァークンストと呼ばれる格闘術を駆使し、群がる敵を蹴散らしている姿。
仲間の兵士からNo. 99と呼ばれていたことでした。
ダイソンはハンターウォーリアーのことをアリータに説明します。
政府がなくなり治安の維持ができなくなったくず鉄街では殺人などの犯罪を犯す犯罪者を取り締まるため、犯罪者に賞金をかけて賞金稼ぎに捕まえさせるシステムが出来上がっていました。
賞金稼ぎになるためには登録と守らなければならないルールがありますが、犯罪者の生死を問わず、捕まえたことによって賞金が出ます。
ダイソンは治療所だけではやっていけないこともあり、賞金稼ぎであるハンターウォーリアーとなったのでした。
しかしダイソンには更に秘密にしていた過去があったのです。
彼は妻のチレンとともにザレムで生活していた選ばれし人間でした。
二人の間に娘アリータが生まれましたが、生まれつき体が弱く、歩くこともできなかったのです。
それが理由でザレムにいられなくなり、くず鉄街に降りてきた3人。
くず鉄街では治療所を開く傍ら、モーターボールの技術医者として生計を立てていました。
娘のアリータのために、普通の人間のように動けるようにサイボーグパーツを準備していたのですが、薬欲しさに侵入してきたサイボーグのために娘は殺されてしまいます。
娘の死によってダイソンとチレンは別々の生活をし始めることになるのでした。
チレンはモーターボール技術医師として深く関わり、街のセレブの一人となります。
ダイソンはモーターボールとの関わりを辞め、娘を殺された恨みを晴らすべくハンターウォーリアーになったのでした。
ヒューゴの秘密とパワーアップ
日に日に親密になっていくヒューゴとアリータでしたが、ヒューゴにも秘密がありました。
アリータにも打ち明けていましたが、ヒューゴはいつの日かザレムに登ってザレムで暮らすという夢を持っていました。
そのために、特別なコネクションを使って夢を叶える途中だったのです。
そのコネクションとは、モーターボールの主催者であるベクターの依頼で、仲間とともに夜な夜なサイボーグを襲って腕などのパーツを強奪していたのです。
ヒューゴがアリータをモーターボールレーストラックに初めて連れていき、参加選手のピットに案内した夜も、ブレードフィンガーを装備した腕を強奪するために、とあるサイボーグを拉致し、ベクターのもとに届けていました。
しかしその腕はベクターのもとで働いていたチレンによって、同じくベクターのために働くグレウィシュカに装備されます。
アリータに右腕を花活されたグレウィシュカは二人に助けを求めにきたのでした。
アリータの存在を知った二人は彼女の能力に興味を持ち、失われた技術で作り上げられたパーツを手に入れたいと考えていたのです。
パワーアップさせたグレウィシュカアリータを襲わせようとしますが、ザレムに住む支配者ノバが現れて二人にアリータを始末するように命じるのでした。
ヒューゴと仲間たちはアリータを街の外の森の中へ連れていきます。
300年前の戦争「フォール」で撃墜されたとされる敵戦闘機の残骸をアリータに見せるためでした。
その残骸を見た途端、記憶の一部が揺り起こされ、アリータは記憶をたどって船内に入り込みます。
そしてその中で、装甲ボディを見つけて戻ってくるのでした。
ダイソンのもとに戻って、装甲ボディに移植するように頼みますが、アリータが戦闘に巻き込まれることに賛成できないダイソンはそれを断ります。
彼はその豊富な知識で、装甲ボディが誰の手によってどういう目的で作られたかを知っていたからでした。
そんなダイソンに嫌気のさしたアリータは、ダイソンが反対しているのを知りつつ、ハンターウォーリアーに登録します。
そしてハンターウォーリアーが集まる酒場にヒューゴと出向き、一緒に助け合ってグレウィシュカを倒すように提案するのでした。
が、アリータの小柄な外見からハンターウォーリアーたちは相手にしません。中でもザパンはアリータを馬鹿にして挑みかかっていきますが、反対にアリータに秒殺されます。
実力を見せたほうが早いと判断したアリータは、叩きのめしたら自分の手下となって一緒に戦え、と全員に戦いを挑み、大乱闘を始めます。
ダイソンが駆けつけてその場を収めて大乱闘を辞めさせますが、次の瞬間、グレウィシュカがアリータを狙って現れるのでした。
グレウィシュカは賞金首制度を牛耳るベクターの力で賞金首になっていません。
しかもその実力は誰もが知るところですので、その2つの理由でダイソン以外のハンターウォーリアーはアリータとともにグレウィシュカと戦おうとはしませんでした。
グレウィシュカはネグラである地下にアリータを誘い込み、そこで決着をつけようとします。
ブレードフィンガーを装備し、強化されたグレウィシュカの前に攻撃が通用せず苦戦するアリータ。
決死の特攻を試みますが、ブレードフィンガーによって右腕のみ残して胴体をバラバラされてしまいます。
勝利を確信して油断するグレウィシュカですが、アリータは最後の力を振り絞り、右腕だけで跳躍して手刀をグレウィシュカの右目に叩き込みます。
丁度、ダイソンとヒューゴ、そしてハンターウォーリアー・狂犬使いのマクティーグが助けに駆けつけ、傷ついたグレウィシュカは地下の闇に逃げていくのでした。
傷ついたアリータはダイソンに助けられ、ついに装甲ボディに移植されます。
まさにアリータのために作られたかのように、詳細な修正を自動でしながらアリータのボディとなるさまを見て、ダイソンはその技術力に驚嘆するのでした。
復活したアリータはダイソンにお礼を言った後、ヒューゴに会いに行きます。
二人は再会を喜び合い、初めてお互いの愛を告白し合うのでした。
アリータとヒューゴに仕掛けられた罠
新しいボディを手に入れたアリータはヒューゴの夢のためにどんなことでもしたいと思います。
1000万クレジットを集めれば、ザレムに行けるという条件のため、アリータはモーターボールの選手として登録し、そこで賞金を稼ぐことにするのでした。
それを察知したベクターはアリータ破壊のために罠を仕掛けます。
アリータが参加するモーターボールの選手になるためのトライアルに、対戦選手として息のかかったウォーリアーハンターや用心棒のサイボーグを送り込み、ゲームにかこつけてアリータを破壊しようとしたのです。
また、酒場で醜態をさらすは目になったザパンもアリータに復讐するために、一計を案じていました。
トライアルの夜、まずヒューゴはサイボーグボディ強奪団の仲間のもとに行き、足を洗うことを宣言します。
そこにザパンが現れ、アリータに復習するためにヒューゴを狩ると言い放ちます。
しかも合法的に殺すために、手を回してヒューゴを賞金首にしていたのでした。
襲いかかるザパンのために友人のタンジも殺され、ヒューゴ自身も傷つきますが、なんとか街の中へ逃げ出します。
ザパンはそんなヒューゴを執拗に追いかけるのでした。
ヒューゴはアリータに連絡をして状況を説明し、助けを求めす。
また、トライアルでは応援に来ていたダイソンによって、対戦相手が札付きの連中であること、そして目的はアリータの破壊であることがアリータに伝えられます。
全てを悟ったアリータは戦闘の覚悟をしてレースを開始するのでした。
襲いかかる対戦相手を次々と返り討ちにしていきます。
残り3体になったところで、アリータはヒューゴ救出のためにレース会場を飛び出し、落ち会う約束をした廃墟の寺院に向かいます。
追いかけてきた3体も順次に屠っていき、無事寺院前に到着しますが、そこにはヒューゴだけでなくザパンもいました。
ヒューゴを守ろうとするアリータですが、ザパンはヒューゴの秘密、サイボーグパーツ強奪団のことを暴露します。
そしてその過程で犯した殺人の容疑でヒューゴは賞金首になっていることも、アリータに伝えるのでした。
ヒューゴはパーツ強奪はしていたが、殺したことはないとアリータに弁解します。
が、システム上賞金首に登録されてしまっているヒューゴに対してウォーリアーハンターのアリータにできることは、ヒューゴを殺すことしかありませんでした。
もし見逃したとしても他のウォーリアーハンターに狩られることを止めることはできません。
自分が始末すると言いながら、行動に移せないアリータを尻目にザパンはヒューゴの胴体を串刺しにしてしまいます。
息も絶え絶えのヒューゴを抱きかかえ、寺院の中に逃げ込むアリータ。
こんな事になってしまったことを詫びるヒューゴ。
何もできないアリータはただ泣くことしかできません。
そんな二人を物陰から見ていたチレンは、ベクターを裏切り、ヒューゴを助ける手助けをすることを決心したのでした。
ベクター&ノバとの対峙
チレンはヒューゴの頭部を切断し、アリータの生命維持装置とつなげて生かすようにします。
アリータはヒューゴを始末した、とザパンや集まったウォーリアーハンターシステムのガーディアンに宣言し、ヒューゴの生首を見せてやり過ごすのでした。
疑いを持ったザパンにからくりを見破られますが、ウォーリアーハンターのルール上、始末した賞金首を奪うことは固く禁じられている行為のため、ザパンはヒューゴの頭部に触ることはできません。
システムを利用して汚い復習をしようとしていたザパンは、システムのために復讐が失敗したことを悟って落胆します。
そんなザパンに、獲物の強奪行為の代償としてアリータはザパン自慢の顔半分を削ぎ落とします。
ダイソンのもとに戻ったアリータはヒューゴの治療をダイソンに任せ、ウォーリアーハンターシステムの本部に殴り込みをかけます。
ヒューゴの夢を利用して使いまわし、ついには罠の餌としてヒューゴを扱ったベクターに復讐するためでした。
ベクターはグレウィシュカを呼んでアリータに対します。
グレウィシュカが来るまでの時間稼ぎとして、ザレムへ人が登るためには臓器となる以外に例外がない、と裏切ったチレンの解体された臓器を見せて説明するのでした。
グレウィシュカの不意打ちの一撃でアリータは腹部にダメージを負いますが、同時にすべての記憶を思い出します。
と同時に、傷を受けた腹部は自動修復。
完全に能力を取り戻したアリータの前に、グレウィシュカは物の数ではありませんでした。
ベクターを通してノバを呼び出し、ベクターを殺すことで宣戦布告します。
すると、ダイソンからヒューゴがウォーリアーハンターから逃れるためにザレムへと登り始めたことを知らされます。
ヒューゴを助けるために後を追うアリータ。
賞金首になった今、ザレムにいくしか助かる道はないと信じるヒューゴ。
そんなヒューゴに本当の幸せを掴むために一緒に生きようとアリータは説得します。
アリータの言葉を信じ、彼女のもとに戻ろうとしたヒューゴですが、ノバによって二人が登っていたケーブルに落とされたスパイクカッター付きの巨大リングが迫ってくることに気が付くのでした。
なんとか飛び越えようとしますが、ヒューゴは失敗し、左腕一本を残してばらばらにされ、ケーブルから落ちていきます。
後を追ってヒューゴの左腕を掴み、宙吊りの状態になるアリータ。なんとか引き上げようとしますが、ヒューゴの肘の部分も傷ついていたらしく、重さに耐えきれずに、ちぎれそうになります。
諦めたヒューゴは、最後にアリータに自分をまっとうな姿に変えてくれてありがとうと告げ、遥か下に広がるくず鉄街に落下していくのでした。
ヒューゴを失い…
時は経ち、アリータはモーターボールの人気選手に上り詰めていました。
モーターボールのチャンピオンのみが五体満足の状態でザレムに登れることがわかったからです。
試合前、アリータの登場に大歓声を上げる観衆。
そこに姿を表したアリータは空高くに浮かぶザレムに向け、愛用の剣を抜いて対峙します。
ザレムではそんなアリータの姿を見て、不気味に微笑むノバの姿がありました。
ここで映画は終わり、アリータ2へと続くことになります。
個人的にオススメな映画の見どころ!
多彩なサイボーグたち
アリータ バトルエンジェルにはたくさんのサイボーグたちが登場します。
というか、ほぼスターウォーズや攻殻機動隊の世界と一緒で、手足や臓器を失っても機械によって代わりを手に入れることができる、という世界です。
脳みそだけ生きていれば、全身サイボーグの状態で生きながらえることも可能。
そんな世界です。
ですので、片腕だけとかいうライトな人もいれば、脳以外全身がサイボーグ、という人もいます。
全身サイボーグという存在は、仕事柄ウォーリアーハンターやその対象の賞金首に多いように描写されています。
あ。あと、モーターボール選手もそうですね。
その描写はとても多彩で、デザインもかっこいいものが多いと感じました。
サイバーパンクの世界を意識した、ちょっとイカれた感じのサイボーグが、特に賞金首のデザインに多くみられます。
ある意味、普通の人間のようなアリータのサイボーグボディが特異に見えるほど。
美意識過剰でナルシスト気味のザパンや、重量感あふれるグレウィシュカなど、個性を反映させたデザインも面白いです。
唯一の不満としては、ときおり、人間の顔だけ浮き出ているように見えること、でしょうか。
いかにも「CGに切り抜いた顔を貼り付けました」的なものが所々見受けられます。
ちょい役のサイボーグでこの印象を受けることがありますが、ザパンのようなサブメインのようなキャラでもそんな印象を受ける事があったり…。
顔の絵が妙に明るいのに、それ以外のボディが薄暗いとそう感じやすいのかもしれません。
ちょっと残念でした。
モーターボール
モーターボールは、それだけで一本の映画ができるほどの興味深い題材でした。
残念ながら映画の中で、「失った記憶を探す」、「敵対するサイボーグとの死闘」、「ウォーリアーハンター」などと一緒に語るには、2時間は短すぎた感があります。
モーターボールのチャンピオンの名前と描写がほんの数秒あるだけで、あとは有名な選手の名もフューチャーされません。
おそらくしたくてもできなかったのでしょう。
それほど、ちょっと詰め込んだ感があったのは残念でした。
しかし、アリータが最初にモーターボールを経験するストリートバージョンも、また選手として登録のために参加したトライアルでも、その魅力はとても印象的です。
近未来SFアクションの娯楽スポーツとして、これだけで1本の映画シリーズが作れてしまうほどですので、スピード感と迫力、それらによって作り出される爽快感はすごいものがあります。
実際の試合は映画の中で1度しか出てきませんが、そのスピードとスリルはかなり楽しめると思います。
2作目の予定も本格化してきていますので、アリータ2では、モーターボールはもっとストーリーの中心になるのではないか、と予想しています。
殺伐とした世界の人間愛
ここまで生存競争が過激になっている世界ですので、人を信用するというような行為は命取りになりかねないのが、本当のところでしょう。
そんな世界だからこそなのでしょう、ダイソンがアリータに捧げる父親のような献身的な愛情は、ほっこりさせてくれます。
アリータもそんなダイソンの保護下に居心地の良い気持ちになっているものの、自分は一人でもっと大きな事ができる、というそれこそ10代特有の独立心のよう思いから、反発もしてしまいます。
おそらく本当の娘が命を落とさずに育ったとしたら、同じように反抗期に手を焼いていたのかもしれません。
言っても聞かないアリータに困惑し、心配しながらもいざとなると必ず助けに駆けつけるダイソン。
原作ではもっと若い設定のようですが、娘を亡くした父親という映画バージョンの設定は、かなりいい味を出していて、殺伐となりそうな、殺すか殺されるかという世界に温かく、ちょっと恥ずかしくなるくらいのほんわかしたひとときを加えてくれます。
そんな、ちょっとぎこちないダイソンとアリータのお互いの信頼する態度は、10代の恋愛というヒューゴとアリータの関係よりも、心地よく見ていられました。
まとめ
「アリータ バトルエンジェル」は、これまでハリウッドが日本のマンガを映画化するとごみのような映画しか作らない、という前例をいい意味で覆した作品だと思います。
映画独自の設定を加え、それを見事に生かして登場人物の人間模様をアクセントとして上手く利用したと思います。
もちろんアクションは申し分ありませんし、近未来SFでサンバーパンクな世界観も見事に描かれていると思いました。
ぜひ、大スクリーンと高品質の音響で楽しんでほしい作品です。
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