映画「カオスウォーキング」で一番の特徴として挙げられるのが「ノイズ」
それ以外はよくある開拓SF映画と言えなくもありませんが、他人に思考が分かってしまう「ノイズ」のせいで、かなり特徴的なSF映画となっています。
ですが、映画の中では「ノイズ」に関する詳細はあまり語られませんでした。
一体、なぜ、ニューワールドでは「ノイズ」が出てしまうようになったのでしょうか?
今回はこの謎について原作である小説を基にネタバレ解説をしていきたいと思います。
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映画カオスウォーキングのノイズのネタバレ!
映画「カオスウォーキング」は若者同士のロマンスを中心に、未来を舞台にしたSFストーリーの作品です。
地球から他の惑星に移民をした人々の話ですが、その中でも特異な設定としてほかの作品とは異なるテイストを出しているのが「ノイズ」という設定。
「ノイズ」とは、考えていることが他人に見えたり聞こえたりしてしまうもので、映画に登場する男性は全員、このノイズを望む時も望まないときも発してしまっています。
ところでこの「ノイズ」、映画内では全く説明がなされていませんでしたが、一体どういった原因で起こっているのでしょうか?
今回はこの「ノイズ」の原因や設定を、原作の小説からネタバレ解説していきたいと思います。
ノイズはニューワールドの風土病
結論から先にネタバレしますと、「ノイズ」はニューワールドに存在しているウィルスが起こす風土病です。
入植者たちがこの惑星にやってきてウィルスに感染したことで起こってしまったのでした。
また、このウィルスは発病した人々に対し、思考が可視化、可聴化してしまうという症状以外は発生していません。
ですので、ニューワールドに住む人々は病気でこのような現象が起こることになってしまったことは、分からずじまいであったのです。
ノイズが発生するのは男性のみ
また、この病気は男性にしか発病しないという設定になっています。
実際には女性も疾患しているのかもしれませんが、思考の可視化、可聴化という症状は男性にしか現れません。
なぜなのか、という理由は小説でも説明されていませんでした。
そういう病気だから、ということで話は進んでいきます。
というのも小説の中だけでなく、現実世界にも男性しか発病しない病気というものは存在しているからです。
それは血友病といわれる出血が止まりにくくなる病気。
その原因は生まれてくる際に背別を決めるX染色体にあるようで、男性の場合、必ずX染色体とY 染色体の組み合わせになるのですが、このX染色体に病気の原因があるため、必ず発病してしまうわけです。
一方で女性は二つのX染色体の組み合わせのため、片方が血友病の原因となっている遺伝子を持つX染色体でももう一つの正常なX染色体のおかげで発病しない、とされています。
(厳密に言えば男性だけでなく、女性も症状が出ているようですが。)
小説の中ではここまで厳密に調査研究がなされて原因が解明されていません。
が、男性のみ発症ということですので、血友病のように染色体に異常を起こさせることで発症するとみていいのではないでしょうか。
映画で明かされているノイズに関するネタバレ
映画の中で「ノイズ」について、主人公トッドがプレンティスタウンで教えられてきたことのみ、説明されていました。
曰く、ニューワールド在来種スパークル、入植してきた人から見たらエイリアンと呼ばれる存在ですが、このスパークルとの間でおきた戦争の最中、スパークルが使用したノイズウィルスという生物兵器によって引き起こされている後遺症、というものでした。
そしてこのノイズウィルスによって入植した者のうち、女性全員と男性の半分が亡くなった、とされています。
トッドの母親もこの被害者の一人であり、それゆえ、トッドはスパークルに対して非常に強い憎しみを持つ、という設定も付け加えられていました。
が、物語が進んでいくと、実際にプレンティスタウンの女性を殺害したのは町長であるデヴィッド・プレンティスとその手下たちであることが明かされます。
その理由は、ノイズで思考が他人に分かってしまうのは男性だけあり、女性の思考は以前通り分からないままであったことから、疑心暗鬼になっていった男性の一部が精神的に追い詰められて暴発したからでした。
確かに考えていることが自分の意思にかかわらず、分かってしまうのは問題大ありですし、それを常に隠そうと勤めるのはとてつもないストレスになるでしょう。
特に悪だくみというか、他人の犠牲の上で何かを得たいと思っている人には、致命的です。
以上が映画の中で明かされたネタバレなのですが、どちらかというと「ノイズ」のネタバレというより、
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なぜプレンティスタウンに女性がいないのか?
という謎に対するネタバレだけ、でした。
では一体、なぜそのようなストーリー展開になっていたのでしょうか?
映画でノイズの設定がなにも明かされなかった理由
この映画「カオスウォーキング」は、イギリスの作家パトリック・ネスの小説「カオスウォーキング」が原作です。
しかも「カオスウォーキング」というタイトルは3部作ある小説のシリーズ名であり、今回の映画でカバーされているのはその第1作「心のナイフ」なのでした。
つまり今後、第2部、第3部と小説は続いており、映画も同じように、さらにあわよくば、人気が出て第3部を前編・後編とわけて、と目論んでいたのでしょう。
「ノイズ」のネタバレは今後展開するはずであった次回作以降により詳しく語られることになるのでした。
ただ、実際問題として次回作が制作されるかどうかは、非常に厳しいと言わざるを得ないと思います。
日本で公開された11月12日の時点で発表されている興行収入を見ると、製作費1億ドルに対し、興行収入は3000万ドルに届いていません。
映画評価サイト「ロッテントマト」でも視聴者評価は70%を超えていましたが、評論家評価は30%にも満たない結果となっています。
この成績では打ち切りになってしまっても仕方のない結果。
このまま映画版では「ノイズ」の謎について語られることはないのではないでしょうか。
原作の小説で登場するノイズの色と感情の設定
「ノイズ」はそれを発する人物の感情を表してもいます。
その見分けはノイズの色で以下のような感情と色の関係があるのでした。
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怒り 赤・黒
平穏 青・緑
誇り 紫
嫌悪 黒
困惑 黄色
また、小説に登場しない色もあります。
それは、アーロンが発している乳白色でオレンジ色の突起がついているノイズです。
これは映画オリジナル。
おそらくその感情は「狂気」とか「狂信」といったものになるのではないでしょうか。
また、ポスターでも作品内では登場しないオレンジのノイズが描かれています。
まとめ
SF作品でありながら他の映画とは一線を画すことになっている設定「ノイズ」
でありながら、映画本編の中では詳しことは明かされていないノイズのネタバレを原作の小説から解説していきました。
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ノイズが起こる理由はニューワールドに存在していた風土病に疾患したから。
男性のみにしか発症しないのは、ウィルスの特徴のせい。
となっています。
そして映画内でノイズに対して詳しい説明がなかった理由はというと、
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原作が3部作で映画も2部、3部に沿った続編を作り、そこでネタバレをしたかったから。
というもの。
ただ、興行成績や視聴後のレビューを見ていると、続編が制作されるには、高すぎるハードルがあると言わざるを得ません。
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