アニメ「ダンジョン飯」の魔法使いキャラ、マルシル・ドルトー。
彼女が語ったファリンとの出会いの思い出話の中で、自身のことを「学校始まって以来の才女」と話していました。
そのことに対してチルチャックは、マルシルがそう呼ばれていたことに疑問符を投げつけています。
確かにチルチャックの言い分はなんとなく納得ができてしまう程の行動を、マルシルはこれまでの冒険で披露してきていました。
そこで、今回はマルシルが「学校始まって以来の才女」という評判を勝ち得たのか?という疑問について考察していきたいと思います。
アニメ「ダンジョン飯」のマルシルの昔話
マルシルがファリンと出会ったきっかけという昔話をチルチャックとセンシに対してしていた時に、「学校始まって以来の才女」という言葉が出てきます。
マルシルの話では、彼女が魔法学校に入学して間もないころ、学生の中でマルシルという名前の生徒がすごい優等生だと、噂になって広まっていたというのでした。
その噂には、入学初日から教師の助手として指名された、だとか、すでに宮廷魔術師の地位についている、という尾ひれまでついていたそうです。
本当は、入学して5日目に教師の助手に指名されており、宮廷魔術師は親がそうである、ということでした。
が、入学して5日目で助手に指名されるだけでもかなりの実力の持ち主ですし、親が宮廷魔術師であるという話が、どこかで誤解されて彼女が宮廷魔術師である、となっても、それが信じられてしまうほど、優秀であったことは推察されます。
エルフの血を引くため、容姿も端麗であり、その見た目から実力以上に才能があると思われていたこともあるのでしょう。
また、親が宮廷魔術師であるということですので、物心つく前から魔法使いとしても生活を家族で送っていたわけですから、その環境から、より、魔法と接する機械があったはずです。
以上のことを考えると、マルシルの魔法に関する能力や知識が、他の生徒よりも高かったことは、それほど不自然だとは思えません。
本当に「学校始まって以来の才女」であったのかどうかはわかりませんが、将来を嘱望された有能な魔法使い学生であったことは間違いないでしょう。
学校始まって以来の才女という話は本当?
しかし一方で、マルシルの冒険を最初から思い返してみると、それほどすごい魔法使いなのか、という疑問もわいてきてしまいます。
第1話ではパーティーメンバーの中で唯一、スライムに襲われ、殺されかけましたし、ジャイアントバットとマンドレイクの件で、死にそうになり、精神的大ダメージも受けていました。
そのほかでもバジリスクに狙われたり、ウンディーネを怒らせたりとそこそこのヤラカシを犯しています。
窮地に陥った際に使用される魔法、特に爆発系の魔法の威力はとても高く、そのおかげもあってピンチを脱出できていますが、少しでも運が悪かったら、マルシルのほうが死亡していたとしても不思議ではありませんでした。
厳密にいえば、「学校始まって以来の才女」という評価は、学校内に限定された中でのもので、テストで高得点を取れたとしても、現実社会に出てお金を稼げるわけではない、のと同じと言えるでしょう。
学校内での失敗で、命を落とすことはまず、ないですが、現実世界では失敗が即死を意味することもあります。
そういう意味において、マルシルがいくつかヤラカシているからと言って、学校内では完璧な生徒で、好成績を収めていたことが嘘である、ということにはならないのでしょう。
魔法の知識を習得する時間と環境には恵まれていた
ところでマルシルが、「学校始まって以来の才女」と言われていた理由として、エルフとしての年齢のアドバンテージがあったと考えられます。
たとえばファリンは23歳。一方でマルシルは50歳です。
魔法学校の入学年齢や卒業年齢は一切説明がないのでわかりませんが、もし現在の4年制大学と同じだと仮定してみます。
その場合、ファリンは18歳で入学し、22歳で卒業となるわけですが、ファリンとマルシルが一緒に卒業したとして、マルシルの卒業時の年齢は49歳。
その4年前の入学で、入学時は45歳となります。
エルフの成長についての設定説明もありませんので、はっきりしませんが、それでも30歳で人間の高校生位の成長ができていたと仮定して、15年間の魔術習得時間があるわけです。
これだけの時間、魔術に関して、宮廷魔術師の親の指導の下、経験ができるのであれば、人間が敵うわけのない知識をすでに手に入れていたことでしょう。
宮廷魔術師という言葉から、国を強くするために国立の魔法学校を設立し、より強力な魔法使いを多く産出させる、という事も思い浮かべることができます。
マルシルの親が、魔法学校の運営にも携わっていた可能性は大いにあり、内情を知るからこそ、学校内でどのような行動が、高評価を受けるか、ということも熟知していた可能性があります。
そうであれば、親からの教育の一環として学校内で好成績を出すコツを教え込まれたということも不自然ではありません。
知識は豊富でも応用力に難点か
学校での好成績は、どちらかといえば、問題に対して度の解決方法を適用して正解を導き出すか、という手法に重きが置かれると言えるでしょう。
教えられた方法で解決できない場合、代わりにどうすれば解決できるのか?
この応用力という点で、マルシルは難点があるのではないでしょうか。
マンドレイクの一件で、犬を使えない状況だったので、ジャイアントバットを利用するまではよかったですが、その際に起こりえるリスクにまで、頭が回らなかったことで、災難に巻き込まれました。
ウンディーネの一件でも、沸かしたお湯をわざわざ魔物が住む水に戻すことなく、その場で迷宮の地面にまいてしまっても問題なかったでしょう。
知識が豊富な割に、うっかりしていて、過去の間違いで得たはずの教訓をいかせれないことも見受けられます。
ある意味、入学してまだ日が浅い頃だったので、ぼろが出ずに「学校始まって以来の才女」という評価が付いたのかもしれません。
まとめ
アニメ「ダンジョン飯」のマルシル・トナドーが「学校始まって以来の才女」という評価を受けていたことについて考察してみました。
マルシル個人の性格をしっかりと知らない他生徒にとって、親が宮廷魔術師、エルフ、見た目も容姿端麗という情報だけで、過大評価してしまう余地はあったと思います。
マルシルもエルフで、親が宮廷魔術師であるわけですから、物心つくころには魔法が周りにあふれている環境で育ってきて、しかもその時間は、人間が過ごしてこれる時間より、はるかに長いという利点も持っていました。
そんなことから、優等生と思われやすく、その期待に添うだけの魔法の知識を学校入学前から備えていた可能性も大きかったため、「学校始まって以来の才女」という評判が、生徒内で出回ったことも納得がいきます。
その一方で、学校を卒業し、現実世界で冒険に出たあとは、教えてもらったこと以外の状況において、問題を解決しないといけない場面にも出くわします。
その際に、うまく対処できるかどうかは、学校の授業や、本に書かれた知識以上の、応用力と創造力が必要となってきます。
冒険で数々の災難に巻き込まれているマルシルを見ていると、そちらの方面での対処能力には、まだまだ改善の余地があるように感じられるのでした。
だからこそ、チルチャックに「学校始まって以来の才女」という話は作り話のうそである、と決めつけられたと思います。
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