塔の上のラプンツェルのカメレオン・パスカルのトリビア!設定と制作秘話

アニメーション

ディズニーアニメ「塔の上のラプンツェル」はディズニープリンセスのラプンツェルが登場する作品です。

ディズニー作品でヒロインがディズニープリンセスになるためにはいろいろな条件があるようですが、その中に、

    ・動物などの相棒と一緒に作品に登場、活躍している

というものがあります。

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塔の上のラプンツェル」でもいつもラプンツェルと一緒にいるカメレオンのパスカルが登場します。

そこで今回はこの「カメレオンのパスカル」に焦点を当てて、トリビアや誕生の経緯、設定秘話などを紹介していきたいと思います。









塔の上のラプンツェルの設定秘話・パスカル誕生の紹介

ご存じの方も多いと思いますが、「塔の上のラプンツェル」はディズニーアニメ作品の中で、記念すべき50作品目に当たります。

そのこともあり、また、実は「塔の上のラプンツェル」がグリム童話の「ラプンツェル」を原作として、アニメ映画化しようという試みが1940年代にウォルト・ディズニーの手によって企画化されていたにもかかわらず、ボツとなってしまったことも考慮したりした結果、「カメレオンのパスカル」が誕生したのでした。

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「塔の上のラプンツェル」で監督を務めることになったバイロン・ハワードとネイサン・グレノは、一度ボツになった「ラプンツェル」の話とその理由を再考慮することから始めたそうです。

そして原作のストーリーを現代風にするとともに、スケールの大きいものに変更する必要があると結論付けました。

具体的には塔の中にいる時間が長い原作のラプンツェルを塔の外で大冒険をさせることにしたのです。


しかし、ラプンツェルが塔の中で生活している描写も必要であり、そこでのラプンツェルの会話の相手がディズニーヴィランズのゴーテルだけであるとするのは、いくつかの問題が出てくることになるのでした。

ゴーテルはラプンツェルを塔の外に出ないように長年にかけて洗脳していますので、ゴーテルだけが話し相手であるとすると、ラプンツェルの性格がもっとくらく、ネガティブなものになってしまう可能性があります。

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また、ラプンツェルが塔の中で一人でいるときに、会話がない、という描写になってしまいます。

独り言を常にしゃべっているのはおかしいですし、会話を使って状況説明をしたいときにもその手法が使えない、という欠点も出てくることに。


これらの理由により、ラプンツェルに何らかの相棒を与えることになるのでした。


しかし一方で、監督の二人はこれまでのディズニー作品で観られてきた小動物、小鳥やリス、ネズミといった相棒を再登場させるのは、つまらない、と感じていました。

それは、彼らがラプンツェルというヒロインを「かわいらしい清楚な女の子」というよりも、

    数奇な運命にもてあそばれただけの、隣の家にいそうな普通の女の子

というイメージで、キャラクター設定をしていたからです。


これまでに登場した小動物を相棒にしてしまった場合、その作品に登場したディズニープリンセスのイメージをラプンツェルに与えてしまうのではないか、と考えたのでしょう。


そういう理由で、何か特別な動物を相棒にしようと考えられ、最終的にカメレオンが選ばれたのでした。

カメレオンがラプンツェルの相棒と決まってからの設定づくりのトリビア

カメレオンがラプンツェルの相棒となることに決まった後、どのようなキャラクターにするか、ということを決める段階に入ります。

「塔の上のラプンツェル」ではカメレオンのパスカルのほかに、白馬のマキシマスという動物キャラクターも登場しますが、これらのキャラクターをしゃべらせるか、しゃべらせないか、ということを決定する必要がありました。

監督たちが理想としたキャラクター

監督の二人は、最終的に、

    動物はしゃべらない

ということにします。


この決定の背景について、インタビューで答えたところによると、

    チャーリー・チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイドといった世界三大喜劇王が活躍した、白黒の無声映画時代のようなコミカルな動きだけで観客を楽しませたかったから。

と答えています。


また、ディズニークラシックの「眠れる森の美女」に登場した動物たちも理想としていたそうです。

つまり、言葉はしゃべられなくても、表情や動作によって感情を伝えることのできるキャラクターを目指したのでした。


ところが、初期段階のパスカルは、本物のカメレオンの動きを忠実に模倣しすぎていて、まさに本物のカメレオンに限りなく近くなってしまいました。

そのため感情の見えない冷たい感じのするキャラクターになったそうです。

その対応として、アニメーターたちは顔を誇張して、体付きを本物とは違うように変化させることでコミカルなパスカルを生み出したのでした。

パスカルという名前の由来設定に関するトリビア

パスカルという名前がついていますが、この名前はの由来も面白いトリビアが隠されています。


実は「塔の上のラプンツェル」の製作スタッフの中に、実際にカメレオンを買っていた女性がいたのでした。

そして彼女の飼っていたカメレオンのうちの雄の一匹の名前が「パスカル」だったのです。


監督はこの女性「ケリー・ワード」に、正式にパスカルの名前をキャラクターの名前に拝借することを頼んだそうで、これを彼女は快諾しました。

ケリーの担当はラプンツェルの髪の毛を3Dでより自然に見せるための「ヘアー・シミュレーション・ディベロッパー」でした。

が、このパスカルの名前の一件以降、「カメレオン飼育係」という肩書でも呼ばれるようになったそうです。

残念ながら、エンドロールでは彼女の名前は「カメレオン飼育係」としては、紹介されていませんが。




エンドロールの話でもう一つ、紹介したことがあります。

1995年のピクサー作品「トイ・ストーリー」より始まったのですが、特にアニメ映画のエンドロールで「映画制作時に誕生した赤ん坊」が紹介されているのでした。

「トイ・ストーリー」で編集として携わったリー・アンクリッチが、インタビューで、この「映画制作時に誕生した赤ん坊」の紹介を始めたことについて、このように答えています。

一つの映画の製作を長年続けていると、そのスタッフ通しのつながりはとても密接なものになる。

その間に出産というイベントが起これば、スタッフは家族のように病院にお見舞いに訪れ、自分たちの家族のことのようにお祝いをしている。

そんな強い絆を表す一つとしてエンドロールに「制作時に生まれた赤ん坊の名前」を入れることにしたんだ。

と。


これは他のディズニー作品にも引き継がれているのですが、なんと「塔の上のラプンツェル」の制作時に、パスカルの名前の由来となったケリーが飼っているパスカルも父親になったのです。

、一緒に飼われているメスのカメレオンとの間に、6匹のカメレオン赤ちゃんがふ化して誕生、父親になったのでした。

それをお祝いし、「塔の上のラプンツェル」のエンドロールには、「制作時に生まれた赤ん坊」の下に「制作時に誕生したカメレオン」として6匹の名前が紹介されているのです。



トリビア・ラプンツェルとパスカルの出会い

そんなパスカルですが、カメレオンのパスカルがラプンツェルと出会ったのはどういったきっかけなのでしょうか?

映画「塔の上のラプンツェル」後、ラプンツェルを主人公としたテレビシリーズスピンオフ「ラプンツェル ザ・シリーズ」が作られました。

2020年5月の今現在、第3シリーズが北米で放送を終了しており、日本でも随時、放送が予定されています。


その第1シリーズの11話「パスカルの物語でラプンツェルとパスカルがどのように出会ったのか、を紹介しているのでした。




この映像から見ると、ラプンツェルが5、6歳くらいだと思われますので、パスカルとの付き合いは10年以上、ということになるのでしょうか。

一人で塔に住んでいたラプンツェルにとって、パスカルはとても大切でなくてはならない友人になったのでしょうね。

まとめ

塔の上のラプンツェル」で登場した、ラプンツェルの親友でもある「パスカル

10年以上の長い付き合いで、だれよりもラプンツェルのことをよくわかっている存在です。


これまでのディズニー作品のテイストをいい意味で壊して、時代にあった作品にしたいと考えた監督二人によって、これまで登場したことのない動物としてカメレオンが選ばれました。

一方で、昔からのディズニー作品に登場した、言葉をしゃべらないけれども表情や動作で気持ちを伝える動物たちの伝統をきちんと世襲し、存在感のあるキャラクターに仕上がっています。


また、見逃しがちなエンドロールのトリビアネタにも、パスカル関連のネタが隠されているのは、とても楽しいですね。












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