アニメダンジョン飯シュローの感謝にマイヅルが滂沱の涙を流した理由を考察

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アニメ「ダンジョン飯」でファリンキメラに襲われて全滅しかかったシュローのパーティー。

生き残った冒険者によって死んだものの蘇生がなされ、アセビを残して全員復活しました。

そんな状況と、ファリンの現状を知ったシュローは冒険の継続を断念し、地上に戻ることを伝えます。

目的が果たせなかったことを謝罪するヒエンやベニチドリに対し、シュローは今までの協力に感謝の言葉をかけるのでした。

しかしそんなシュローの行動に対し、マイヅルは滂沱の涙を流し、ヒエン、ベニチドリ、イヌタデは困惑して見つめ合います。

それは、シュローのセリフを全く予期していなかったから、ということなのでしょう。

が、ではなぜ彼らはこのような反応をしてしまったのでしょうか?

シュローの出身である東方の価値観や、シュローの性格から、その理由を考察してみたいと思います







アニメ「ダンジョン飯」シュローがマイヅル等に感謝するシーン

アニメ「ダンジョン飯」にて愛するファリンを救うため、ライオスとは分かれて故郷の者たち、厳密には彼自身の使用人を伴って迷宮に挑んだシュロー。

使用人とはいえ、シュローの家は代々、工作・諜報の技を持って領主に仕えてきた一族であるため、全員が力のある冒険者でした。

シュローは彼らにとって主筋に当たるとはいえ、今回の迷宮探索はまったくのシュロー個人の意思によるもの。

多少、立場的に断りづらい関係はあるものの、本来の任務のほうが優先されるため、それに反するようであれば、マイヅルははっきり断っていたでしょう。

ですが、マイヅルは、シュローの気持ち、ファリンを助け出したいという動機のほんとうの意味を知っていながら、シュローの手助けをすることに決めます。


シュローも彼個人の勝手な思いから、今回の探索にマイヅルたちを狩り出したことは認識していました。

そこには、マイヅルがシュローの教育係として、幼いときから面倒を見てくれていたという、親子に似た感情を持つ者同士の甘えや期待があったのかもしれません。


そして問題のシュローの感謝のセリフを聞いた状況は、ファリンキメラによってほぼ全滅仕掛けた後であったことが、その後のマイヅルたちの反応に大きく影響していると思われます。

任務的に考えれば、マイヅル、ヒエン、ベニチドリが死亡し、イヌタデが重症という、完全な失敗に終わっています。

彼らの一族の価値観からすれば、失敗は決して許されるものではなく、それこそ機械的に無駄足、足手まとい、敗因と断罪されても仕方ありません。

そんな世界で生活しており、命がなくなっても任務を遂行すること、が命題として生きてきた彼らにとって、主筋に当たるシュローの感謝の言葉は、思いがけなかったのではないでしょうか。

感謝されたマイヅルが滂沱の涙を流した理由を考察

特にマイヅルは、シュローを幼少期から次期当主として教育してきたという立場があります。

組織のトップとして、時には私情を押さえ、全体のことを考えて動かなくてはいけない、冷徹さを持ち合わせねばならないと、教えてきたと思われます。

また、シュローの性格から、自分のことは二の次にして全体として最適な行動はどうであるべきか、と考えているように感じます。

そんなシュローが自身の願いだけでファリン救出に向かいたいと言い出し、それに失敗した後、尽力してくれた手下に対して感謝を伝えるという行為は、よほど嬉しかったのでしょう。

特に、ファリンへの求婚をした際、シュローはどうしてファリンのことが好きになったのか、などの思いを一切伝えず、いきなりファリンにプロポーズしたと言っています。

黙して語らず。

日本の武士の姿を感じますが、その価値観を共有している仲間の間であればいいでしょうが、全く別の文化圏出身のファリンにとってはただのコミュ障のメンバーと写ったことでしょう。

一方で、自分とは違う文化や価値を持つ仲間とともに過ごした時間があったことが、シュローの目を開かせたのだと思います。

感謝していることははっきりと口に出し、言葉で伝えないと伝わらない。

こうした新しい価値観を得ることができ、今回、使用人である彼らに実践した。

その成長にマイヅルは感動したのでしょう。

ヒエンやベニチドリ、イヌダテの反応についても考察

ヒエンやベニチドリ、イヌダテは半本家の使用人としての人生しか知りません。

主筋の命令は絶対で、その命令を遂行して当然、失敗すれば叱責されることはあれど、努力に感謝されることはなかったのでしょう。

彼らが生きてきた世界は、失敗が即ち死に直結するような厳しい世界。

しかもその死は彼らだけでなく、周りの仲間や家族をも巻き込んでしまいかねない重いものです。

失敗はありえず、失敗したのであれば、秘密の漏洩だけは防がなくてはなりません。

身元がバレないように事切れる前に顔を焼く、といった行動を訓練させられていた忍者の話もあります。


そんな彼らにとって、主筋が命じた任務を失敗し、それを謝罪した際に、叱責や罰を受けず、それまでの努力を認めて、感謝されるようなことは、これまでありえなかったのでしょう。

それが、次期当主という身分の高い人物からされたわけですから、驚かざるを得なかったのでハイでしょうか。

まとめ

今回はシュローがマイヅル等にお礼を言った際に、彼らが取った反応について、その理由を考察してみました。

背景として半本家が隠密を司る家であったことに大きな要因があったと思います。

彼らにとって任務の失敗は、自身だけでなく、味方の敗北・滅亡にまで直結する可能性のある重大なもの。

もし失敗した場合、身元がバレないように顔を焼くといった行為も辞さない厳しさがあります。

そんな世界で生きてきた彼らにとって失敗に対して、それまでの努力を認め、感謝してくれるようなことはなかったのでしょう。

それが、次期当主のシュローによって行われたことで、その驚きはとんでもないものだったと思います。


また、黙して語らず、が美徳とされがちな武士の世界に生まれ、将来、組織の長となるべく育てられたシュローは、口数の多い性格ではありません。

個人の思いよりも全体のことを考えて、行動する性格でもあると思われました。

そんなシュローの教育係であったマイヅルには、シュローが彼個人の願いによって今回の探索の手助けをお願いされたことは、感慨深かったに違いありません。

さらにはその探索に失敗したとはいえ、精一杯努力してきた使用人に感謝の言葉をかける思いやりを身に着け、実際に行動に移した姿を見たわけです。

彼女が教育してきても、教育しきれなかった面を、彼自身がライオスたちの仲間となって過ごした時間で、体得したことに気が付き、シュローの成長に感動したのではないでしょうか。









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