ネットフリックスの映画「ホリデー・オンリー とりあえずボッチ回避法?」を視聴しました。
北米では10月末日のハロウィーンが終わるとすぐにクリスマスを意識し始めます。
テレビコマーシャルではクリスマス商戦を意識したものが放送されだし、クリスマスプレゼント用のカタログも届きだすといった感じ。
大型店に特にその傾向が強く見受けられますが、クリスマスを意識した商品陳列やデコレーションが開始され、人々も今年のクリスマスプレゼントをどうするか、を心配し始めるようになります。
そしてさらにクリスマスが近づけば、多くのパーティーが開催され、招き招かれることになるのですが、その際に、久しぶりに会う人とは近況報告をすることが一般的になってしまうのは自然の流れでしょう。
そんな場所で、家族で行き遅れた唯一の子供となると、プレッシャーをかけてくる親や親類がいるのは、北米でも日本でも変わりがありません。
そういったイベントのパーティーへの出席が円満な家族関係に大きな影響を与え、しかも日本ほど仕事を言い訳に出席しないことが許されない北米では、クリスマスが近づいてくれば来るほどより針のムシロに座らされている気持ちになるのではないでしょうか。
今回の映画「ホリデー・オンリー:とりあえずボッチ回避法」は、そんな境遇の男女が一年間の中で数ある祝日イベントにパートナーとして参加することで、参加するたびに味わう痛い視線から逃れようとするお話です。
ジャンルがコメディロマンスであるため、祝日だけのパートナーという関係からお互いのことが気になり始め、その気持ちに戸惑うことで関係性は一進一退するわけですが、最終的には結ばれるというお約束の終わり方をします。
そんな最初から結末の見えていた映画ですが、2つの点でテンポよく、飽きることなく見ることができ、個人的には楽しめた作品でした。
始めからネタバレが分かる展開でもテンポよく楽しめる
正直見始める前から話の展開が読めてしまう映画で、実際にはその期待を全く裏切らりませんでした。
よく言えば安心してみていられる、悪く言えば古くからある設定の使いまわし、という内容です。
そんな鉄板のストーリー展開でしたが、北米における祝日でのイベントに関して、見ていてとても納得のいく「あるある」ばかりなのが面白かったですね。
ここら辺の感覚は、全体的に見た感覚でですが、日本では希薄になりつつある家族のつながりの強さではないか、と文化の違いを感じながら見ていました。
日本では仕事と家族を天秤にかけた際、よほどの重大ごとでもない限り家族は優先されないと思います。
特に毎年同じ時期に行われるイベント、正月休みやお盆などであれば、その時期に重要な仕事があった場合、仕事が優先されるのではないでしょうか。
それに比べると北米の価値観は、まだまだ家族のきずなの強さを行動によってあらわすことが重要だとしているように思います。
つまり祝日に合わせて行われる家族の集まりに参加しないことが許されない、という価値観につながるわけです。
カトリックを信仰している家族には、今でもサンデーディナーといって日曜に昼食を家族みんなで一緒に食べることを、よほどのことがない限り続けていたりしますし。
そして定期的に集まる家族のイベントで、常に恋人や結婚のプレッシャーを受けることになれば、映画のように「ホリデート」を用意したくなることにも十分納得がいってしまいます。
映画のストーリー展開で感じたのは、クリスマスから始まり、大晦日、続いてバレンタインデー、聖パトリックデー、イースター、独立記念日と進み、弟の結婚式、ハロウィーン、感謝祭とつながる祝日イベントを、実は伝統的な祝い方を描きながら、それぞれ違ったテイストになっていることを見せることで、作品自体を飽きさせないものにしていたのではないか、ということでした。
それぞれの祝日イベントで違った祝い方をしている様子は、見ていて楽しかったし、経験をしている者としては「あるある」が感じられてマンネリ化を防いでいたように思ったのです。
また、パーティーの度にスローンとジャクソンの関係に微妙な違いが生まれてきており、、二人の距離感や互いにどう思っているのかの変化もみられるので、この部分はロマンス映画として楽しむことができました。
要所要所にちりばめられたコメディも、それは映画の中だけでしょ、というような展開の派手なコメディもありましたが、適度に笑わせてくれて、ストーリーに飽きを感じさせないよう、一役買っていたと思います。
「ホリデー・オンリー」では意味の分からない題名
とはいえ、邦題の「ホリデー・オンリー」ってどういう意味なんでしょう。
全く持って映画の内容をきちんと伝えていませんし、この題名を見てもロマンスコメディであるという印象は持てないのではないでしょうか?
「休みの日だけ」取り交わした契約、という意味で「ホリデー・オンリー」としたのかもしれません。
が、でもそうなると取り交わした契約がクローズアップされることになりるのでは?
つまり一番映画の核となる、スローンとジェイソンというキャラクターの関係性に焦点が当てられていないことになってしまいます。
それにイースターあたりでスローンの母親がジャクソンとの関係にいったい何の意味があるのか?、と二人に尋ねています。
パーティーにパートナーを持って行っても結局は質問されてしまいます。
ホリデートがいないときには「彼氏は?」だった質問が、ホリデートを連れてきたことで「結婚は?」「二人の将来図は?」という質問に代わるだけ。
「ホリデート」としてパートナーを連れてきても連れてこなくても結局質問されることは同じですので、なんとなく意味がないのでは、と首をかしげてしまいました。
実際母親から「なぜそんな意味のない関係を続けるのか?」という質問されているのですから、「ホリデート」を連れてくることで解決したかに見えたスローンの問題は、全く変わることがなかったわけです。
最終的に二人が惹かれあってくっつく結末が予想できていたから面白おかしく見ていられましたが。
ライアン・ゴズリングカメオ出演の噂はそっくりさんだった!
この「ホリデー・オンリー:とりあえずボッチ回避法?」にあのライアン・ゴズリングがカメオ出演しているのでは?といううわさがあります。
2度目のクリスマスパーティー。
スローンがジャクソンとスーパーに買い物に出かけ、ジャクソンがスローンに対して本当の自分の気持ちを伝えたもののスローンが自分の気持ちを偽って断った後のシーンです。
スーパーの冷凍食品売り場で言い合う二人。
ジャクソンは気持ちを偽るスローンに対して怒りを発し、「この場にライアン・ゴズリングがいて君を誘ったとしても、人を好きになることの恐怖から断るに違いない。」
と言い切ります。
そのすぐ後のカットで、スローンの後ろに一人の男性が冷凍庫に近づくのですが、焦点が合っていないことでぼんやりとしているものの、なんとそれがライアン・ゴズリングによく似ているので大騒ぎとなったのです。
ジャクソンのセリフの後でもあり、本当にライアン・ゴズリングをカメオ出演させ、しかもエンドロールには出演者として名前も出していない単なるエキストラとして扱った、となればとんでもない話題があることになりますよね。
エキストラの名前はチャド・ジグマンド
が、実際にライアン・ゴズリングが「ホリデー・オンリー:とりあえずボッチ回避法?」に出演しているわけではなく、そのそっくりさんであるチャド・ジグマンド(CHAD ZIGMUND)という俳優兼スタントマンが演じていたのでした。
チャド・ジグマンドのプロフィール
ライアン・ゴズリングではないかとうわさされたエキストラはチャド・ジグマンドという俳優でした。
いったいどういった俳優なのでしょうか?
チャド・ジグマンドはアメリカのジョージア州アトランタ市を拠点に活動している俳優です。
ユーチューブにチャド・ジグマンドが公開している彼がこれまでに携わった作品のシーンをまとめた動画がありましたので、紹介しておきましょう。
これまでの出演作品を見てみるとショートフィルムがほとんどです。
長編映画にも「ホリデー・オンリー:とりあえずボッチ回避法?」のようにエキストラで出演し、エンドロールに名前が載っていない可能性はあります。
今回のことでライアン・ゴズリング似の俳優として有名になったので、今後、ライアン・ゴズリングのスタントとして声がかかる可能性もあるのではないでしょうか。
チャド・ジグマンドのインスタグラムを見てみるとすでに結婚していることが分かります。
2年目の結婚記念日をお祝いするインスタを公開していました。
まとめ
映画「ホリデー・オンリー:とりあえずボッチ回避法?」は祝日イベントを家族で盛大にお祝いする北米の文化において、家族とのかかわりの中でのわずらわしさに辟易している北米人に刺さりやすいコメディロマンスだと思いました。
家族によるそこまで煩わしい干渉に嫌気を感じ、また結婚至上主義的な価値観しか持たない母親にも嫌悪感しか持てない人もいるかもしれませんが、いわゆるロマンスコメディのお約束設定として考えれば、有りなのではないでしょう。
コメディ、ロマンス、文化の違いなどが程よくブレンドされており、深く考えることなく、この手のジャンルの映画が好きな人には楽しく見ることのできる作品だと思います。
それにしても北米人にとってやっぱりクリスマスというイベントは何に付けても一番大きな行事なんでしょうね。
クリスマス映画ではないのにポスターなどはクリスマスもののような見せ方をしていますし。
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