映画「レミニセンス」は近未来を舞台にしたSFサスペンス&恋愛ストーリーという作品でした。
記憶をメインテーマにしており、主人公ニックが突然巻き込まれた問題を解決するためにも「記憶」は重要な役割をしています。
いろいろと映画を視聴させるために、かなりなパワーワードをちりばめたCMが出回っていますが、実際に視聴すると、結構、拍子抜けする残念な内容でしかありませんでした。
今回は映画「レミニセンス」が名前の通った俳優を起用しても、それがいかされずに、面白くない、つまらないという評価を受けるに至った理由をまとめていきたいと思います。
映画「レミニセンス」がつまらない理由の3ポイント
映画「レミニセンス」は、前評判はとても高かった映画でした。
実際に僕自身も予告動画やCM、ポスターなどを見てみると、記憶を使って謎を解きあかす、とても面白いサスペンス物として期待が持てていました。
が、実際に視聴してみると、最初はとてつもない眠たくなり、途中は興味が湧いてストーリーにかなり入り込んでいけたのですが、謎解きとエンディングへの展開は、正直、肩透かしを食らった気分になってしまいました。
それでは映画「レミニセンス」がつまらなかったと思ってしまった理由を具体的に一つずつ、紹介していきます。
尻切れトンボ感がすごくて面白くない
とにかく映画を見終わったとき、エンディングに何のひねりもなく、盛り上がりもなく、「これで終わり?」と思ってしまいました。
というのも、ニックがメイと結ばれてお終い、というひねりも何もないエンディングだったからです。
それまでの展開で最後にコレ?って、正直がっかりしてしまいました。
ニックにとって、どのような女性かわからないまま、一目ぼれで付き合い始めたメイ。
悪い女性ではなさそうですし、ニックのことを愛していると思わせておいて、何の前触れもなくいきなり消えてしまったと知らされます。
その後、実はかなり悪いことというか、冷酷なことを平気でできる女性であったことが分かり、しかも危険なことにまで手を出している疑いまで高まってきます。
そんな裏のありそうなメイでしたが、エンディングに近くなるにつれ、違法薬物を扱っている組織のボスを裏切り、ブツをもって高跳びした過去が嘘のように、普通に良心的な女性になってしまっていて、あれ、っと感じ始めました。
そして記憶を見ることのできる機械レミニセンスでニックに対して愛を打ち明ける。
とても普通の展開で何のひねりもない、としか思えなかった…。
薬を盗み出した過去のエピソードや、殺人の疑いを向けずにはいられないシチュエーションに対して、これらを納得しつつ、最後には愛に生きる女性であることを選んだ彼女の決断に、納得できる説得力は見つけられませんでした。
その釈然としないストーリー展開こそが、尻切れトンボ感を出しているのだと思います。
キャラを含めたすべての設定が弱い・意味ない
尻切れトンボ感を感じた理由としてメイの心境の変化に納得できるだけのエピソードがないから、とあげましたが、納得のできない、もしくは意味が分からない設定が多いのもつまらないと感じる要素だと思います。
例えば、地球温暖化による海水面の上昇とそれによって水浸しになっているマイアミの街並み。
実際に未来には起こりうるかもしれませんが、物語のストーリーに何なら水浸しの通りというのはかかわりはありませんでした。
また、戦争帰りのはずの元兵士、ニックですが、あまり強そうな描写はありません。
セイント・ジョーのアジトのバーで銃撃戦を含めた乱闘シーンになった時も、ワッツは高い戦闘能力があると分かりましたが、ニックはからっきしに弱いまま。
本当に二人とも戦争帰りの元兵士なのか、と疑ってしまうほど戦闘能力はかけ離れていました。
だいたい、戦争がストーリーに必要だったのか、という根本的な疑問も感じました。
うがった見方をすれば、
-
・ニックやワッツに戦闘能力を持たせたい
↓
・元兵士としておこう
・高い戦闘能力を持つ説得力は?
↓
・戦争に行っていた過去の経歴を付け加えよう
・だとしたら、
↓
・最近戦争があったという設定にしておこう
という具合に決まったのではないか、と思わざるを得ません。
ストーリー的にニックが元兵士であるという設定が活かされている唯一のシーンは、タマラのもとを訪れて、セキュリティにつまみ出される場面。
本来なら射殺されるはずでしたが、腕に彫られたタトゥーから戦争に従軍していたことが分かり、同じく兵士上がりのセキュリティから仲間意識で今回だけは、と助けられました。
それ以外には戦争でのトラウマだとか、培った経験だとか、はたまた昔の仲間のコネクションだとかは一切出てこず、元兵士という設定も本当に必要なのか、というほどのごく薄い味しか出ていません。
まぁ、足をなくした常連客のハンクは同じ部隊で一緒に戦争に参加したという設定のようですが。
最後に言わせてもらえれば、レミニセンスという記憶を再生する機械。
記憶というのはほとんどが目から入ってきた視覚情報によって形成されますよね。
それはいいのですが、依頼者がニックのオフィスにやってきて記憶を再生している際に、ニックとワッツが見られる記憶の映像は、その人物が見た視点で映し出されるはずではないでしょうか。
例を出して言えば夢を見ているときのような映像のはずで、その映像は第3者からの視点ではないと思うのです。
映画の中では、エイヴリー・カスティッロ検事の依頼で意識不明の容疑者の記憶を調査した際に画面に映し出された映像が正しいはずです。
もちろん、オフィスにあるレミニセンスはスクリーンに映し出されるタイプの映像をより高度処理して映画やテレビの映像のように第3者視点で見られるようになっているのかもしれません。
あと、このような視点でみられるようになっていないと、メイがニックに告白するシーンが絵にならない、というご都合主義もあったのでしょう。
結局何のジャンルの映画か分かりにくい
さらにこの映画「レミニセンス」を分かりにくくし、ひいてはつまらなく感じてしまう理由として何のジャンルなのか、がはっきりしないところでしょう。
レミニセンスという記憶を鮮明に再生する機械が登場してSFチックに始まる冒頭。
それがいきなりラブロマンスか、という感じで始まった途端、メイが失踪し、その理由と行方を捜すサスペンス調に変わります。
正直に言えば、このサスペンス調で進んだ部分はかなり興味を持って映画を見られていました。
が、謎がどんどんとわかっていき、メイがどのような意図でニックにつながり、その目的を果たして何が行われたのかが分かり始めた途端、かなり安っぽく全部の謎が分かってしまいます。
サイラスを捕まえてレミニセンスにつなげた時点で謎は全部解明してしまい、あっけなさを感じずにはいられませんでした。
さらに実はメイは善玉キャラで、ニックのことを愛していたという告白をするに至ってまたラブロマンスに逆戻り。
この入れ替わりの激しさと、お互いの絡みが感じられないことで、いったいどんなジャンルの映画として楽しめばいいのか、困惑してしまったわけです。
この分かりにくさは、結局のところ、伏線のような設定があってもそれに対しての説明不足や、ストーリーにその設定である必要性を感じさせない説得力のなさが原因なのでしょうね。
つまらない理由のまとめ
映画「レミニセンス」を見た感想としてなぜつまらないと感じたのかの理由をあげていきました。
最後に簡単にまとめてみましょう。
-
・エンディングが微妙
・説得力や必要性を感じない設定が多すぎ
・映画のテーマが何なのか、はっきりせず、あれこれと飛びすぎ
このような理由になると思います。
キャストは折角これだけのネームバリューを持つ俳優を集めて、と思えるだけに残念な結果になってしまったと言わざるを得ないでしょうね。
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