映画「IT チャプター2」が公開されました。
これで前作から27年越しに、ルーザーズクラブとペニーワイズの決着がついたわけですが、巷では「チャプター3」の可能性について色々と噂話が飛び交っています。
特にチャプター2でも明らかにされていない謎がいくつも残っており、その解答としてチャプター3があり得るのでは、というのが、噂の出どころのようです。
それでは、実際にどのような疑問がまだ残っているのかを紹介し、チャプター3が作成される可能性があるのかどうか、考察していきたいと思います。
チャプター3を感じさせる9の疑問点
それでは次回作が作られるかもしれない疑問点を一つずつ、見ていくことにしましょう。
ペニーワイズがヘンリー・ハワードを助けた理由
チャプター1では、その物語の後半に少し、そしてチャプター2では全体を通してヘンリー・ハワードの存在を利用し、メンバーに攻撃を仕掛けていったペニーワイズ。
チャプター2ではヘンリーは最初から、ペニーワイズの存在を知っていたかのように、赤い風船を見てとても興奮する姿などが描かれています。
小説では、虐待を加えていた父親だけでなく、チャプター1で犠牲となった多くの子供達を殺害した犯人として捕まっており、年齢的なものも考慮されて、精神病院で隔離されていました。
たしかにヘンリーの存在はペニーワイズが利用するにはとても都合のいいものではありましたが、ペニーワイズは人間のシリアルキラーではなく、超自然現象という立場で、身代わりの犯人を必要とはしません。
ヘンリーが殺人者として捕まって27年間、施設で無事に生きながらえることを望んていたのかもしれませんが、27年後に利用する人物は別にヘンリーでなくても良かったようにも思います。
例えば、映画の冒頭でゲイのエイドリアンを痛めつけて川に投げ込んだ不良たちを利用してもいいわけです。
なぜ、ペニーワイズがヘンリーに固執したのか?
細かいことかもしれませんが、謎であることは確かです。
エディはリッチーをどう思っていたのか?
チャプター1では全くそんな衝撃の事実を感じませんでしたので、リッチーがゲイだった、しかも子供の頃から、ということがわかって驚きでした。
で、チャプター1の頃からエディに気があった、ということで、その理由としてなんだかんだとちょっかいを出し、からかっていた、というのですが、別にエディだけではなく、他のメンバーにも同じように接していたように受け取りました。
僕自身はどちらかというとリッチーはスタンリーのほうとのカラミが多かったように感じていましたので、まるっきり想定外だった上に、少し納得がいっていないのが正直な気持ちです。
それはさておき、リッチーがエディに気があるのはわかったとして、エディはリッチーに対してどう思っていたのでしょうか?
エディは母親そっくりの女性と結婚しており、ゲイでないことはわかっています。
ですので、リッチーに対してリッチーが思っていたような特別な思いはなかった用に思いますが、リッチーを助けたペニーワイズとの決闘シーンを見てみると、あるいは?と穿った見方をしてしまえるようにも見えます。
ともあり、エディはチャプター2で死んでしまいますので、チャプター3で二人の関係に進展はありえませんが、心の底ではエディはどう思っていたかということが明らかにされる可能性はありえるのではないでしょうか。
ペニーワイズはいつ地球にやってきた?
ペニーワイズの元である3つ「死の光」
これらは地球外の宇宙からやってきて地球に衝突したふうに描写されています。
そしてデリーが形成される前、この地方に住んでいたインデアンがペニーワイズの災いにさらされ、対抗策として封印しようと試みたことが明らかになっています。
ですが、ペニーワイズが地球にやってきたのがいつ頃であるかは、映画の中でははっきりと説明されていません。
映画の描写ではインデアンがデリーが出来上がる地域に住んでいた頃に、ペニーワイズが地球にやってきたように思えるような、そんな演出がされています。
一方で小説では100万年前、1000万年前から8000万年前、恐竜の時代に地球にやってきた、というような表現がなされています。
6550万年前に隕石の衝突が原因で恐竜が絶滅した、という説が有力だと見られていますので、もしかするとペニーワイズの地球到着が恐竜を絶滅させたのかもしれません。
ペニーワイズはなぜピエロ?
ペニーワイズは姿を自在に変化させることのできるモンスターです。
が、基本の形はピエロの姿であることが、チャプター1、チャプター2を通して描かれています。
ですが、この理由がなぜなのか、映画の中でも小説の中でもはっきりと述べられていません。
1972年から1978年の間に33人の少年を殺したシリアルキラー、ジョン・ケイシーが元ネタである、という説もありますが、実際にスティーブン・キングがこのことにコメントを出している資料は見つかりませんでした。
チャプター2でベバリーが子供の頃に住んでいたアパートを訪れたとき、出迎えた老婦人が壁に飾っていた子供の頃の写真が映し出されるシーンがあります。
そこでは彼女の父親がサーカスに入ったこと、そして写真に写っている荷車に「ペニーワイズ」の文字が入っていることから、何らかのヒントが隠されているのかもしれません。
が、この老婆自身が、ペニーワイズが化けていたので、はたしてピエロに姿をメインしている理由のヒントなのか、ペバリーを怖がらせるためのアイテムなのか、判断に迷いますね。
スタンリーが過去のことを覚えていたのはなぜ?
マイクの電話でルーザーズクラブのメンバーはデリーに戻ることになります。
が、ほとんどのメンバーは27年前に怖いことがあったことは覚えていますが、実際に何があったのか、記憶がはっきりしていない、と主張します。
ところが一人だけ、スタンリーはマイクの電話で何が起こっているのかを理解し、再度ペニーワイズと対峙をしないといけないことに絶望して自殺をしてしまいます。
つまり自殺をするくらい、ペニーワイズと再会したくないと思ったわけですから、ペニーワイズとの間に何があったのか、鮮明に覚えていなくてはおかしい、ということになるわけです。
そこで疑問に思うのは、なぜスタンリーはひとり27年前のペニーワイズとの出来事を覚えていたのでしょうか?
唯一スタンリーが他のメンバーと異なるのは、27年前に下水道の中でペニーワイズに顔を噛みつかれたことです。
果たしてそれが、スタンリーが一人だけ27年前のことをきちんと覚えていた理由なのでしょうか?
封印の儀式はどう働くはずだったのか?
マイクが現地のインデアンから学んだというペニーワイズの封印の儀式。
映画を見る限り、説明されたとおりに行えば、ペニーワイズを本当に封印できそうな、本物の超自然現象的な儀式のように見えます。
が、実際には映画の上映時間の4/5を使って準備をした儀式も、ペニーワイズを封印することはなく、しかもマイクもはじめからうまく行かない可能性があることを、実は知っていたという展開でした。
実は小説バージョンと映画バージョンの儀式はかなり違うのもになっています。
そして両方ともペニーワイズを封印することに失敗してしまうのでした。
実際にこの儀式、やるだけ無駄な、はじめから成功しないことが決まっていた代物だったのでしょうか?
ペニーワイズは本当に死んだ?
儀式での封印は失敗したものの、生き残ったメンバーの言葉責めでペニーワイズはどんどんと小さくなり、やがて心臓をくり抜かれ、潰されて死んでしまいます。
今回のペニーワイズの消滅の仕方を見る限り、本当に死んでしまったかのように見えましたが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
小説ではペニーワイズは最後、大きな蜘蛛となってメンバーに襲いかかります。
映画でも下半身が巨大な蜘蛛という出で立ちでメンバーを追い回し、エディを毒牙にかけるわけです。
小説ではこの巨大な蜘蛛はいくつもの卵を持っていたことになっており、そのうちのいくつかが孵化して新たなペニーワイズを生み出した可能性も考えられます。
スティーブンキングのその後の作品でペニーワイズが登場したように描かれているものがあります。
「トミーノッカーズ」という作品の中で、デリーという街の下水の中でピエロを見たような気がする、というセリフを話すキャラクターが登場します。
「ドリームキャッチャー」ではデリーの街の中で「ペニーワイズは生きている」という言葉が壁に書かれていたシーンがあります。
チャプター2でペニーワイズは完全に消滅したような描写でしたが、それで言えばチャプター1の最後もペニーワイズが消滅したように描かれていました。
ペニーワイズは本当に死んだのでしょうか?
ペニーワイズはどこから来たのか?
映画ではペニーワイズは宇宙から地球に衝突するような形で降り立ったように描写されていました。
となるとペニーワイズはエイリアンということになるのでしょうか?
小説ではこの世界とは別次元のマクロバースという次元からやってきたことになっています。
このマクロバースはスティーブン・キングの作品をつなぐ世界として考えられており、その中にはこの世界を作り出した大いなる亀が住んでいる場所でもあります。
しかしなぜペニーワイズがマクロバースから抜け出して、この世界にやってきたかという理由などは語られておりません。
ペニーワイズがどこから来たのかは、全くの謎になっているのです。
「死の光」とは?
同じく大きな謎となっているのは「死の光」です。
ベバリーがチャプター1で直視し、それが理由でメンバーがどのように死ぬのかがわかるようになったことが映画内で述べられています。
しかもその死は畳の上で大往生というものではなく、スタンリーが自殺をしたような、不本意で、痛々しい死に様のようです。
とはいえ、「死の光」が何であるか、何をすることができるパワーを持つのか、存在することでどのような影響を及ぼすのか、など、詳しいことは全く明かされていません。
さらに言えば、死の光が本体なのか、ペニーワイズが本体なのか、そもそもどちらが本体という考え事態が意味を成さないのか、そこらへんも全くわからないままです。
これらの謎を解き明かすためだけにでも、続編が作られてもいいように思うのですが、いかがでしょうか?
IT チャプター2の続編はあり得るのか?
いくつか思いつくまま、謎を羅列してきました。
その中には続編を作成しない限り、答えが見つからないものもいくつか含まれています。
では、続編はあり得るのでしょうか?
監督のアンディ・ムスキエティはインタビューで、もしその可能性があればぜひ関わりたい、という発言をしています。
これは監督だけでなく、キャストの面々もほぼ同じような反応でした。
一方で、映画はオリジナルの小説を元にしていることも、全員がしっかり理解しています。
ですので、「続編の可能性は?」という質問に対し、全員が
小説がこれで終わりなのだから続編はないであろう
という答えを第一声に上げているのでした。
ということは、裏を返して考えてみると、スティーブン・キングが承諾し、続編をかきあげたのであれば、続編が作成される可能性が高い、と言えるのではないでしょうか。
さらに言えば、小説ではなく、映画をオリジナルとしてチャプター3を作成することにスティーブン・キングが賛成し、脚本を担当するなどした場合、十分にありえると思うのです。
まとめ
「IT チャプター2」の続編、その可能性についてをまだ明かされていない謎や疑問を明確化することで、考えてみました。
多くの謎が残ったままであるため、それを解決するために続編を作成する余地はあると思います。
ただし、原作者のスティーブン・キングの意向が一番強い影響力を持つのではないでしょうか。
つまり、スティーブン・キングが賛成すれば、続編の可能性が高まり、反対すれば、続編は無し、ということです。
コメント