「ジュラシック・ワールド2 炎の王国」を視聴してきましたが、評判通りのツッコミどころ満載のストーリーでした。
今回はネタバレ有りで、ボクが感じた「なんでそうなるの?」というツッコミ所を紹介したいと思います。
注意!ネタバレありです!
映画を見ていない方でネタバレを知りたくない方は、ご覧下さらないようにお願いします。
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クローン人間である少女の登場理由は?
この映画の一番の驚きの存在でもあるクローン少女メイシー・ロックウッド。
正直、その事実を知ったところで、衝撃は全く無く、「話に必要なの、その設定?」というのが、まっさきに頭に浮かんだ感想でした。
まずは、彼女とその家族であるベンジャミン・ロックウッドに対してのツッコミどころから初めましょう。
ベンジャミン・ロックウッド
「ジュラシック・パーク」シリーズで恐竜たちを復活させ、ジュラシック・パークを作り上げたのはジョン・ハモンドの盲目的な夢によってでしたが、その間、一度たりとも話に出てこなかったパートナー、ベンジャミン・ロックウッド。
これはあまりにご都合主義がひどいと感じました。
そして、彼がジョン・ハモンドと決別した理由が、交通事故でなくなった娘を、恐竜を作り出すために研究していたクローン技術で作り出そうとしたため。
恐竜は良くて、人間のクローンはダメ。
だからジョンはベンジャミンをプロジェクトから追い出して、一人で最終的にジェラシック・パークを作り上げたことになっています。
でも、ベンジャミンは結局、人間のクローンを作り出すことに成功しています。
人間のクローンを成功させているのであれば、他の生き物、そして恐竜さえも、彼は作り出すことのできる技術を持っていると考えるのが、普通ではないでしょうか?
いったい、ロックウッド財団は何の商売で利益を生み出しているのか、とても不思議です。
やはり、クローン人間を作り出せるくらいですから、製薬会社とか、医療関係の事業をやっていて、その富で財団を築いたのでしょうか?
自宅の豪邸に博物館真っ青の巨大な恐竜展示ルームがあって、本物か偽物かは知りませんが、恐竜の化石からミニチュアまで展示してあるほどの恐竜マニア。
だったら、ジョンから追い出されたとしても、自分でも恐竜を作り出す研究を続けたらいいのに、と思いました。
実際、やろうと思ったらできるだけの財力はあるのですから、不可能ではなかったでしょう。
なぜ、人間のクローンは作って、恐竜のほうは断念したのか、納得のいく理由は明かされていません。
ロックウッド財団
次に不思議に思ったのが、この映画の悪役イーライ・ミルズ。
恐竜をイスラ・ヌブラル島から持ってきてオークションにかけて売りさばくわけですが、その動機はお金。
つまり、お金儲けで恐竜を軍事企業に闇取引しようというわけです。
ということは、それだけのお金を持っていない、ということになりますよね。
だって、お金持ちであれば、それ以上のお金儲けにはそんなに興味が湧かなくなるはずですから。
少なくとも、危ない橋を渡ってまで稼ごうとは思わないはずです。
恐竜を捕まえてきて、アメリカまで持ってこさせ、その後、危ない連中に高額な値段で売りつけるわけです。しかも闇で。
もし、あのオークションの後、売れた恐竜が輸送中に環境の激変に耐えきれずに死んだ、となれば、どうなったでしょうね。
それでもまだ、研究対象の価値はあるでしょうが、粗悪品を掴まされた、と感じた組織が一つでもあれば、その理不尽なとばっちりを、報復として受ける危険性があると思うのです。
そんな危険を犯してまで恐竜を売りさばこうというのですから、オークションで売り上げた金額ほどは、所有していないということになります。
財団の運営者という立場は、薄給なんでしょうか?
あと、かなり笑えるというか、考えさせられるのが、恐竜の値段。
オークションで売り上げた値段は130億と言っています。
これをイーライ一人が手にするわけではないでしょうから、彼の取り分はもっと少なくなるとして、この映画「ジュラシック・ワールド2」の制作費は170億。
恐竜を何頭売り払ったのかわかりませんが、それでも映画一本取れるだけの費用が捻出できないというのは、いかがなもんでしょうか?
メイシー・ロックウッド
彼女がクローン人間である必要性ってなんでしょうか?
ストーリーの展開上、彼女がクローンであろうが、本当の孫娘であろうが、全くの違いはなかったと思います。
クローンだからといって、主人公のオーウェンやクレアの態度が急変したこともないですし、特殊な薬品を摂取しないと衰弱していくというような、設定もありません。
正直、実はイーライがオーウェンやクレアがメイシーを守ろうとする気持ちを削ぐために嘘を言っていた、というストーリーでもおかしなところはなかったと思います。
ベンジャミンが持っていた本に挟まれた写真がクローンであることの唯一の証拠みたいでしたが、ボクはあれを見ても、何のことだか意味がわからなかったです。
それほど、彼女がクローンなのか、人間なのかは大したことではありませんでした。
で、彼女がクローンである理由は、と考えるとやっとのことで2つだけ思いつくことができたのです。
一つはジョンとベンジャミンが恐竜を作り出す事業のパートナーであったのに、道半ばで仲違いしたという過去を、正当化するため。
そしてもう一つは、毒ガスが充満しつつある地下室で死ぬ以外に道がなかった恐竜たちの命を救い、外の世界に逃すという行為にある程度の説得力を持たせるため。
実際、クレアですら、恐竜達が外の世界に逃げたした後の、地球規模で生態系に及ぼす影響を考えて、そのまま死滅することを受け入れたのに、じゃ、だれが恐竜を助ける事ができるのか、となるわけです。
となると、クローン人間が、同じくクローンとして生み出された恐竜を助けるという行為は、ある程度、納得がいくと感じたのでした。
しかし、とは言ってもクローン人間で、しかも10歳前後の子供の判断、というものも加わってのことですけど。
また、納得したといっても、それでも「オイオイ、何してくれてんねん!」と同時に強く思ったわけですよ。
その行動って次の映画のためだけで、あとからさも当然そうな理由を探してきてストーリーにぶっこんだ感がひどかったですね。
テーマパーク ジュラシック・ワールド
設定では前作のジュラシック・ワールドから3年が過ぎている事になっています。
不思議なのはその間、今回火山が爆発するからということで恐竜を救うという目的で捕獲隊が送られてきた以外には、だれも恐竜を捕まえて金儲けしようと思いつかなかったことです。
ジュラシック・ワールドの事件は世界規模のニュースになっていて、誰もがイスラ・ヌブラル島に恐竜が放し飼いになっている、ということは知っているはずです。
しかもコスタリカの沖合で、治安もそんなに良くないはず。
海賊なんかがいても不思議でない地域で、一攫千金を狙って、恐竜を捕まえて闇で売りさばこうと思いつく人間が誰も出てこないことは不自然でしかありません。
何も生きた恐竜でなくても、卵であったり、死骸であったり、骨だけでもいいわけです。
そこからDNAを採取できるのですから、その価値はかなり高いはずです。
で、映画の冒頭でようやく、それを思いついた一団がインドラプトルの骨を採取しにきていました。
この一連のシーンはツッコミどころ満載です。
潜水艇に乗っていた二人の会話で、「安心しろ、恐竜はすべて死に絶えた」といっていますが、彼らを島に送り込んだイーライは、島でヴェロキラプトルのブルーがまだ生きていることを知っています。
何の根拠があって、「死に絶えた」なんてセリフを吐いているのでしょうか?
その後、モササウルスに襲われるのですが、モササウルスもガラスの球体を飲み込んで大丈夫なのでしょうか?
潜水艇の動力源が何なのか、見た感じバッテリーだと思うのですが、よく幼子がボタン電池を誤飲した結果、胃に穴が開いてなくなるという事故が起こっています。
同じ電池ではないでしょうが、体にいいわけ無いと思うのです。
で、地上でモササウルスのいるエリアと外洋とを閉じる扉を閉めるだなんだ、と通信しています。
モササウルスのいた湖は島の真ん中にあって、外洋とはつながっていないことが前作の映画の中ではっきりと映し出されています。
いつの間に、外洋とつながったのでしょうか?
また、その扉。タブレットで閉めるのはいいのですが、途中でタブレットが壊されたからって最後まで閉まらずに扉が止まること、ありえますか?
考えられるのが、閉めるコマンドをアップロードし続けないと閉まらないシステムですが、
そんなの本当にありえるのか?
一度「閉める」を押せば、後は閉まりきるまで勝手に動くはずでしょう。
なんてったってモーターで扉を開閉しているはずですから、しまっている途中でタブレットが壊れたって、モーターは締め続けるはずです。
たとえば、DVDプレイヤーでDVDの取り出しを押して、完全に出てくる前にコントローラーを壊したら、途中で止まる、というのと同じことですよね。
ありえませんよ、そんなの。電源抜かれた動かすための電気がなくなったというのであればわかりますが。
そしてタブレットの兄ちゃん、潜水艇のメンバーとは無線連絡しているのに、ヘリにいて危険を知らせようとしてくれているメンバーとは肉声だけでやり取りしているの、おかしいでしょう。
しかも嵐のような悪天候で、ヘリの羽が回っていれば、その音もすごいはずですし、少なくともヘリの操縦者とは無線連絡できるようにしておきましょうよね。
最後、ティラノサウルスからなんとか逃れた、と思いきや海の中から出てきたモササウルスに食べられてしまうのは、可愛そうでしたが、モササウルス、なんで人間を食べないと気がすまないのでしょうか?
モササウルスの体長は約20 m、人間が1.8 mとした場合、大雑把に計算してその差は10倍です。
つまり1.8 mの人間が、どれだけ腹をすかしていれば、18 cmの食べ物に飛びつくのだろうと思うわけです。
もっと大きな獲物を食べようとしようよ。
だいたい、なんで数人程度のメンバーでしかも悪天候の夜に骨を回収しようとしたのでしょうか?
少なくとも昼間にしておけばいいのに。
オーウェンの作戦は?
ブルーを助けるため、と説得されてイスラ・ヌブラル島やってくることになったオーウェン。
ブルーを探しに行ったのはいいですが、彼が思っているよりも早い段階で麻酔銃が発射され、ブルーは怒ってメンバーの一人に飛びかかります。
ブルーに襲われた人物は銃でブルーを撃ち抜いて九死に一生を得るのですが、その一連の行動にオーウェンはカンカン。
グループのリーダーであるケン・ウィートリーに向かって殴りかかっていきますが、麻酔銃で撃たれて地面に伸びてしまうのでした。
さて、ここの一連の出来事を考えてみましょう。
一番最初に浮かぶ疑問は、オーウェンはどうやってブルーを捕まえる気でいたのでしょう、ということです。
ジュラシック・ワールド2になって、妙にオーウェンの意図するを細かい命令まで理解するようになっている気がしてならないブルーですが、あの場面にブルーを収容する檻のような設備は持ってきてなかったと思います。
もし、画面にうつっていないだけで、実は持ってきていたとして、オーウェンの命令でブルーはおとなしく檻の中に入ったのでしょうか?
いくら飼いならしたとはいえ、3年の月日が二人(?)の間に流れています。しかも犬ではなくて爬虫類。
オーウェンがブルーに触れることで、ブルーがおとなしく檻の中に入っていくとは思えません。
もし、あのタイミングで麻酔銃が撃たれなかったら、オーウェンはどういうプランでブルーを確保するつもりだったのでしょうか?
だいたい、イーライが送った武装グループの目的はブルーを持ち帰ることで、オーウェンがどうなっても構わないわけです。
ブルーが現れた時点で、麻酔銃で動きを止め、確保が確実にできると判断した時点で、オーウェンはいてもいなくてもどちらでもいい存在になるわけです。
それよりも彼らの真の目的を知ったら、オーウェンが邪魔をする可能性があるわけですから、あの場で確実に息の根を止めておいたほうが良かったとも言えます。
つまり、オーウェンがブルーをおびき出した時点で、ブルーによってオーウェンが殺されようとも、ブルーさえ確実に捕まえることができればよく、ブルーに対して麻酔銃を撃った時点でオーウェンも始末しても構わないわけです。
だいたい、あの時点で悪役の雰囲気は思いっきり出していたとはいえ、武装グループの企みは明かされておらず、彼らがとった行動は、悪意があってやったこととは断定できないはずです。
ケンがオーウェンを麻酔銃で撃ったことも、過剰気味ですが、自己防衛の行為だと主張したとすれば、ある程度は認められると思います。
最後にジア。
あの時点で、落ちていた銃を拾ってケンに銃口を向けるのは、ケン達が悪役であるという先入観が、さも当然として話が進んでいるからとしか思えません。
映画では省かれていたかもしれませんが、オーウェンがブルー確保の計画をきちんと指示していたにもかかわらず、それを全く守らなかったというのであれば、説得力がありますが。
でもね、あの状況で、緊張のあまり、グループの一人が早まって撃ってしまった。
それによってブルーに襲われ、命を守るために、銃で実弾をブルーに対して打ち込んだ。
この一連の動きはごく普通に起こりうるアクシデントでしかないと思うのですよ。
それに対して、オーウェンがあそこまで逆上してケンに詰め寄るのも、どうかと思います。
オーウェンは元アメリカ海軍に所属しており、マッチョなガタイを持ってますから、そりゃ、あんな形相で来られたら怖いでしょ。
おもわず、持っていた銃で先に撃つのもうなずけませんか?
ジオにとってケンは初対面の怪しげな雰囲気を持つ人物ですが、オーウェンのことだってそれほどよく知っているわけではないはずです。
そんなバックグランドなのに、ケンに対していきなり銃を突きつけるのは、オーバーリアクションであり、彼らが悪役であるとネタバレしているに過ぎません。
あと、ブルーを助けられるのは自分だけだ、とみごとに交渉して命が助かったのであれば、オーウェンも一緒に連れて行くことで交渉すべきでしょう。
あの状況で、ジオの立場はかなり強いわけですから、「オーウェンを助けなければ、ここで殺せ」的な交渉でも相手は渋々合意するしかありません。
なぜ、置いていったのか、全くの謎です。
恐竜保護グループDPG
主人公の一人、クレアが恐竜を保護するために作り上げたグループですが、絶対的に非営利団体でしょうね。
オフィスに若い連中が20人くらいいましたけど、そんなに恐竜を保護しましょうというキャッチコピーってお金を集められるのでしょうか?
非営利団体である以上、運営の費用は寄付や募金に頼っているはずです。
今回火山が爆発して島がなくなるということで、ニュースになっていますが、それまでは恐竜がその存在を脅かされるような事柄は起こっていないはずです。
編集カットされたシーンではDPGメンバーであるクレア、ジア、フランクリンがDPGのTシャツを着て小学校を訪問し、啓蒙活動をしている物がありました。
しかし、そうやって学校を訪れて恐竜を守ろうと、子どもたちに話しても、一緒に恐竜を持ってきて見せているわけではないので、インパクトに欠けると思ってしまいます。
ジアといえば、銃弾を打ち込まれたブルーを助けるために輸血が必要だといって、ティラノサウルスの血を持ってくるようにいいました。
しかし以下に獣医学を大学で学んだからって、あまりに無茶苦茶です。
ティラノサウルスは約6850万年~6550万年前の恐竜、ヴェロキラプトルは約8300万年前~7000万年前の恐竜で、全く生存時期は異なっています。
人間ですら、ネアンデルタール人が40万年前~2万年前という時代に違いがあってティラノサウルスとヴェロキラプトルとの差よりも断然近いにもかかわらず、ネアンデルタール人の血液を現代人に輸血したら大丈夫か、と考えても「そんなことないでしょう」となるのに、なぜ恐竜なら大丈夫なんでしょうね。
あとクレアが採血の経験があるから、といっていましたが、ティラノサウルスからの採血とはわけが違うので、これもあんまりです。
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コメント
ジェラシックではなくジュラシックですよ
らくさん、コメント、ありがとうございました!
指摘していただいて、ありがとうございます。m(_ _)m
赤面物です。(-_-;)
早速直しました。