映画「ノマドランド」で主人公ファーンにノマド生活のイロハを教えたスワンキー。
それ以来二人は親友となりますが、やがて別々に旅に向かい、ついには再会することはありませんでした。
そんなスワンキーを演じた俳優はいったい誰なのでしょうか?
今回はそんなスワンキー役を演じた人物の詳しいプロフィールを紹介していくことにしましょう。
映画ノマドランドでスワンキーを演じたのは俳優でない本人!
実は映画「ノマドランド」でスワンキーを演じた人物は俳優ではありませんでした。
本名もスワンキーというノマド歴10年以上の一般人だったのです!
それではこのスワンキーという人物のプロフィールやノマド生活者になった背景、映画に参加することになった事情などを見ていくことにしましょう。
本名シャーリーン・スワンキーのプロフィール
スワンキー役を演じた人物は本名シャーリーン・スワンキーという一般人で、俳優ではありません。
シャーリーンという名前がありながら、通称としてスワンキーと名乗り、仲間も彼女のことをスワンキーと呼んでいます。
そんな彼女について順に詳しく紹介していきます。
スワンキーの出身や分かっている家族情報
これから紹介する情報は、彼女が俳優ではなく一般人であるため、公開されている情報ではありません。
映画がとても大きな話題になったため、いくつもスワンキーに対して依頼が来たインタビューに答えた記事に掲載された情報をまとめたものです。
スワンキーの本名はシャーリーン・スワンキー。
1944年5月16日生まれの80歳です。
ノマド生活者になる前はワシントンに暮らしていて息子達もいました。
夫は脳腫瘍で亡くなっているそうです。
スワンキーがノマド生活者となった経歴と彼女が叶えた夢
スワンキーは64歳の時、ノマド生活者になる決断をしたそうです。
この時すでに夫はなくなり、独立した子供たち家族と同居することもできし、実際同居した期間もあったようですが、同居することでお互いにストレスを抱えることになってしまいました。
かといって一人暮らしをした場合、家賃に5万から10万がかかってしまいます。
家賃を払った後には、生活に必要なお金はほぼ残っていないような状態でした。
今日のアメリカにおけるシニア世代の、特に女性の多くが陥ってしまう典型的な人生コースについて、スワンキーはこう述べています。
若いころには、歳がいってからどのような生活を送ることになるかなんて考えない。
家族のために毎日を生き抜いて、子供たちが独立した頃には現実を思い知ることになる。
その時、ノマド生活者になるしか選択肢がないことに気が付く。
と。
ただしスワンキーは自らノマド生活者になることを選んだのであって、ノマド生活者になるしかなかったのではない、と話しています。
無理をして我慢をし、子供たち家族の世話になることも可能でした。
が、そんな生活にはメリットがないだけでなく、お互いデメリットしか生まれないので、そこに住む必要はないと判断し、自分の意思でノマド生活者となったのです。
そんなスワンキーは折角ノマド生活者になったので、2009年にアメリカ全50州でカヌーをすることを目標に掲げたのでした。
そしてその夢は、2014年5月16日の70歳の誕生日に50州目の最後の州、ハワイの海で目標を達成することになります。
その時海で大声で叫んで、人生で最大の喜びを感じた瞬間を祝ったのだそうです。
また、映画内で話しているカヌー旅行で体験した思い出話は、実際にスワンキーが行ったカヌーでのアメリカ全集巡りの際に体験したものです。
健康保険はノマド生活者には必需アイテム
ノマド生活者として人生を最大限楽しんでいるスワンキーですが、誰にでもノマド生活者になることを勧めているわけではありません。
特に定住生活をあきらめる際には、健康保険に加入しているかどうかが、とても重要なファクターとなると力説しているのでした。
旅先で健康を害した際に病院にかかれるための健康保険はノマド生活者にとって必需アイテム。
保険がないのであれば、ノマド生活者になることは勧められません。
また健康疾患があるのであれば、ノマド生活者になることはやめておいたほうがいい、とも話します。
更にノマド生活者になるため覚悟しておかなくてはならないことに、過去の思い出を捨てなくてはならないことを挙げていました。
思い出を忘れてしまうわけではないのですが、家ではなく車という小さな空間で生活するために、思い出に関係する品物を処分することのできる強靭さが必要だからです。
そして思い出の詰まった品をあきらめなくてはならないときの決断は、思っているよりも精神的にきつい、と話すのでした。
スワンキーが持っている過去の思い出の品は家族の写真にビデオテープ。そして1410年までさかのぼった祖先の系譜に関する情報だけです。
ちなみに1410年に彼女の祖先は、フランスに住んでいたことを発見したのでした。
映画に出演することになったきっかけと女優となった感想
映画「ノマドランド」の監督クロエ・ジャオがスワンキーに映画の出演依頼をしてきた2018年ですが、全く乗り気ではありませんでした。
それよりも予定されていた肩の関節置換手術をすることのほうが大切だったのです。
また主人公を務める2度のオスカー女優賞受賞俳優フランシス・マクドーマンドの名前も知りませんでした。
つまりハリウッドのセレブというステイタスも彼女にとってはどうでもいいものだったわけです。
一方で、監督はスワンキーの手術の予定に支障が出ないようにスケジュールを工面して、撮影を行うほど、彼女の出演を熱望していました。
ちなみに映画内で骨折時の治療などに使用するアームホルダーをしていたのは、この手術を行った為です。
また、ファーンを演じたフランシスも、この映画にはとても意欲的で、スワンキーだけでなく同じくノマド生活者のリンダやボブに、敬意をもって接していたのでした。
全く持って自分自身が映画に出演するなんて考えたこともなかったスワンキーでしたが、実際に映画に出演することになり、撮影もすまして映画が公開される日が決まっても、子供たちには映画に出ることは話していませんでした。
公開された後、一番下の息子が映画を見て彼女にメールをしてきたそうです。
その内容は「映画の中のスワンキーは、本当に自分の母親なのか?」でした。
初めて自分で映画を見た時、細かいところばかりが気になってストーリーが全く入ってこなかったそうです。
アイマックスの巨大スクリーンで自分の顔がアップで映し出されると、どれほど自分の顔にしわが刻まれているかのほうが気になって仕方がなかった、とか。
その後、何度か映画を見ることで、そんな自分のシーンのどうでもいい細かなところではなく、映画全体をじっくり見て、監督が映画でなにを言いたいのか理解することができて、感動したそうです。
撮影中、ほとんどが楽しい思い出ばかりでしたが、一つだけとてもむつかしいシーンがあったそうです。
それは自身が癌を患っているとファーンに告げるシーン。
スワンキー自身は健康で何ら問題はなく、癌を患う話は映画の中だけの事。
しかし死に別れた夫は、実は脳腫瘍で亡くなっています。
だから映画の中で「癌である」と告白したシーンは、個人的に感情的となり、なかなか撮影に臨むことができなかったのでした。
子供たちに彼らの父親ががんであることを告げたつらい過去を思い出してしまい、映画の中の役のセリフだとはいえ、このセリフを言うことで子供たちがどのようなつらい思いを、また、してしまうのではないか、と思えたからだったそうです。
今後のスワンキー
スワンキーはカヌー旅行の夢をかなえるため、全アメリカをめぐっている際、ミシシッピより東をおとずれていて、東部は自分に合っていないということに気が付いたそうです。
人が多く、西に比べて自然を感じる瞬間が少ない、と。
それ以来西部にとどまって、東部には来ていないのだとか。
その中でも映画の中で「砂漠の集い」が開かれたネバダが一番気に入っているそうです。
映画が評判となり、スワンキー自身に何か影響があったのか?と気になるかもしれませんいが、今でもスワンキーはノマド生活者としてこれまでと同じ生活を送っているといいます。
そして今後も、変わらないノマド生活を送ることになるだろう、と語っていました。
まとめ
映画「ノマドランド」でスワンキー役を演じたのはプロの俳優ではなく、実際に映画のようにノマド生活を送っている一般人、シャーリーン・スワンキーという人物でした。
10年以上、ノマド生活を続けており、今後もノマド生活を続けると話しています。
ノマド生活は万人に適した生活ではないので、誰彼にも勧めるわけではないそうですが、スワンキーにとっては、最も充実した生活を送れる生活様式だと断言していました。
今後、他の映画で彼女の出演を見ることはまずないとは思いますが、後悔のない充実した生活を送っている彼女に、一種の羨望を感じずにはいられないと感じてしまいました。
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