映画「キングスマン ゴールデン・サークル」が公開されましたが、大ヒットした1作目の
「キングスマン」の続編ということで、早くも多くの注目を集めています。
そんな「キングスマン ゴールデン・サークル」のネタバレトリビアを紹介します。
裏事情を知ってから映画を見ると、さらにおもしろくなるかもしれません。
関連記事: 映画キングスマンゴールデンサークルのネタバレ感想とあらすじ!
映画に関するトリビア
映画のサブタイトルとして「ゴールデンサークル」と命題されていますが、元々の案は
「ゴールデン・トライアングル」でした。
これは世界最大の麻薬密造地帯「ゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)」から
取られたもので、東南アジアのラオス、ミャンマー、タイが接するメコン川上流の山岳
地帯を指します。
しかし公開前に行われた3回のテスト公開で観客のほとんどが、実際の「ゴールデン・
トライアングル」を地理的にも、歴史的にも認知していなかったことがわかったことから
「トライアングル」にこだわらず、劇中内の組織名「ゴールデン・サークル」に変更した
のでした。
ちなみに「ゴールデン・サークル」の本拠地がカンボジアにある設定はその名残で、
かつて「ゴールデン・トライアングル」呼ばれた地域もラオスとタイは各国の経済発展に
よりケシの違法栽培からウーロン茶などの他の高級製品の栽培に変わってきていて、
同地域にも安全に観光できるように代わりつつあります。
ただし、ミャンマーだけは不安定な政治情勢の影響から、今でも多くの麻薬密造組織が
暗躍し、麻薬の密造と密売は軍閥やマフィアの主な資金源となっています。
編集前の映画の上映時間はなんと3時間40分にも及ぶものでした。
その長さゆえ、Foxは監督に映画を前編・後編の2つに分けることも提案したそうですが、
マシュー・ヴォーンはその申し出を受けず、編集で2時間21分の長さにまで縮めたのでした。
おそらくブルーレイバージョンでは、それらのカットされた部分が公開されることになる
と思われます。
映画の冒頭でポピーランドにてゴールデンサークルの新規メンバーの歯の治療痕跡を消し、
新しい指紋与えて、最後に黄金のサークルを体の一部に入れ墨のように入れるロボットが
登場しますが、このロボットのモデルが存在しており、それはドイツ人モデルで女優の
クラウディア・シファーを意識してデザインされました。
映画内で使用されている曲「カントリーロード」ですが、この映画が北米で公開された
2017年において、「カントリーロード」が映画内で使用された3番目の作品になるのでした。
1作目は「エイリアン・コベナント」で2作目は「ローガンラッキー」です。
ちなみに「ローガンラッキー」ではテキーラ役のチャニング・テイタムが主演しています。
監督のマシュー・ヴォーンはこの事実を知ったとき、とても驚いたと後で語っていました。
脚本を執筆していた2年半前に「誰もカントリーロードを映画の中で使おうなんて思わない
だろう」と思っていたそうです。
ポピーの護衛犬ロボット、ベニーとジェットですが、この名前の由来はエルトン・ジョン
の曲「ベニーとジェット」からです。
(こちらがベニーとジェットの公式PV)
スパイ組織であるキングスマンとステイツマンで奇妙な類似点があります。
それはスパイ活動をしないエージェントのコードネームで、キングスマンではスパイ
活動を行うエージェントは全てアーサー王の円卓の騎士から取られており、ステイツマン
ではアルコールの種類の名前になっていますが、スパイ活動をしないエージェントの
コードネームはキングスマンでは「マーリン」で騎士ではなく、ステイツマンでは
「ジンジャー・エール」でアルコール飲料ではありません。
Foxは2017年9月12日にニューヨークでワールドプレミア上映を計画していました。
しかし同年8月中旬から9月の初めにかけて多大な被害をもたらしたハリケーン・
ハービーの犠牲者への援助を理由に上映はキャンセルされたのでした。
このハリケーン・ハービーで約2000億ドルの被害とわかっているだけで91人の死亡者が
出てます。
プレミア上演をキャンセルし、その上映で使用する予定にしていた予算は全て、被害者
救済募金に寄付されました。
監督&俳優に関するトリビア
監督のマシュー・ヴォーンにとって初めての続編映画となります。
マシューは1996年にプロデューサーとして映画業界で仕事をはじめました。
2003年にブラジル人俳優で歌手のGustavo Goulartが主演したOutstanding, Great,
Amazing, Perfect!という映画をインディーズ映画祭で視聴したのをきっかけに、自分も
映画監督が楽しくできるのではないか、と考え、その一年後に初の映画監督作品を
手掛けたのでした。
現時点で既に監督のマシュー・ヴォーンは第3作目のアイデアがあることを公表しています。
そして次回作での敵役にドゥエイン・ジョンソンを起用してみたい、とも話していました。
さらに、「キングスマン」シリーズの成功に、「ステイツマン」の話をスピンオフで
作ってみたい、とも語っています。
今回撮影に参加した俳優ですが、5人のオスカー受賞者が含まれています。
ポピー役のジュリアン・ムーア、ジンジャー役のハル・ベリー、シャンパン役のジェフ・
ブリッジス、ハリー役のコリン・ファース、そして本人役で登場したエルトン・ジョンです。
ハリー役のコリン・ファースが映画内でほんの少しだけイタリア語を話すシーンがあります。
実際、コリン・ファースはイタリア語を流暢に操ることができるのでした。
コリン・ファースとジェフ・ブリッジスはこの作品で初めて共演を果たしました。
彼らは過去に2度、アカデミー主演男優賞を争っています。
2009年にジェフ・ブリッジスが「クレイジー・ハーツ」で「シングルマン」のコリン・
ファースを抑え、受賞しましたが、翌年2010年にはコリン・ファースが「英国王のスピーチ」
で受賞し「トゥルー・グリット」で主演したジェフ・ブリッジスはノミネートで終わった
のでした。
スウェーデン国王としてティデルの父親役として参加した俳優ビョルン・グラナートですが、
残念ながら、今回の映画が最後の作品となってしまいました。
撮影の後、短いい闘病生活をおくったのちに2017年初め、亡くなられてしまったのです。
ジュリアン・ムーアはポピーというかなりぶっ飛んだキャラクターを演じるにあたって、
ジーン・ハックマンが映画「スーパーマン」の中で演じたレックス・ルーサーをイメージ
したそうです。
ちなみにポピーとはケシの花の名前です。
麻薬組織の女性ボスとして皮肉の効いた命名になっています。
テキーラ役のチャニング・テイタムは、これまで幾つものダンサー役としての経験から、
ポピーの麻薬を吸引したことによる錯乱状態の症状を表現するのに、即興で踊りを踊った
のでした。
ステイツマンの専用飛行機でバーにBorn & Bred Vodkaというアメリカ産のウォッカの
瓶を見つけることができますが、実はこのウォッカブランドのオーナーはチャニング・
テイタムです。
アメリカ合衆国大統領を演じたのはブルース・グリーンウッドですが、彼にとって大統領
の役は今回が3度目に当たります。
最初は2000年に公開された「13デイズ」のJFケネディ役、2度めは2007年公開の
「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」においてです。
面白いのはブルース・グリーンウッドはカナダ生まれのカナダ人であるため、実際に
アメリカ合衆国大統領に立候補することはできないことです。
マーリン役のマーク・ストロングはイギリスとアイルランドで展開している映画館チェーン
Vue Cinemasでの、上映前のエチケット放送のナレーションを担当しているのですが、
「キングスマン ゴールデン・サークル」もふくめ、映画上映前に映画の邪魔になる恐れの
ある携帯の電源を切っておくようにうながすエチケット放送を、マーリンの口調で
作成して流していたそうです。
エグジーを演じた主演のタイロン・エガートンは2018年に公開予定されているスター・
ウォーズのスピンオフ作品「ハン・ソロ スター・ウォーズストーリー」のソロ役として、
ソロ役に決まったアルデン・エーレンライクとともに最終審査に残った二人のうちの
一人でした。
しかし「キングスマン ゴールデンサークル」の撮影が予定よりも早く始まってしまった
ため、ハン・ソロ役は諦めざるを得なくなってしまったのでした。
ネタバレを含むトリビア
エンディングシーンでハリーが、キングスマン創設者の一人の有名なセリフとして
「これで終わりではない、ましてや終わりの始まりでもない。しかしあるいは始まりの
終わりなのかもしれない。」と言っています。
このセリフは第二次大戦中のイギリスの首相、ウィンストン・チャーチルのもので、
つまりチャーチルもキングスマン創設に関わったという設定があることをほのめかして
います。
映画内でエグジーがチャーリーの彼女の体内に発信機を仕込むシーンがありますが、
エグジー役のタイロン・エガートンはこのシーンの撮影には参加しませんでした。
エグジーの手がクレアの下半身に伸びるシーンでは、クララ役の女優、ポピー・
デルヴィーニュの夫がその役を演じているのでした。
タイロンは後のインタビューの中で、監督にそのシーンを演じることができない、と
告げたことを明かし、代役としてポピーの夫がそれをしてくれたことにとても感謝して
いる、と答えています。
監督のマシュー・ヴォーンと原作者のマーク・ストロングの当初の考えでは、実は
マーリンは爆発によって足を失ったものの、実は生きていたということにしており、
撮影もその線で行われていたのでした。
エグジーとハリーがウィスキーを倒した後、マーリンが食堂の入り口から滑稽な動きで
這入ってきて二人に助けを求めます。そして結婚式では義足を履いて参列していると
いうものでした。
しかしテスト上映後、マシューはそれたのシーン全てをカットすることに決めたそうです。
というのも、実は生きていたことにすればマーリンが死んだシーンの美しい自己犠牲の
演出すべてが、観客に受け入れがたいジョークにしかならないと感じたからでした。
一作目が成功し、二作目の話が進んでいた頃、監督のマシューはコリン・ファースを
二作目にもぜひ起用したいと思っていたことは有名ですが、それに対して冗談で、
ハリー・ハートのゾンビとしてとか、邪悪なハリーの双子の弟というB級ドラマのお約束を
話していました。
実際には、ハリー・ハート自身を復活させる方法を考えついたのでした。
一作目が成功した後、2015年に出演したラジオの中のインタビューで監督のマシュー・
ヴォーンは、もし可能ならセレブの中で換金できるとしたら誰を選ぶかという問いに、
エルトン・ジョンの名前を即答していたそうです。
そしてエルトン・ジョンをブチ切れさせたり、アクションシーンで悪役相手に蹴りを
入れたりさせたい、とも答えていましたが、今回の映画で全て実現させることが出来て
いました。
関連記事: 映画キングスマンゴールデンサークルのネタバレ感想とあらすじ!
コメント
マーリンの足についての記述で、「原作者のマークストロング」と書かれてますが、正しくはマークミラーですよね?