イギリスの作家パトリック・ネスの世界的ベストセラー小説を実写化した映画です。
孤独な少年のもとに怪物が訪れるようになり、3つの真実の物語を語ります。3つの物語が
語り終わられた時、怪物は少年に真実の物語をするように要求するのでした。
怪物から語られる3つの物語は水彩画を基調としたアニメーションで制作されており、
とても幻想的で美しいのですが、物語の内容はなかなか奥の深く考えさせられてしまう
ものでした。
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キャストの紹介
コナー・オマーリー: ルイス・マクドゥーガル
病弱な母親と一緒に住む13歳の少年。
リジー・カルトン: フェリシティー・ジョーンズ
コナーの母親。ガンに冒されている。
カルトン婦人: シガニー・ウィーバー
コナーの祖母でリジーの母親。とても厳しくコナーと折り合いが良くない。
怪物: リアーム・ニーソン(声)
コナー自宅の裏庭の墓地に生えるイチイの巨木。怪物となってコナーのもとを訪れる。
ネタバレあらすじ
13歳のコナーは病弱な母親と一緒に暮らしています。母親のリジーはガンに冒されており、
幾つかの治療を試みますが、上手くいきません。
そんな毎日に一人浮いた存在になっている学校ではハリーとその手下からいじめを受けて
いました。
ある夜、裏庭に面した墓地に生えるイチイの巨木が怪物となってコナーのもとに現れ、
これから3つの物語をコナーに伝えるといいます。そして3つの物語を伝え終わったら
コナーが真実を語るのだ、というのでした。
母親の病状が悪化し、病院に入院することになったため、厳格な祖母のカルトン婦人と
一緒に暮らすことになります。
その夜、怪物が一つ目の物語をコナーに話します。
かつてこの地の王国が会った昔、王の家族が死に絶え、孫息子の王子と二人で暮らして
いました。王子は有能で国民から未来の我らの王としてとても慕われていました。
王は若い王妃を迎えましたが、王妃は魔女で、王子が王になれる年齢になる前に
なくなってしまい、王国は王妃が治めることになりました。
王子には王府の娘という恋人がいましたが、王妃は王子との結婚を要求して来たため、
二人で逃げ出しました。
逃避行中、イチイの樹の下で一晩明かした朝、娘は殺されており、王子はそれが王妃の
仕業だととして、国民とともに王妃打倒の軍をあげました。
王妃は捕まり、火あぶりの刑になるところでしたが、怪物が助け出し、遠くの国に逃して
やりました。
しかし真実は娘を殺したのは王子で、それを王妃のせいにすることで自身が王になれると
いう策略をめぐらし、見事に成功したのでした。
リジーの様態は良くなく、離婚してアメリカのLAに住んでいる父親がイギリスに訪れます。
父親と久しぶりの楽しい時を過ごしました。コナーは父親が自分を引き取ってくれると
期待していましたが、それはできないという父親の返事に失望し、祖母のうちに戻ります。
そこで怪物が現れ二つ目の物語を語るのでした。
牧師が自分の信じる教義に沿って、昔ながらの方法で薬を調合している薬剤師を誹謗中傷し、
彼の商売を邪魔していたものの、自身の娘が病気になり、治療、神頼みの甲斐もなく日に
日に弱っていきます。藁にもすがる思いで薬剤師に助けを求め、娘が助かるのであれば
自分が信じてきたもの全てを投げ捨ててもいいというのですが、薬剤師は牧師の願いを
聞き入れず、娘は死んでしまうのでした。
その物語が終わった後、怪物は牧師の家を、罰を与えるという理由で破壊します。
コナーも一緒になって破壊しますが、気がつくと祖母の部屋をめちゃくちゃに壊していた
のでした。
学校では相変わらずハリーたちにいじめを受けていましたが、食堂でハリーに「お前は
いないのも同然の存在だ」と言われたときに怪物が現れ三つ目の物語をします。
物語が終わった時、コナーはハリーを突き飛ばし、さんざん殴りつけて病院送りにして
しまっていたのでした。
リジーの病状は日に日に悪くなっていきます。最後の頼みの治療法も効かず、いよいよ
手の施しようのないところまで来てしまいました。
コナーは墓地のイチイの木のところまできて、母親を治療するように詰め寄ります。
ですが、怪物は逆に、三つの物語を終えたのでコナーが真実を語る番だというのでした。
いつも見る悪夢がそのままに、元気な母親が突如現れた地割れの中に落ちそうになるのを
コナーは既の所で助けます。ですが、崖から落ちそうな母親の腕を取っているものの引き
上げる事はできません。
結局悪夢同様、母親の手は離れて奈落の底へ落ちていくのですが、真実を語れと叫び続ける
怪物に、コナーは母親の手を自分から話した、と白状します。
病気で苦しんでいてこれ以上助かることのない母親、それを毎日見ていて苦しんでいる自分、
二人の苦しみを終わらせるために、母親に安らかになってほしい。そう願っている自分が
存在することを認めるのでした。
いつの間にか寝てしまっていたコナーを祖母が探しに来ます。ついに母親もこれ以上
持たないという状態になってしまい、祖母がコナーをリジーの元へ連れて行くためでした。
車の中で仲直りし、これからは少しずつ分かり合えるよう努力することを約束する二人は、
なんとか母親の最後に間に合います。
母親を看取るコナーの後ろに怪物が現れます。ただ正直にいればいいというアドバイスに
コナーは母親ともっと一緒にいたいと、しがみついて泣くのでした。
リジーは祖母とコナーに看取られながらなくなります。
祖母と一緒に家に戻ったコナーは祖母からコナーの部屋用だと鍵を渡されます。
そこは昔、リジーが使っていた部屋で、机の上には母親が子供の頃使っていたスケッチ
ブックがおいてありました。
それを開いてページをめくるコナーの目には驚きのイラストが飛び込んできます。
そこには怪物がコナーに話した三つの物語の登場人物のイラストが書かれていました。
そして最後の頁には子供の母親と、その子供が肩に乗る怪物のイラストが書かれている
のでした。
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