ネタバレ感想 1 「私を作ったのが人間であるなら、人間を作ったのは誰なのか?」
エイリアンもこれで5作目、プレデターとの作品も合わせると7作目となります。
映画の中の登場人物達はエイリアンの情報が全く無い中で襲われ、逃げ惑っていますが、
観客の僕らはもう、エイリアンの情報を十分すぎるほど持っています。ですので、今更
ハラハラドキドキ、といった感想はあまり持たないと思います。
少なくとも僕はそうでした。
例えば、デヴィッドがオラムにフェイスハガーの卵を見せた場面で、卵が出た時点で、
「はい、死亡」って分かってしまうわけです。
黒い胞子から生まれたネオモーフは、エイリアンのアルビノみたいでインパクトが
有りましたが、新しいキャラとしてはそれくらいで、今後も続編が予定されていますが、
もう、エイリアンの新キャラを楽しみにする映画シリーズではないような気がしています。
それよりもリドリー・スコット監督は生命の疑問というか、哲学的なことを言いたいのでは
と強く感じたというのが、一番の感想です。
前作のプロメテウスでも出てきていましたが、「私を作ったのが人間であるなら、人間を
作ったのは誰なのか?」という疑問、映画の中で答えを出せば、人間がアンドロイドを
作り、その人間をクリエイターという異星人が作った、ということになります。
でも今回で、クリエイターは自身の創造物である人間が作り出したアンドロイドという
2世代下の創造物によって絶滅させられています。
しかもアンドロイドであるデヴィッドは自身の創造物である人間も、エイリアンを使って
抹殺しようという考えがあることを、映画内で打ち明けていました。
創造主が創造物によって抹殺されるというのは、とても皮肉的に思えます。
だって創造主が作り出す創造物は、創造主にとって何らかのメリットがない限り、作り
出そうと考えるわけがないのですから。
作り出すことで自分が便利になるはずだったのに、作り出した物に滅ぼされる。
とてもシュールに感じてしまいます。
とはいえ、これって人間が誰かの意志でもって作り出された場合にのみ、言えるのですけど。
僕自身、人類の起源が古代宇宙飛行士説をまったくもって信じていませんので、正直、
ピンときません。
ただ、例えば未来に映画のようなアンドロイドが作られる技術が確立したとします。
もちろん、デヴィッドのようなぶっ飛んだアンドロイドが現れないようにきちんと安全面を
確固たるものにして、利用することになるでしょう。
そのアンドロイドが人間に有益な薬や薬品、何らかの発明をしたとします。
とても便利なもので、その恩恵に人間はとても助けられますが、それを利用すると出生率が
極端に低くなる、という副作用があったとします。
それに気がつくのは、既に手遅れになったあとで、すでに全世界で殆どの人が利用していた
としたら、人間は滅びるしかなくなってしまいます。
と言っても作り出したアンドロイドにはその意図は全く無く、副作用は偶然であったと
したら、映画のように2世代下の創造物によって創造主が抹殺されるという状況が出来上がる
わけです。
こうやって考えると、たとえアンドロイドだとしても知性を持ち合わせる2つ以上の種が
共存することは、実はとても危険なことなのかな、と思えてきました。
ネタバレ感想 2 続編は話の続き?
3部作の2作目ということで、しかも既に興行成績は成功を収めていますので、3作目が
作成されることはほぼ間違いないと思われます。
この後、入植先でデヴィッドがどのような計画を行うのか、非常に興味がありますが、
実はリプリー監督へのインタビューで、3作目の話は「エイリアン・コヴェナント」の
あとの話ではないであろうことが分かっています。
実は3作目は1作目の「プロメテウス」と今回の2作目「エイリアン・コヴェナント」との
間の時系列の話、すなわち「プロメテウス」で宇宙に飛び立ったエリザベスとデヴィッドが
「エイリアン・コヴェナント」で明らかになっている断片的な情報にどうつながるのかが
描かれるというわけです。
すでに、エリザベスには悲惨な最後しか待っていないことがわかっているので、気が重く
もなりますし、こんだけ悪さをしてしかも生き残るデヴィッドのいまいましさもエンディング
まで見ても解消されないわけですが、なぜデヴィッドがクリエイターの星で虐殺したのかなど、
理由には興味が湧いてきます。
訂正:3作目に関して今現在わかっているのは公開予定が2019年であることのみです。
内容はおろか、出演俳優の決定も決まっていないと発表されています。
が、おそらく内容的に今後の話になるとはいえ、エリザベスがデヴィッドを直した理由や、
デヴィッドがエリザベスを利用してエイリアンを作り上げた過程に関して、そして
デヴィッドがなぜクリエイターたちを滅ぼしたのか、何らかの謎解きがあるものと
期待しています。
一方で、「エイリアン・コヴェナント」の後の話は、と気になる人もいらっしゃるかと
思います。
それについてもリプリー監督は、言及しており、この3部作が終わった後、更に3部作を
作る構想があるそうです。
まだ、初代エイリアンが起こる前の時代を背景とした話になるのか、と思いますが、
できるのであれば、やはりこの後の話を決着つけてほしいと思ってしまいます。
個人的には、出来ればデビッドに罰が下るような話になればな、と期待してしまいます。
ネタバレ感想 3 エイリアンって生物?
デヴィッドが映画の中で、「生物の最高傑作」と自画自賛しているエイリアンですが、
どうも彼がエイリアンを作り上げた人物のようです。
にしてもエイリアンって生物なんでしょうか?
人を襲っていますが、捕食するためでもなく、生殖のためでもないようです。
とはいえ、フェイスハガーからエイリアンになるためには生物が必要ですが。
とにかくエイリアンが人を殺すのは、まるでそれが存在価値であるかのように気持ちいい
くらい派手に、スピーディーに行います。
でも地球上の生き物で、ただ相手を殺す、というような生物はいませんよね。
生物兵器として開発されたわけですから、それでいいのでしょうが、ここまで見事な
殺戮兵器だと実戦に投入するにはかなり限られた状況でないと無理ではないでしょうか?
何と言っても相手を抹殺するにはもってこいでしょうけど、ターゲットがいなくなっても
制御が効かず、関係のないものまで殺して歩くような気がします。
敵を全滅させた後に占領に入った味方にまでも襲い掛かってきそうです。
でも、なんでデヴィッドはあのようなエイリアンの形態にしたんでしょうね?
ニューキャラのネオモーフは胞子が体内に入り込んでから幼体とはいえ、エイリアンの
形で出てきています。
でもゼノモーフは一旦フェイスハガーを経由してからでないとエイリアンの形には
なりません。
そういう形態にした、なったのは何らかの必然がないと必要がないのですが、
考えてみてもその必然性がわかりません。
次回作で理由がわかるかもしれませんが、デヴィッドの趣味なんでしょうか。
関連記事: 映画プロメテウスのおさらいとネタバレ感想!エイリアンコベナントのメインキャラの確執はここで生まれた!
コメント
2109年公開ですか・
自分は生きていられませんね。残念・