ネタバレ感想 1 ホロコースト否定論者の主張について
第二次世界大戦でナチス・ドイツが行ったユダヤ人の虐殺について、それが本当に行われたことのない、でっちあげである、という主張があるとは、この映画を見るまで思っても見ませんでした。
しかし、よくよくみてみると、虐殺自体がなかったと言っているわけではなく、例えば、ヒトラーが署名をした公式命令書として、ユダヤ人虐殺を命じた文章が残っていない、ということであったり、ユダヤ人を殺すのにガス室を使って殺したのではない、という程度の話で、第二次世界大戦でナチス・ドイツによってユダヤ人が迫害、虐殺をされたということは、揺るぎない事実です。
命令書がないから虐殺もなかった、という論法は全くナンセンスな話で、映画内で登場した「穴がなければ虐殺もない」というのも、ただ単にゴロが良いだけのキャッチーな言葉でしかありません。
ホロコーストではナチス・ドイツがユダヤ人を実際にガス室で大量に殺害した、と学校で習ったのを覚えていましたが、これもどうやら真実ではなさそうで、はっきりとはしていない、というのが正しいようです。
ガス室で殺された人達もいたでしょうが、銃殺であったり、衰弱死であったりと、とにかく大量に殺されたことだけは事実で、その方法がなんであったかは、あまり重要ではないと感じます。
例えていうなら、「大阪から東京に行くこと」が重要で、それが車でであったり、電車でであったり、飛行機だあったりは、その時の条件や状況によって一番便利で適した手段を選ぶ、ということに似ているのではないでしょうか。
「ホロコースト」というと、あたかもアウシュヴィッツで毒ガスでユダヤ人が大量に殺害されたこと、と思ってしまいますが、別にアウシュヴィッツでなくても、毒ガスを用いてでなくても、ユダヤ人がナチス・ドイツによって迫害された上に殺されたことを指すと認識すべきだと思うのです。
ネタバレ感想 2 映画を見た後で考えた南京大虐殺や従軍慰安婦問題などについての私見
このホロコーストを題材にした映画を見ると、どうしても南京大虐殺や従軍慰安婦問題についても考えてしまいます。
ヨーロッパで起こったことではないので、ホロコーストに比べれば、認知度は低いわけですが、最近の北米内でのロビイストの活動で、一方的な一面からの認知が広まっているように思われます。
心配はしていますが、僕が住む東海岸の片田舎ではまだまだ知られていない問題ではあります。
戦争中のことですので、戦闘後に結果的に民間人を殺してしまうことや、現地の女性に無理やり乱暴を働くことは軍隊として何ら珍しいことではないと思います。
それが政府や軍全体の命令のもと、組織的にされていたのか、ということになると、僕にはわからないというのが正直なところです。
しかし日本人として、そういった組織的な命令を受けて行われたものではないが、戦争中という特殊な状況下、旧日本軍によって迫害を受けた現地の人間が多数いた事は事実であり、戦争が終わった後、それらの人々に謝罪し、保障をしたということで責任は果たしたと思うのです。
だいたい、特に従軍慰安婦で慰安婦だったという女性が証言をするとしてマスコミに登場したりしますが、それこそ年端もいかない少女だった頃、無理やり日本兵の相手をさせられていた時に、目の前に現れる兵士に強要されて、ということはわかると思いますが、その強要が日本政府が組織的に行っているものだ、なんてことがわかるわけが
ないと思うのです。
経験された境遇には同情しますが、だからといって被害に合われたから全てを分かって話ができるということにはならないと思うのですが、いかがでしょうか。
ネタバレ感想 3 ティモシー・スポールの怪演
イギリスの映画ということもあり、イギリスの俳優が多く出演されていますが、やはり一番目につくのは、ホロコースト否定論者として、この映画の敵役として登場しているデイヴィッド・アーヴィング役のティモシー・スポールでしょう。
ティモシー・スポールはこれまでもいろんな映画に出演していますが、僕の中で印象が強いのはディズニー映画の「魔法にかけられて」とチャーチル役としてほんのちょっとしか登場シーンがなかった「英国王のスピーチ」ですね。
あと、ハリポタシリーズにもでており、どちらかと言うとコメディアンチックな役柄を演じる俳優という印象がありましたが、どんな役でも演技可能な万能型の俳優なのでしょうね。
そういえば、「ラスト・サムライ」にも出演したいた事を思い出しました。
本当に味のある、いい俳優だと思います。思わず目がいってしまう、好きな俳優の一人ですね。
この映画ではちょっと痩せたな、と思いました。最初に見たときは別人か、と思ったくらい、ほっそりした顔になってしまって。歳のせいで痩せたのかもしれません。
1996年に急性骨髄性白血病という診断が下っていましたので、おそらく完治をしたと思うのですが、体に気をつけて、今後もその怪演をスクリーンの上で楽しみたいとおもっています。
コメント