映画ユダヤ人を救った動物園アントニーナが愛した命のネタバレ感想とあらすじ!

映画

映画「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」は第二次世界大戦中、ナチス・
ドイツに占領されたポーランドの首都ワルシャワの動物園で、園長をしていたヤン・
ジャビンスキとその妻アントニーナが、迫害されていたユダヤ人を助けた実話をもとに
創作された小説「ユダヤ人を救った動物園 ヤンとアントニーナの物語」を原作として
いる作品です。

世界共通の悪役、ユダヤ人に対して血も涙もない悪行をおこなうナチス・ドイツを相手に
命をかけてユダヤ人を助け出した夫妻と息子の行動を余すとこなく伝えていますが、
僕個人としては彼らの友人であったものの、戦争のせいで微妙な立場になっていった
ドイツ人ルッツ・ヘックの方に心奪われました。

もし自分が彼の立場だったらと思うと、とてもつらいものがあります。




予告動画はこちら

キャストの紹介

アントニーナ・ジャビンスキ: ジェシカ・チャステイン
夫ヤンとともにワルシャワ動物園をヨーロッパ随一の動物園にした飼育員。
ヤン・ジャビンスキ: ヨハン・ヘルデンベルグ
ワルシャワ動物園の園長。ナチス・ドイツに占領されたワルシャワで命がけでユダヤ人を助け出す。
ルッツ・ヘック: ダニエル・ブリュール
ベルリン動物園の責任者で、動物学者。ジャビンスキ夫妻の友人。
ユージック: マイケル・マケルハットン
ワルシャワ動物園で働く飼育員。

ネタバレあらすじ

ポーランドの首都ワルシャワの動物園を営むヤン・ジャビンスキとその妻アントニーナ。
1930年台のワルシャワ動物園はヨーロッパでも最大級で、飼育している動物の種類も豊富な
動物園でした。

動物好きのアントニーナは毎朝、動物園のゲートを開け、来園客を迎えた後、ラクダの
赤ん坊、アダムを引き連れて自転車で園内を周り、動物たちを確認するのが日課です。

ある夜、ベルリン動物園の園長でアドルフ・ヒトラーの動物学者長のルッツ・ヘックを
迎えてパーティーをしていると、園内で飼育している象が出産するのですが、生まれた
小象が呼吸をしていないと、飼育係のユージックと息子のライが飛び込んできます。

アントニーナは母親象をなだめながら懸命に応急手当をし、無事に小象を救うのでした。
それを見ていた招待客は、歓声を上げて祝福し、夫のヤンは誇らしげに妻を抱擁します。

ドイツのポーランド侵攻の噂に怯えながらも平和な毎日を過ごしていたのでした。

1939年9月1日、ワルシャワはドイツの攻撃に晒されます。
爆撃により街が破壊され、動物園も多大な被害を受けました。動物たちは死傷し、破壊さ
れた檻からライオンやトラ、猿やラクダ、カンガルーが街に逃げ出します。

檻から抜け出して暴走する象は、ポーランド軍によって安全を期すために射殺されてしまう
のでした。

ドイツの占領軍がワルシャワに乗り込んできます。軍隊は動物園にもやってきますが、
ルッツもヤンとアントニーナを助けるために到着します。
あいにくヤンは不在でしたが、ルッツはアントニーナに生き残った一部の動物をベルリン
動物園へ移動させ、戦争が終わり次第、ワルシャワに戻すという案を提示します。

決断を急がされたアントニーナはヤンの帰りを待つことができず、独断でその提案をのむ
のでした

帰宅したヤンは話を聞き、勝手に決めたアントニーナを叱責します。ヤンはアントニーナ
ほどルッツを信用しておらず、その心配はやがて現実のものとなってしまうのでした。

冬になったある日、ルッツはナチスの軍隊とともにワルシャワ動物園を訪れ、越冬が
不可能との理由から、全ての動物を殺処分すると宣言して実行していきます。

アントニーナとライは鳴り響く銃声の音を聞かないようにと耳をふさいで抱き合うしか
できませんでした。

次にドイツ軍はワルシャワに住むユダヤ人全員を自宅から追い出し、強制収容施設へ連行
します。ジャビンスキ夫妻の友人、マウリツィ・フランケルとその恋人マグダ・グロスも
強制収容所送りとなり、最後の別れをしに動物園を訪れていました。

友人の災難にアントニーナはマグダを動物園内に匿うことを提案します。
しかしそれはとても危険なことで、ドイツ軍占領下ではユダヤ人にコップ一杯の水を
与えただけで銃殺刑でした。

しかし、ジャビンスキ夫妻はマグダを園内に匿うことにします。
彼女はジャビンスキ夫妻によって命を救われた最初のユダヤ人になるのでした。

動物のいなくなった動物園を養豚場として使い、豚肉をドイツ軍に卸したいとルッツを
通じてジャビンスキ夫妻は申請をします。
しかし本当の狙いは、豚の食料を強制収容所から貰い受ける傍ら、収容されているユダヤ
人を動物園に密かに避難させることでした。

ルッツは養豚場のアイデアを許可しますが、代わりに彼が手がけている既に絶滅した
オーロックスという野生の牛を今いる牛の交配によって蘇らせる実験に協力するように
いいます。

ヤンは空のトラックで強制収容所に向かい、その中で豚の餌用の生ゴミを詰め込むのです
が、そのゴミ山の中にユダヤ人を数名匿い、動物園につれて戻ると園の檻の一つについて
いる地下トンネルを使って、彼らを家の地下に匿うのでした。

その後、他の有志の協力を得て、ワルシャワ郊外に脱出させ、別の安全な場所に送ったり、
家の地下にそのまま見を潜ませさせていたりして、多くのユダヤ人達を救い出します。

そんなユダヤ人の中に、強制収容所でドイツ兵によって暴行を受けた少女ウルスラが
いました。
暴行されたトラウマで言葉を失ってしまったウルスラでしたが、アントニーナは時間を
かけて彼女に接し、アントニーナ自身のつらい過去、父親を殺されたことや殺戮の中、
唯一生き残ったうさぎの赤ん坊を渡すことで、ウルスラのショックを和らげていくのでした。

やがてウルスラは心の傷から立ち直り、アントニーナとともに避難してきたユダヤ人の
世話を手伝うようになります。




ヤンは助けられるだけのユダヤ人を助けていましたが、1942年にワルシャワの強制収容所
から別の収容所に送られる事になります。
目の前で年端もいかない子どもたちも貨物車の中に押し込められて連れられていくの
ですが、どうすることもできず、表情のほぼない子どもたちを貨物車の中にいれて
上げるのを手伝うことしかできませんでした。

1943年、ジャビンスキ夫妻によって強制収容所から助け出され、身分を偽ってワルシャワ
の街で隠れ住んでした女性二人の正体がばれてしまい、ドイツ軍によって処刑されて
しまいます。

数カ月後、強制収容所の排除がドイツ軍から発表され、ヒトラーの誕生日でユダヤ教の
宗教的記念日であるペサハの日に行われるとのことでした。
その日、強制収容所はドイツ軍によって焼却処分され、収容所内に残されていた全ての
ユダヤ人も焼き殺されたのです。

オーロックスの実験のため、ルッツは頻繁に動物園を訪れる様になります。
それによって匿われているユダヤ人が見つかる危険も増えてしまい、あるときなどは
地下からのかすかな物音に気がついたかと思われたルッツの気を引くため、アントニーナも
ルッツに気があるかのように抱擁をしてごまかさなくてはならない場面もありました。

が、これによって以前からアントニーナに好意を抱いていたルッツは、彼女も彼に好意を
もっていると勘違いし、これまで以上にアントニーナに接近し始めます。

その行為をヤンが見咎め、今の状況と彼らの立場からして彼女がそうせざるを得ない
ことを頭では分かっていながらも、嫉妬の感情を押さえつけられず、アントニーナに辛く
当たってしまうのでした。

アントニーナは偽りで今の生活をなんとか維持している現状に耐えきれず、その辛さに
涙します。
そしてヤンと本当の愛情を確かめ合い、その結果女の子を妊娠し、無事出産します。
名前はライによってテレサと名付けられました。

その頃になると戦況はドイツ軍に不利になり始めます。ポーランドでポーランド人による
ゲリラ戦が繰り広げられ、ワルシャワでもドイツ軍との間で戦闘が繰り広げられて
いました。

ヤンもポーランド義勇軍の一員となってワルシャワの街でドイツ軍相手に戦闘を繰り
広げていましたが、ある日に戦闘で首に射撃を受けて負傷、ドイツ軍に捕虜として
捕らえられてしまいます。

それ以来、ヤンの行方はしれないままとなってしまうのでした。

1945年1月になると戦況はドイツ軍にとってとても不利なものになり、ソ連軍が
ワルシャワに向かって進軍を続けていました。

ドイツ軍はワルシャワからの撤退を決定します。
アントニーナはルッツを訪ね、ドイツ軍が完全に撤退を完了する前にヤンの居所を聞き
出そうとするのでした。

脱出の準備をしていたルッツはアントニーナにヤンの居場所を探し出した際の見返りを
望みます。また、長年、ジャビンスキ一家に抱いていた疑惑、ドイツに対しての敵対行為
をしているのではないか、という疑問も直接ぶつけるのでした。

自暴自棄気味になっているルッツはアントニーナに行為を及ぼうと強引に迫ります。
ヤンの居場所を聞き出すためには仕方がないと思っていたアントニーナでしたが、はやり
最後の一線は超えることができず、激しく抵抗してしまいます。

ついにルッツはこれまでのアントニーナの自分に対する愛情表現は全てウソで、
そうしなくてはならない理由があることにも気がつくのでした。
ルッツは動物園に兵士の一団を送り、自ら乗り込みます。

危険を察知したアントニーナは急いで動物園に戻り、地下に潜んでいたユダヤ人達を
トラックに乗せて逃します。
そのトラックにライも乗せようとしますが、母親一人を置いていけないとライは残り
ます。そんなライを地下室に隠れさせ、アントニーナはルッツとドイツ兵を迎えるのでした。

動物園についたルッツは兵にくまなく調査をさせ、自身も屋敷を調査します。
そして地下室で壁に書かれた絵、ウルスラや他の子供達が書いた動物や家族、そして
六芒星を発見するのでした。

ルッツが地下室に入ってきたことでライはトンネル内を逃げ出します。
それに気がついたルッツは後を追い、トンネルの出口の檻の中でライを追い詰めるので
した。
銃をライに向けて構えるルッツに、アントニーナは懇願します。ルッツはそんなアント
ニーナを檻の中に閉じ込め、ライを檻の裏側へ連れていき、そして銃声が聞こえるのでした。

アントニーナはライが撃たれたと思い、泣き崩れますが、ルッツが戻ってきて車に乗り
込むとライが戻ってきます。無事を喜びあった二人は檻から出、荷物をまとめ始めます。

ルッツは動物園を去り、そのままドイツへもどります。

アントニーナとライは荷物をもって、園内に残っている動物、うさぎとルッツの実験で
生まれたバイソンをつれ、街を離れます。そしてバイソンを森の中に放すのでした。

4ヶ月後、ナチス・ドイツは降伏します。ワルシャワに人々が戻り始め、復興が始まり
ました。
アントニーナもライとテレサを連れて動物園に戻ります。そこにはユーザックが戻って
おり、再会を喜び合うのでした。

その後、ウルスラ、マウリツィやマグダも戻ってきて園の再建に力を合わせて一緒に
生活を始めます。

そして、ついにヤンが生きて動物園に戻ってくるのでした。

映画の最後にその後の話が紹介されます。

ジャビンスキ夫妻は300名余のユダヤ人を動物園に匿い、助け出しました。

ルッツはベルリンに戻りましたが、彼のベルリン動物園は連合国軍の攻撃により破壊され
てしまいました。
また、彼のオーロックス復活計画は失敗に終わったことも紹介されています。

ワルシャワ動物園は夫妻の手によって再建され、今現在も開園されていると紹介され、
映画は修了します。




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