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Takmoの独り言-映画のネタバレ感想とあらすじ!

映画レディバードのネタバレ感想とあらすじ!二人が車で聞いていた小説は?

 
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映画「レディーバード」は高校生の女の子を通して、家族との、特に母親との付き合い方を
描いた作品です。

また、高校3年生の主人公が、何を考え、どう行動し、といった女子学生の苦悩と成長が
とてもリアリスティックに描かれています。

女の子を子供に持つ一人の親として、大きくなったらこんな問題が待ち構えているのか、と
面白く、そして少し恐ろしく思いながら楽しめた映画でした。





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予告動画はこちら

キャストの紹介

クリスティン・マクファーソン(レディ・バード): シアーシャ・ローナン

マリオン・マクファーソン: ローリー・メトカーフ

ラリー・マクファーソン: トレイシー・レッツ

ダニー・オニール: ルーカス・ヘッジズ

カイル・シャイブル: ティモシー・シャラメ

簡単なあらすじ

「フランシス・ハ」「20センチュリー・ウーマン」などで知られる女優のグレタ・
ガーウィグが、自身の出身地でもある米カリフォルニア州サクラメントを舞台に、
自伝的要素を盛り込みながら描いた青春映画。

「フランシス・ハ」や「ハンナだけど、生きていく!」などでは脚本も手がけ、
「Nights and Weekends」(日本未公開)では共同監督を務めた経験もあるガーウィグが、初の単独監督作としてメガホンをとった。

カリフォルニア州のサクラメント。閉塞感漂う片田舎の町でカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティンが、高校生活最後の年を迎え、友人やボーイフレンド、家族、そして自分の将来について悩み、揺れ動く様子を、みずみずしくユーモアたっぷりに描いた。

主人公クリスティンを「ブルックリン」「つぐない」でアカデミー賞候補にもなった若手実力派のシアーシャ・ローナン、母親マリオン役をテレビや舞台で活躍するベテラン女優のローリー・メトカーフが演じた。

第90回アカデミー賞で作品賞ほか6部門にノミネート。ガーウィグも女性として史上5人目の監督賞候補になった。

引用「映画ドットコム:eiga.com/movie/88121/」





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ネタバレ感想 1 冒頭に流れるオーディオブックは?

映画開始とともに車の中でレディーバードと母親のマリオンが聞いているのは、1939年に発行され、翌1940年にピューリッツァー賞を受賞したジョン・スタインベックの小説「怒りの葡萄」です。

1940年に映画化されたこの小説は第13回アカデミー賞で監督賞と助演女優賞を受賞し、その他5部門でノミネートされたほどの名作ですが、内容をご存知のない方のために、簡単に解説しておきます。

世界恐慌と重なる1930年代のアメリカ、大規模資本主義農業が発展していきます。
同時にオクラホマ州はじめとする中西部で深刻化していた、開墾によって発生した砂嵐によって、所有地が耕作不可能となっていました。

それらの結果、流民となる農民が続出して社会問題となっていたのですが、「怒りの葡萄」では、当時の社会状況を背景に、故郷オクラホマを追われた一族の逆境と、不屈の人間像を描いています。

オクラホマ州の農家の息子である主人公のトム・ジョードは、激情にかられて人を殺し、4年間の懲役刑となりました。
物語は彼が仮釈放で実家に戻ってきたところから始まります。

彼の家族の農場は砂嵐で耕作不能となっていました。
生活に窮した家族は、オクラホマを引き払って仕事があると耳にしたカリフォルニア州に一族あげて引っ越そうとしているところだったのです。

トムは一族や説教師のジム・ケイシーなどとともに、カリフォルニアへの旅に合流します。

物語の前半では、すべての家財を叩き売って買った中古車でジョード一家がルート66を辿る旅が描かれています。

祖父や祖母は、アリゾナ砂漠やロッキー山脈を越えてゆく過酷な旅に体力が耐えられず車上で死亡してしまい、従兄弟もいつの間にかいなくなってしまいます。

そして、そのような苦難の旅の末、一家は人間らしい生活ができると思っていたカリフォルニアに辿り着くのですが、しかし当時のカリフォルニアには大恐慌と機械化農業のために土地を失った多くのオクラホマ農民が既に流れついていました。

移住者たちは、「オーキー」(Okie。“オクラホマ野郎”の意味)と呼ばれ蔑まれながら、貧民キャンプを転々し、労働力過剰に陥っているため、地主の言い値の低賃金で、日雇い労働をするほかありませんでした。

なんとか生活を改善させようと、労働者を組織して活動をはじめたケイシーでしたが、地主に雇われた警備員に撲殺されてしまいます。

その場に居合わせたトムは、ケイシーを殺した警備員を殺害し、家族と別れて地下に潜るのでした。

引用「Wikipedia:ja.wikipedia.org/wiki/怒りの葡萄」

映画を見ていくとわかるのですが、「怒りの葡萄」で貧しさから虐げられているオクラホマの農民と、レディーバードのマクファーソン一家がダブって映し出されているように感じます。

父親のラリーは職場を解雇され、看護師のマリオンが家計を支えています。
そんな厳しい状況で、大学に進学したいレディーバードもその進路に経済的な制約を受けざるを得ないのでした。

世界恐慌の時代ほどではありませんが、それでも近年は将来が見えないことからの閉塞感を感じざるを得ません。

今の学生はどれだけ良い大学に行こうが、どれだけ一流企業と呼ばれる大手に就職できようが、それで残りの人生が約束されたものにはならなくなっています。

逆に、いつどうなるかわからない不安や、どれだけ頑張っても成功するビジョンが見えなかったりと、ある意味これまで以上に辛いのかもしれません。

映画を見ながら思ったのは、アメリカではまだそれほどでもないかもしれませんが、特に日本では、18歳前後の年齢で、社会や将来について考える訓練も、情報も与えられていない状況で、残りの人生をほぼ、決めてしまうような決断をくださなければならないことに、不公平を感じざるを得ません。

今でも覚えていますが、僕も地元の中では1、2を争う進学高校にいました。
高校3年の進路指導のミーティングで、個別面談をしてくれた担任の先生は、今の僕の成績であれば、どの大学がボーダーラインか、という知識は豊富でしたが、そのとき僕がなりたい職業につくためには、どうしたら良いかという質問の答は持っていませんでした。

それはそのはずで、先生は大学を卒業してすぐに学校の教師になっており、学生時代も先生になるための勉強をこなしてきていたのです。

ですので、それ以外の職業に就職するための術を知らなくて当然だったのです。

ネタバレ感想 2 大学へ行くための奨学金

レディーバードがニューヨークの大学に合格し、その入学費用を捻出するために父親のラリーと銀行を訪れるシーンがあります。

入学金を工面するために、「Financial Aid」と呼ばれる制度と自宅の「Refinance」をしているのですが、この「Financial Aid」とは日本語訳すると奨学金制度。

そして「Refinance」とは自宅を担保にした住宅ローンの借り入れのことです。

日本では日本育英会の奨学金が有名ですが、これは奨学金とはいえ、名ばかりのもので、実際は学生ローンに他なりません。

奨学金は普通、借りるものではなく、授与されるもので、あとで返す必要は還俗ないはずだからです。

北米では学校だけでなく、政府や組織、軍隊まで奨学金を提供していたりします。
成績優秀であることは条件に入りますが、例えばとある地域出身者のみ対象の奨学金があったりと、多くのバリエーションがあります。

そして住宅ローンである「Refinance」。
これは自宅の市場評価額の3/4まで、銀行が用意する住宅ローンを借りることができる制度で、借金することに日本人ほど抵抗のない北米人はよく、この制度を利用しています。

もちろん、払えないということになれば、自宅は差し押さえられてしまいますが。

簡単な例を出して説明すると、2000万の価値があると認められた家屋に対して、もしその家屋を担保にした借金がなかった場合、原則1500万までの借り入れが可能、ということになります。

もし、すでに借金をしていて500万が残っていたとしたら、差額の1000万まで借り入れることができる、というものです。

ラリーにここまでしてもらって大学に行くことになったのですから、せめてきちんと勉強して卒業をしてほしいと思うのですが、やはりそこはまだ年の若いレディーバード、いきなりパーティーで見知らぬ男子学生とくっつきそうになったと思いきや、飲み過ぎで病院に担ぎ込まれる始末。

映画のはじめから、自分のしたいことを結構ためらいなく、実行に移していましたから、こんな失敗も想定内かもしれません。
が、いい勉強をしたと思って、あまり自由奔放にやりすぎないようにしてほしいと思ったのは、僕が年をとったからなのかな、と思ってしまいました。





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ネタバレ感想 3 中絶に関するセミナーでの発言は

このシーンはアメリカならでは、という感じがしていました。

日本でつい最近、東京であった性教育についての現場に対して教育委員会の介入問題などをみてみると、まず持って映画のようなセミナーは開かれることはないのでしょうね。

特にレディーバードが通っている高校がカソリック系の学校ということもあり、中絶に反対の立場をとっているのは、わかります。

ただ中絶に対して、何が何でも反対、というのもおかしい気がしますし、技術的にできるようになったのだから、便利に利用したらいい、というものでもないと思います。

中絶に対して賛成か反対かの答えはここでは出ないので、これくらいにして、それよりもあのシーンでレディーバードが自分の思いを、下品に主張したことのほうが気になりました。

クラスで人気者のジェンナと過ごす時間が増え、ジェンナのようにかっこよく振る舞わないといけない、と調子に乗っていたように思います。

実際、停学になった問題の一言を言い放ったとき、ジェンナですら「それいう?」というような反応でした。

思うにジェンナはクラスの人気者ではありますが、それほどつっぱっている学生ではないという雰囲気を感じました。
それをレディーバードが、ステレオタイプのイケてる学生を彼女の前で演じるために、自分以上のキャラを演じている様に見えてなりません。

あとで、その事に気がつき、疎遠になってしまっていたジュリーとまた仲直りするのですが、これも高校生という若い時代に犯してしまう間違いのひとつなんでしょうね。

ネタバレ感想 4 子供以上に素直になれない母親

高校生であるレディーバードは、自分のやりたいことを成し遂げるために、いろいろな努力や細工をする、行動力のある女性です。

そんな彼女にアドバイスをしようとして、かえってそのアドバイスに従わせようと強要することになる母親のマリオンは、どちらかというと娘との接し方がわからないでいるように感じました。

マリオンのように娘のいうことにアドバイスをしながらでも、常に口論や対立をする結果になることなく、良い関係を築ける母親もいると思います。

ただ、そういった母親とマリオンのように不器用な母親との違いは何であるのか、どうすれば不器用な母親が娘ときちんと関係を気づけるようになるのかは、専門家でない僕にはわかりません。

ただ救われるのは、映画の中でお互いが相手に伝えようと努力しながら、きちんと伝わっていないやり取りをすべて観客として見ることができるため、お互いに相手のことを愛しているのだ、大事に思っているのだということがわかる点です。

中には、同じような境遇の母親と娘がいて、この映画を見て「わかる~!」とうめいているのかもしれません。

そんなことを考えてしまうほど、リアルに母親と娘の関係とお互いの感情が描かれた素敵な映画だと思いました。





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詳細なネタバレあらすじは次のページへどうぞ

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