映画「ガンズ・アキンボ」は、「ハリー・ポッター」シリーズでハリー・ポッター役を演じてスターとなったダニエル・ラドクリフ主演のアクション映画です。
爽快に銃撃戦を繰り広げる内容は、正直見る人を選ぶ内容だと感じました。
多くの人が銃撃戦の中で死んでいく内容ですので、殺伐とした映画にならないよう、コメディー要素も多く含んでいる映画です。
派手な銃撃戦アクションと笑いが好きな人には楽しめるのではないでしょうか。
今回はそんな「ガンズ・アキンボ」の感想や評価をネタバレ込みでいくつか挙げていきたいと思います。
映画「ガンズ・アキンボ」の感想や評価
映画「ガンズ・アキンボ」は設定からして、とんでもなくぶっ飛んでいます。
なんだかゲームか漫画の世界を映画化したのでは、と思えてくるほど。
とにかく大量の人が死んでいく映画なので、面白おかしくしないとあまりに殺伐としてしまうと考えたのでしょう。
いくつも笑える場面が入っているのでした。
だからこそ、ヒロイン役のノヴァが彼女ではなく元カノで、助けられたのに結ばれないというハッピーエンドではない終わり方になったのでしょう。
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それではひとつずつ、映画を見て印象に残ったシーンや設定等について、深掘り感想に行きたいと思います。
マイルズがリロードできない二丁拳銃装備になったことについての考察
マイルズが映画のタイトル通りに二丁拳銃装備になった理由は、映画を見た人には説明するまでもありませんが、マイルズ自身が望んでこのスタイルになったわけではありません。
よせばいいのに犯罪組織が運営している、実際に繰り広げられる殺し合いをライブで配信している違法サイトに対してネガティブコメントを投稿していたためです。
それによって犯罪組織を怒らしてに目を付けられ、次の殺し合いのプレイヤーとして無理やり参加させられた一環として、両手に銃を固定されたのでした。
ちなみに映画タイトル「ガンズ・アキンボ」の意味や語源、実際にこのスタイルで銃撃戦を行うとどうなるかについての記事は、こちらを参照ください。
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このような展開でもなければ、誰も好き好んで両手に銃を固定するようなスタイルに自分からはなりません。
ですので、マイルズにアキンボ・スタイルをさせるためには、必然のストーリー展開であったわけです。
が、このストーリー展開に一つだけ突っ込みを入れたくなることがありました。
それはマイルズがあまりにネットに対して情弱だったことです。
ネットの問題点の一つとして匿名性が大きく取り扱われますが、実際にはネットを使用しているからと言って個人を特定できないわけではありません。
ネットを接続するためには必ずIPアドレスというものが必要で、どのIPアドレスからネットに接続しているかが必ず分かるようになっています。
個人宅であればその個人が契約しているプロバイダーとの間に特定のIPアドレスが振り分けられ、それを調べることは別段難しくありません。
IPアドレスが分かれば、それに紐づけられている個人情報をプロバイダーが持っているわけで、そこから契約者名や住所、電話番号などが分かるわけです。
フリーWi-Fiを使用していたとしても、どの時間にそのフリーWi-Fiを使ってネット接続していたかは、記録が残り、その時間にいた客から個人を特定することなど、セキュリティカメラが普及している昨今、それほど難しくはありません。
もちろん、個人でできる範囲は限られていますが、例えば警察などの公的権限を持った組織が正式な手続きを踏まえた上で、これら情報の開示を請求すれば、たちどころに明確になります。
また、ハッカーなどがその技術を悪用して個人の特定をしようとした場合、それほど難しい技術ではないのも事実です。
特にマイルズのように、その対策を全くせずに書き込みを行っているのであれば、ハッカーにとっては赤ん坊を相手にしているようなもの。
映画のようにあっという間に特定されてしまいます。
僕が突っ込みたいと思った問題点は、マイルズがそのような情報を知らずにいた、という点です。
マイルズは一応プログラマーでコンピューターに関する知識がある人物のはずです。
ネットに関しての匿名性についての情報は少しかじれば、このIPアドレスから簡単に無くなってしまうことはすぐに分かります。
そしてこの世の中には自分が使用しているIPアドレスを相手に分からないようにする技術が、ネットセキュリティの一環として普通にウィルス対策ソフトに含まれて販売されいまるのです。
バーチャル・パーソナル・ネットワークの頭文字を取った「VPN」というもので、こちらのシステムを使用することで個人のIPアドレスを隠すことができるのです。
VPNについての詳しい説明や無料での使用方法は、こちらの記事を参照ください。
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殺人ショーをエンタメにし、それによってギャンブルの場も提供している犯罪組織「スキズム」に対して、VPNという知識すら無しにケンカを売るような書き込みをする。
あまりにも自殺行為と言う以外考えられない愚かな行為を、ゲーム開発者というプログラマーであるとはいえ、ITエンジニアの端くれとしてやっているのは、あまりにもおかしいのではないか。
そう思わずにはいられませんでした。
ニックスがマイルズをなかなか始末できないのはマイナス評価
すでに「スキズム」が運営している殺し合いで何度も勝ち残ってきている暗殺者ニックス。
殺しの腕はまさにプロといえる凄腕のヒットマンです。
対するマイルズはこれまで本物の銃を撃ったこともない素人。
全く持って相手にならない組み合わせです。
しかもマイルズは両手に銃を固定されており、両手が使えないというハンディまでついています。
そんな状況のマイルズを追いかけまわすニックスですが、あそこまで始末するのに時間がかかるのも、ちょっと現実味がなくて覚めてしまいました。
初めてニックスがマイルズを襲ったシーンは、マイルズのアパートの部屋の前。
完全にマイルズの不意を突いたタイミングでアサルトライフルを掃射したにもかかわらず、一発も当たりません。
続いてニックスから逃げ回っていたマイルズが仕事場に逃げ込んだシーン。
携帯にウイルスが仕掛けられている可能性があり、それによってニックスに居場所がばれてしまうのではないか、と確認するために訪れました。
そこでパワハラ上司に絡まれますが、両手に固定された銃を突き付けて今までたまっていたことをぶちまけるマイルズ。
いわゆるスカッとシーンですが、そこに追いかけてきたニックスが現れ、ニックスによって上司のザンダーは撃ち殺されてしまいます。
ニックスとマイルズの間に立っていたことで、巻き沿いを食らった形でした。
この時、ザンダーはニックスの銃弾を頭部に受けます。
その衝撃でマイルズに返り血がかかっていますが、この時銃弾はザンダーの後頭部から侵入していますので、返り血がザンダーと面と向かったマイルズにかかるには銃弾が貫通しなくてはいけません。
となると返り血だけでなく、貫通した弾丸もマイルズに着弾していないといけないと思ってしまいました。
ニックスの最後についての感想や考察
映画の後半、マイルズとニックスが協力関係になって「スキズム」に反攻を開始したあたりから、ニックスの処遇がどうなるのか、気になり始めました。
マイルズは人質になった元カノのノヴァを救出するのが目的の一つで、その結果、元さやに戻る可能性があります。
ただ、ノヴァのマイルズに対する振る舞いから、その可能性がそれほど高くないのも感じ取れていました。
であれば、マイルズとニックスがくっつくエンディングがあるのか?
それはそれで、なかなかイメージがわきませんでした。
大体あそこまで逸脱してしまったニックスが普通の生活を送れるのか、ってことを考えるとかなり難しいでしょう。
暴力的ですし、薬中毒でもあるわけですから。
そんな心配をしながら見ていたら、ニックスが自己犠牲の自爆で「スキズム」のメンバーを一掃するシーンに辿り着いてしまいました。
二人による「スキズム」への反攻は、お約束といっていい展開そのものです。
・奇襲による雑魚キャラのなぎ倒し。
・中ボス登場で、死闘を繰り広げる。
・ラスボス、リクターを追い詰めつつあるものの、最後の壁をなかなか超えられなくて時間切れの恐れが…。
ここでニックスが最後の壁もろともに自爆をし、マイルズがラスボスのもとへ進めるように取り計らうわけです。
「スキズム」をぶっ潰した後、全く家族がいなくなったニックスがどのように生きていくのか、といった心配を視聴者にさせることなく、ある意味納得のニックスの最後で、これが一番彼女にとって幸せなのかな、と思えてしまいます。
ただ、その気持ちをより強いものにさせるために、最後の中ボス、覆面をした幹部とニックスとの間に、過去に確執があった、みたいな演出があったほうが良かったのでは、とも思いました。
覆面の中ボスを絶対倒さないといけない、という動機付けがあれば、刺し違えても、と自爆の方法を取ったニックスの行動に、より説得力を強くさせ、視聴者に納得感を与えると思うのです。
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さらに言えば、あの覆面の中ボスの存在感の薄いこと。
他の二人の中ボスに比べると、見た目勝負だけで、強いのかヤバいのか本当のところは分からない扱いは、実は可哀そうなキャラなんだな、と思わずにはいられませんでした。
ノヴァと結ばれないエンディングについての考察
バイオレンス&コメディー&アクションと言えばぴったりのような「ガンズ・アキンボ」
エンディングは夢オチならぬマボロシオチ。
瀕死の状態のマイルズが、こうなってほしいと切望していた思いを、幻想として見ていただけで、実際はあまりに悲惨なマイルズとリクターの戦いに、ノヴァは恐怖から瀕死のマイルズをおいて逃げ出してしまっていた、というものでした。
最後までマイルズをピエロとして扱うことで笑いを取りに行っています。
まぁ、笑えるといえば笑えるのですが、その反面、とばっちりをくっているのはノヴァではないでしょうか?
というのも、あまりに薄情な女に見えるのです。
確かにマイルズのせいで「スキズム」にさらわれ、命の危険にさらされていましたが、それはマイルズだって同じような立場。
そのマイルズは責任を感じてノヴァを救いに来ているわけで、格好良く決まらない最後ではありましたが、それでもちゃんとノヴァのことを救ったわけです。
ノヴァだってリクターに歯向かい、マイルズの手助けをしているほどですから、全てが終わった後に、瀕死のマイルズをほったらかしで一人だけ逃げるのは、あまりに酷い行為に写ってしまいました。
例えば肩を貸して道路までたどり着いた後、よりを戻そうと告白するマイルズに、新しいマッチョな彼氏がノヴァを迎えに来る、みたいなのでも良かったように思います。
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エンディングといえば、全てのことが終わってマイルズの傷が癒えた後、なんとマイルズ自身がニックスのいた立場になってゲームを続けていることが明かされて映画は終わっています。
銃も撃ったことのないマイルズが「スキズム」をぶっ潰すために、派手な銃撃戦を繰り広げて悪者をたくさん倒していったのは、そうしないといけない必然性があったためで、彼が銃の射撃に才能があったためではありません。
そんなマイルズが、ヒットマンになっているという展開は、ちょっと無茶なこじつけだと思いました。
大体、「スキズム」が破壊された後、いったい誰が違法コロシアムゲームを継続して運営しているのでしょうか?
そちらのほうが、もっと気になりました。
もしかすると、そのことをネタに続編が考えられるのかもしれませんね。
感想・評価・考察のまとめ
映画「ガンズ・アキンボ」は深く考えることなく視聴することができる爽快ガンシューティングアクション。
映像的にみて美しいかどうかをメインとしており、現実的かどうかは二の次です。
ですので、こういったジャンルを楽しめる人だけ、という視聴者を選ぶ映画ではあります。
また、かなりバイオレンス度が高いため、内容を軽くするためにもコメディー要素もふんだんに取り入れられています。
それは十分笑えるものばかりですので、それだけでも楽しめる映画でした。
ある意味、突っ込みどころは満載ですが、この手の映画は、そこ部分は気にしないで単純に楽しむのが一番なんでしょう。
そしてこの「ガンズ・アキンボ」は、それができるようにコメディー満載、勧善懲悪の単純ストーリーでお届けされている映画です。
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